☆仲が良いと怒られる部活
月曜日、小鳥遊の顔を見ると、再び自責の念に駆られたが、彼女はいつも通りに接してくれた。
放課後、二人で部室に行く。
「ねぇナギっち」
「ん?」
「下着返してよ」
「ブー!」
席に着くなり言い放った小鳥遊の言葉に麗奈先輩が紅茶を噴き出す。久しぶりだ
「し、下着って?」
自分の顔にかかった紅茶を拭きながら陽咲先輩が訪ねた
ちょっとは怒った方が良いと思う…
「ナギっちに下着貸したんです」
あれってくれたもんじゃないの!?洗ったとしても返すの嫌なんだけど…
てかその言い方は語弊がある
「た、小鳥遊の家に急遽泊まることになって、それで新品の下着を貰ったんです」
慌てて訂正する。先輩達三人の視線が痛い
「ふむ…お主ら『禁忌』を犯していないだろうな?」
眞帆先輩の指摘にたじろぐ、なんでこういう時は鋭いんだよ
マタタビあげるから寝てて下さいよ。
「も、もちろん!な?小鳥遊」
小鳥遊に同意を求める
一線を越えようと思ったのは私だけの秘密だ
「ナギっちと寝ました」
「ブー!」
麗奈先輩が再び噴き出した。まだ口の中に残ってたのかよ
お前、今日「ブー!」しか言ってないぞ
「寝たっていうのは一緒のベットで寝たって意味です!」
誤解を解きながら小鳥遊を軽く睨む
彼女は悪戯っぽそうに笑っている。からかうのも限度がありますからね!
「仲が良いのは結構だけど、度が過ぎないようになさい」
麗奈先輩に怒られる。自分はさっきまで紅茶で虹作ってたくせに…
仲が良いと怒られる部活ってここくらいだろうな
ガラッ
部室の扉が開いて時久が入ってきた。
「げげげ」
「『げ』を増やすな!」
時久はつっこみながらも前回の二の轍を踏まないようすぐに缶の中にお金を入れ、名簿に記入する。
それを見届けた私は席を立ってソファーに座る。時久がカーテンを開いて中に入ってくる時、背後に詩織さんの姿が見えた。
時久の後は詩織さんの相手か…
小鳥遊との問題はとりあえず蹴りが付いたけど、この二人との問題は抱えたままだ




