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小鳥遊…無茶しやがって

「えええ!?」


「どうしたんですか?威勢が良かった割には顔真っ赤ですよ」


詩織さんはソファに座らなかった。いきなり小鳥遊の膝の上に跨って密着したのだ


「いきなり過ぎだし!最初は話とか…」


「私とお話ししたかったんですかぁ?」


そう言いながら詩織さんは小鳥遊の髪を撫でる

こ、これはヤバイ、観察しているだけの私も赤面してしまう


「違うっての、てか重い、離れて」


「重いのは胸のせいですね」


「イヤミかよ」


「重いので少し乗せさせてくれませんか」


「乗せる?」


詩織さんはさらに小鳥遊に密着して自分の胸を彼女の胸に乗せようとする


「や、やめっ」


「中々上手く行きませんね。もう少し大きければ良いのに」


「い、イヤミかっての」


小鳥遊の強がりはそこまでだった。詩織さんは胸を彼女の胸に擦り付け始める

妙薬+刺激のコンボで小鳥遊の真っ赤な顔が上向く


「ちょ!あんなの駄目でしょ!?」


「手が触れていないからセーフよ」


モニターで観察していた私は思わず麗奈先輩に抗議したが、あえなく却下されてしまった。

うん…なんとなく分かってたけど


「あれぐらいなら良いかなー」


良くないだろ!陽咲先輩はどこまで経験してるんだよ

怖くて聞けないけど




「~~~~~っ」


どれくらい時間が経ったのだろう

小鳥遊は必死に歯を食いしばってまだ耐えている


「案外耐えますね。でもこれはどうですか?」


「~~~~~んぁっ!」


詩織さんは腰を浮かせたり降ろしたりして全身で小鳥遊に触れ始めた

胸を乗せるって建前なんてもうすっ飛んでいる。本気で墜とす気だ

てかこれって…


「セッ〇スじゃん!?」


「はしたない言葉を使わないで」


「いやいやいや!カーテンの向こうのはしたない行為を注意して下さいよ」


もう我慢出来ない!こんなの絶対におかしい

禁忌で裁けないなら私が止めてやる


「待って」


立ち上がった私の腕を陽咲先輩が掴む

切実な表情を私に向けてくる


「止めないで下さいよ。禁忌に当たるとしても私は止めます」


「小鳥遊さんは奈妓ちゃんの為に頑張っているんだよ。無駄にしちゃ駄目だよ」


「私の…為?」


小鳥遊は私の為に戦っている?

モニターに視線を戻す。画面には詩織さんとキスしそうになりながらも必死に耐える彼女の姿が写っている。

小鳥遊…私はバカだ。私がお前を信じなかったらいったい誰が信じるんだ




ピピピピピ!

永遠に感じる時を終え、ついにタイマーが鳴った

小鳥遊は耐えた。勝ったんだ


「小鳥遊っ!!」


急いでカーテンを開けて小鳥遊の元へ駆けつける

彼女はぐったりしてソファに仰向けに倒れていた。眼に光が無い


「ふぅ…正直、予想以上でした。でも次は墜としますよ」


着衣の乱れを直した詩織さんはまた私を一瞥してから去って行く

彼女の視線にゾっとしたが、今はそれどころじゃない小鳥遊だ。私は彼女の手をそっと握った。


「…ナギっち?」


「小鳥遊!無理して喋らなくていいよ。」


「私…キスしちゃったの?」


「ううん!小鳥遊は耐えたよ。勝ったんだよ!」


「そう…良かった…これ、で…守れ、た…」


虚ろだった小鳥遊の瞳が閉じ、握られていた手から力が抜ける


「小鳥遊?たかなぁしぃぃぃっ!!」


「え?死んだの?」


麗奈先輩のツッコミが聞こえてきたような気がしたけど、それは無視して私は絶叫した。

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