表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/119

小鳥遊落ちる!

時久との問題が解決した翌日、私は部員の皆にその旨を報告した。


「我らの助言が効いたようだな」


「えっへん!」


「いやいや、小鳥遊と眞帆先輩のアドバイスは全然参考になってないから…」


何故か誇らしげにしている小鳥遊と眞帆先輩、この二人の言う通りにしてたら大変な目に遭ってただろう


「本当に良かった…私、奈妓ちゃんの身に何かないか心配で…」


「そ、そんな大袈裟な」


陽咲先輩はこちらに笑顔を見せてくれたが、未だに自分の身体を抑えている

別れ話にどれ程のトラウマがあるんだよ…


「とにかく、今後こういうことは控えるように」


「はい…」


麗奈先輩に至ってはアドバイスすらなかったのだが…

って、さり気に陽咲先輩の肩を後ろから触ってんじゃん。やっぱ付き合ってんの?

皆さーん!部長が『禁忌』犯していますよー!




問題を一つ解決したことで、私の気持ちはかなり軽くなっていた。

久々にまったりした時間を部員と過ごす。


「強調構文と形式主語の見分け方はね…」


「…なるほど」


『お嬢様』が来ないので、部員はそれぞれ思い思いにしている。(ボランティア部の活動は?)

麗奈先輩と陽咲先輩は英語の教科書を開いて勉強中。陽咲先輩が麗奈先輩に教えているみたい

え?逆じゃね?


「麗奈先輩って英語苦手なんですか?」


「…私は理数系なのよ」


「帰国子女なのに英語苦手なんですか?」


「帰国子女なんていつ言った!?国外旅行もないわよ」


「髪巻いてるハーフなのに帰国子女じゃないんですか!?」


「その巻き髪に対する偏見を改めなさい!私は財閥令嬢でも帰国子女でもないの!あとハーフでもない!!」


えー!がっかりなんだけど…

巻き髪キャラって財閥令嬢で帰国子女なんじゃないの


「麗奈先輩って学年一位取ってそうな見た目してるのにねー」


小鳥遊が加勢に入った。だよね、皆そう思うよね


「学年一位は奈妓さんのお姉さんでしょ」


「ちなみに麗奈先輩は何位なんですか?」


「…私は大器晩成なのよ」


「さっき理数系って言ってませんでした?」


「うっさいわね。貴女たちも勉強なさい、受験まであっという間なんだから」


その台詞は私達より三年生の眞帆先輩に言って欲しい。ずっと魔女ストしてますよ

渋々教科書を開いた私と小鳥遊だったが麗奈先輩談義はまだ続く


「でもさー麗奈先輩って学年二位でいっつも一位の主人公にキィーってなってるタイプにも見えないカナー?」


「それもわかる。で、対抗心燃やしていた主人公にいつしか恋に落ちる!」


「ありそうありそう!」


ふと目の前が暗くなった。どうしたのかと背後を見ると目の前に麗奈先輩が立っていた

あ、めっちゃ怒ってる


「私ね…体育だけは得意なのよ」


「そ、それは保健体育じゃなくて?」


その軽口が引き金になった。麗奈先輩は私と小鳥遊の首を両脇に抱えて締め上げる


「「ぐぇっ!」」


「謝ったら許してあげる」


いや、この状況で喋れないから!

助けて天使!陽咲先輩!!


「ぐぇっ?」


霞む視界で陽咲先輩を見るが、彼女は何事もないようにして教科書を覗いていた

天使?もしかして麗奈先輩とマジで付き合ってるの?


ガチャ


「奈妓さん!?大丈夫ですか!?」


キラキラしている川を渡りきる寸前に引き戻された

助けてくれたのは陽咲先輩ではない、『藤詩織(フジシオリ)』…私がまだ解決していない問題の一端だ


※小鳥遊は落とされました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ