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暗転

最後のページの紹介が終わり、アルバムを元に戻すお姉さん


「あっそういえば今日って私がお風呂掃除当番だった。奈妓ちゃん私下に行くね」


「はい…」


「結衣を襲っちゃダメだよ☆」


「あはは…」


部屋から出て行くお姉さん。階段を下りていく足音が消えるのを確認してから私はゆっくりと小鳥遊に近づく。勿論襲う為ではない

確かめたいのだ、小鳥遊が『お姉さま』なのか


小鳥遊に一歩近づく度に心臓の鼓動が速くなる。

キミはあの日にお姉さんの制服を着て私を慰めてくれたのか?抱きしめて確認したい


ベットに寝ている小鳥遊の隣に立つ

真っ赤だった顔色は幾分良くなっている

起こさないようにしながらベッドに上がり、彼女にさらに近づく


正直言って、小鳥遊と『お姉さま』どちらが好きなのか苦悩していた。でも小鳥遊と『お姉さま』が同一人物ならば、そんな悩みは雲の彼方に消える。


「……………」


意を決して小鳥遊を抱きしめようとする


「!!!!!」


けれど出来なかった


小鳥遊が手で私を抑えたからだ

彼女の眼は酷く悲しそうだった。


一秒ほど見つめ合ってから、私は居たたまれなくなって小鳥遊の部屋から飛び出した

見慣れているハズの家までの帰り道がドロドロしたおぞましい空間に感じる


「はははっ」


自嘲する。笑えてくる

『お姉さま』が私を好きな保証なんてなかった。私はどこかで『お姉さま』が見つかったらキスしてハッピーエンドだと驕っていた。

私は物語の主人公でもなんでもない、私の物語なんて所詮こんなもんなんだ

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