決戦はソファの上で
「うーーーん゛っっ!」
部室に私の声が響く
「ほら、もっと腰を上にあげなさい」
「んっんぁっ!」
「はしたない声を出さない」
誤解を受けない内に言っておくが、決してエロいことをしているのではない
腹筋をしているのだ。二日間、部活をサボった罰で麗奈先輩にやらされている。
ボランティア部がこんな体育会系だったなんて聞いてない!
なんとかやりやすい体勢でやりたいのだが、麗奈先輩にガッチリ脚を抑えられていて楽が出来ない
コイツ…もしかして私のぱんつを見る為にやらせているんじゃなかろうな?
…そんなワケないか、告白二連敗中の女のぱんつなんて誰も見たくないか
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!」
ようやくやり終える
砲丸投げの選手みたいな声が出たよ
あれってなんで投げた後に叫ぶの?
「失礼します」
頃合いを見計らったかの様に詩織さんが部室に入ってくる
決戦の刻だ。既に満身創痍だけど
「ナギっち?」
詩織さんの姿を見て立ち上がろうとしていた小鳥遊の肩を抑えて座らせる
「詩織さん、今日は私を指名して」
「…嫌です。負け犬に用は無いです。結衣さんが良いです。」
「は?」
「結衣さん、この前の続きをしましょう///」
「キモ!名前で呼ぶな!その熱っぽい視線やめろ!てかなんでナギっちから私に乗り換えてんの!?」
小鳥遊は詩織さんの気持ちを量りかねているようだ
小鳥遊…この女の思考は理解出来ないから考えるだけ無駄だよ
「詩織さん、私を先に指名してよ」
「日本語で喋ってくれませんか?負け犬にキャンキャン鳴かれても理解出来ません」
こいつって好きか嫌いかの両極端しかないの?
負け犬扱いに心が折れそうになるが、ここで引き下がるワケにはいかない
「小鳥遊はデザートにした方が良くない?」
「…なるほど。結衣さんを一番最後に取っておくという事ですか。良いでしょう。今日は雑種で我慢してあげます。」
交渉成立、カーテンを開けてソファの部屋に消えた詩織さんを追う
「…ナギっち」
途中で小鳥遊に止められた。なんで小鳥遊姉妹はスカートを掴んで止めるの?そういう教育受けてんの?
麗奈先輩と小鳥遊にぱんつ見られちゃったじゃん。陽咲先輩にも見せなきゃ仲間外れにしてると思われるかな?自分から見せるのは違うような…
「禁忌を犯すつもりじゃないよね?」
「まさか」
笑いながら手を振って否定する。
本当に禁忌を犯すつもりはない、藤詩織はここで止める
私は勝つんだ。二日間の特訓の成果を見せてやる




