★【遠山奈癒視点】最終報告書不許可
「実際に潜入したところ、カーテンの存在を確認しました。シルエットですがソファもありました。これは間違いなく黒です。」
「そうね…」
副会長の報告に相槌を打ちながら、ボランティア部最終報告書に再び目を通す。
ボランティア部が生徒と淫行をしているという証拠が並んでいた。
今の私には二つの感情が入り混じっている
一つは奈妓ちゃんが他の女にたった100円で抱かれているという怒り
もう一つは妹の恋愛対象が女性で確定したという喜び
「証拠は揃っています。今すぐに踏み込みましょう」
「副会長」
「はい、準備は既に出来ております」
「私はバカですと言いなさい」
「え?」
「言いなさい」
「わ、私はバカではないです」
なにも分かってない
バカに説明するのは骨が折れる
「今、踏み込んだら私の妹も同罪になるでしょう?」
「…お言葉ですが妹さんも同罪です。報告書にもあるように何人か妹さんと抱き合った生徒の証言を得てます。」
心の中で特大の舌打ちをする
コイツは出世出来ないタイプだ
「貴女確か帝都大学を志望していたわよね?」
「それがなにか?」
懐から一枚の紙を取り出して副会長の前に落とす
拾い上げた彼女の表情が消える
「真面目な副会長がまさかこんなことしているなんてね。これが表沙汰になったら貴女の内申は終わりよ」
「クッ…前会長にも同じ手口を使いましたね?」
その質問には答える必要がない
「もう一度聞くわ。私の妹は同罪?」
「…いえ、会長の妹さんはボランティア部の内情を知りませんでした。無罪です…」
「よろしい」
ボランティア部最終報告書も副会長の前に落とす
明日には妹の記述のみ消された最終最終報告書が出来上がるだろう
「もうすぐよ…奈妓ちゃん」
副会長が去った生徒会室で私は腕を天に掲げた
妹の胸の感触は今でも鮮明に感じている
歓喜の日は近い
一方そのころのボランティア部




