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「上等だァ!ソファに来いやッ!!」

天才占い師の麗奈先輩の占いは必ず当たる!

彼女が示唆した通り、詩織さんは再び部室を訪れてきた。


「はぁ!?アンタ眞帆先輩と付き合ってんじゃないの?」


「付き合っていませんけど…」


部室に入るなり、突っかかって行った小鳥遊を詩織さんは軽くいなす。

付き合ってない?あんなキスまでしたのに?


「貴女、何のつもり?」


「何のつもり?それは勿論…」


麗奈先輩の質問に詩織さんは両手で自分の頬を触りながら私を真っすぐに見つめて答える


「奈妓さんを鳥籠から解き放つ為です。」


「!!!!!」


か、身体が重い

これ、蛇に睨まれた蛙ってヤツ?

鳥籠から解き放つ…つまり詩織さんは…


「ウチの部を潰すつもりってことね。」


察した麗奈先輩が呟いた。そう、詩織さんはボランティア部の部員に禁忌を犯させて全員退部にするつもりなのだ。


「『潰す』とは人聞きが悪いですね。奈妓さんを『救う』のですよフフフ」


「貴女、中々ぶっ飛んでるわね」


「誉め言葉として受け取っておきます。さぁ今日は誰が相手してくれますか?部長さんが来ますか?この前の先輩よりは楽しませてくれますよね?」


「フッ…」


詩織さんの挑発を受け取った麗奈先輩は、ゆっくりと上着を脱ぎ、高らかに宣言した


「小鳥遊さんが相手するわ!」


「「ちょっと待てぇぇぇっいっ!!!」」


同時に叫んだ私と小鳥遊がヘボ部長を引っ張って奥に連れて行く


「今、完全にお前が行く場面だっただろ!?」

「なんで上着脱いだのカナ!?」


「う、うっさいわね!部長が退部になったら困るでしょ!」


「普段偉そうなこと言ってる癖に肝心な時は後輩に丸投げしちゃうんですねー」

「ほぇ~おねえちゃんかっこわるいよーざこなのー?」


壁際に追い詰められて妹ちゃんズに罵倒される麗奈先輩

彼女に助け舟を出したのは陽咲先輩だった


「私が行こうか?」


席に座ったまま軽く手を挙げている陽咲先輩に全員の視線が集まる

あれ?いつになく怖い顔してる。…そうだ彼女は居場所であるボランティア部を誰よりも大切に想っている人だったな。


「陽咲先輩!行っちゃって下さいよ!」


陽咲先輩なら詩織さんの妙薬にも打ち勝てる

少し不謹慎だけど、過去にトラウマがあって人を好きになることを止めた彼女がこの場で一番適任だ


「…陽咲じゃなくて、ここはやはり小鳥遊さんの方が良いと思うわ」


「なんでだよ!もうこの際に言うけど麗奈先輩と陽咲先輩って付き合ってませんか!?」


「え?付き合ってないよ?」


「……………」


陽咲先輩が膠も無く否定するから麗奈先輩黙っちゃったじゃん

可哀想…私のせいだけど


「作戦会議は終わりましたか?」


詩織さんの低い声が場の空気を切り裂く

そうだった。今は麗奈先輩と陽咲先輩が付き合ってるかどうかなんて気にしている場合じゃなかった。

部活が潰れるか否かの瀬戸際だ


「小鳥遊さんがお相手するわ」


「なんで小鳥遊になるんですか!?陽咲先輩が嫌なら自分で行って下さいよ」

「そうだそうだー」


「へぇ…今日は奈妓さんに群がる虫が相手ですか」


詩織さんの一言に私と一緒に麗奈先輩に詰め寄っていた小鳥遊が動きを止めた


「あ?虫って私のことカナ?」


「鏡見たことないんですか?頭に触覚生えてますよね。」


「…上等だよ。ソファに来いや」


挑発に激高した小鳥遊は大股でソファの部屋に消えていった

喧嘩で表出ろじゃなくてソファに来いってセリフ初めて聞いたよ

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