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おっぱい揉み星人襲来

「ごちそうさまでした」


お弁当を食べ終わり、手を合わせて姉に感謝する

今度は私が姉に作ってあげないと、なぜかウチの家族って私が料理しようとすると止めに入るんだよね。遠慮しなくて良いのに…


ガラッ


そんなことを考えていると部室に『お嬢様』が入ってきた。見知った顔だ


「げげっ!」


「昨日より『げ』が一つ多いぞ」


『お客さん』の正体は時久だった

「また来る」とは言ってたけど、『また』って最低でも一週間後を指すもんじゃないの?翌日に来るなよ


麗奈先輩に視線で促されて渋々ソファーに向かう。途中で小鳥遊をチラッと見ると動画を見ながら豊胸ダンスをしていた。前にテレビで見たジャングル奥地で原住民が死者を呼び出す儀式に似てる。部室で交霊術をしないで欲しい




「…なんで来ない?」


すぐに時久もカーテンを開けてこっちにやってくると思っていたが、奴は中々来ない

私は虚しく一人で紅茶を飲んだ。金がないのか?ラケットでも質に入れて来いよ。時久の使用済みでも100円くらいにはなるだろ


「後から来たのに先にしろというのは道理に合わない!」


「先にお金を入れたのは私です!」


突然カーテン越しから怒声が聞こえてきた

な、なんか揉めてる?

恐る恐るカーテンを少し開いて様子を探る


「え!?」


視界に時久と詩織さんが言い争う様子が写った

し、詩織さん!?キミの『また』も早すぎるよ!数時間後に来るなよ!!


「私はこの後に部活が控えているんだ!」


「部活の後に来れば良いじゃないですか」


「部活の後は汗をかいている///」


どうやら彼女達は私が相手する順番を巡って争っているようだ

先に入ったのは時久だけど、詩織さんの方が缶にお金を入れるのが速かったみたい

この場合どちらが先になるんだろう?


「一緒になさい」


なんだってぇっーーー!

衝撃の発言を受けて私はソファーにのけ反る

麗奈部長のジャッジは二人同時に私が相手をするというクソ判定だった

テニスの試合なら暴動が起きるレベルだぞ!


「ちょ、ちょっと待っ…」


巻き髪クソ審判に抗議しようとするが、先に二人が入ってきて両隣に座ってしまった

せ、狭い…密着し過ぎ…


「奈妓さん…さっきの続きして良いですよ…」


右隣の詩織さんが胸を差し出してくる

二の腕がすっぽりと隠れてしまうサイズ…えっちだ…

止まっていた鼻血が再び出そうになるが、気合で押し返す。

しっかりしろ私!隣に時久が居るんだぞ!!


「な、なにするつもりだ?さっきの続きとは?」


時久が赤面しながら詩織さんに問う

お前の胸も私の腕に当たってるんですけどね…


「フフッ…お昼休みに揉まれたんですよ」


「ほ、本当か!?」


「いやいやいや!アクシデントだから!」


必死になって否定するが、詩織さんは「照れちゃって可愛い」とでも言いたげな表情で微笑む


「アクシデントだと言っているぞ!勘違いだからそんないかがわしい真似をするな!」


時久は私の否定を信じてくれたらしい

素直なのと何事も全力なのがお前の良いところだ

あれ?私ってコイツのこと結構買ってるのか?


「いかがわしい?貴女も奈妓さんとえっちなことしたいから来てるんですよね?」


「違う!私は…ルール上仕方なく抱いただけだ」


詩織さんは大きく目を見開いて驚く


「仕方なく抱いているだけ?ではなぜ来ているんですか?」


「テニス部に入ってもらいたいから説得しに来ている」


「テニス部ってあれですよね。新歓コンパと称してお酒飲ませて乱交するいかがわしい部活ですよね?」


詩織さん!?大分知識が偏ってますよ!私も一応元テニス部だからね!


「ふざけるなッ!」


勿論、詩織さんの発言は時久の逆鱗に触れた

さっきとは違う意味で赤面している


「テニスを侮辱するのは許さんぞ!女相手に欲情している君にいかがわしいと言われる筋合いはないッ!」


()()()()?」


あっ…

『女相手』は詩織さんにとって地雷だ

彼女の相手をする過程で、過去のトラウマを聞いている

詩織さんは中学の時、親友に恋をしていた。想いが募り、告白をしたのだが「女が女相手に恋をするのはおかしい」と拒絶されてしまった。

それ以降、彼女は学校で孤立した。卒業後、逃げるように遠いこの学校に進学してきた。

入学以来、女に抱かれまくって頭が百合色にバグってしまっていて忘れがちだが、本来、女同士という関係は女子高でもマイノリティだ。私だってクラスメイトと話を合わせる為に男性アイドルの番組を観たりしている。


「フッーーーー」


地雷を踏みぬかれた詩織さんは息を吐きながら右腕を振りかぶる

え?殴るの?

時久はどう出るかと視線を移すと、彼女もまた腕を振りかぶっていた。テニスでいうフォアの構えだ

これって真ん中にいる私が二人に殴られないか?

顔が潰れたアンパンみたいになっちまう!


「くッ!」


身の危険を感じた私は最終手段に出た

両手を広げて彼女達の胸を触る

今度は不可抗力じゃない、ワザとだ


「「あっ」」


二人の甘い声が漏れる

なおも私は揉む、揉む、揉みしだく!

怒りが収まるまで私は揉むのを止めないッ!!


「「あんっ!」」


両者の腕が下がる

やった!つぶれたアンパンを回避できたぞ


「ぐぇっ!」


ほっと安堵したのも束の間、二人が左右から私を思いっきり抱きしめてきた

息が荒い…まずい、興奮させちゃったんだ

両耳から彼女達のテンポが速い息遣いが聴こえてくる


ピチャ


「!!!!!」


突然息遣いの音色が変化した。右耳から湿った感触が!

な、な、な、舐められている!?

右隣に居る詩織さんが私の耳を舐めている


ピチャ


「っーーーーー」


左の時久も詩織さんが舐めているのが見えたのか、負けじと私の耳を舐めてきた

そんな所まで負けず嫌いを発揮しなくて良いんだよ!


「はぁはぁはぁっ」


こ、これは堪らない!脳が、脳が蕩けてしまいそうだ

おかしく…なっちゃう…

両耳生ASMRを喰らった私は全身の力が抜ける

抵抗しなくちゃいけないのに力が入らない…このままだと…


「そこまで、イエロカードよ」


間一髪、堕ちる前に麗奈先輩によって助けられた

イエローカード?出禁にして欲しい…


「す、すまない…我を見失ってしまった」


「私も…やり過ぎちゃいました」


二人に謝罪される

まぁ私が胸を揉んだのが発端だったわけで、責任が1%くらいあるのは認める。今回だけは許してやるか




息を整えた後、カーテンを開いていつもの自分の席に戻る


「両手に華、いや、両手にメロンだったカナー?」


席に着くなり小鳥遊が煽ってきた

彼女の視線は私ではなくスマホに写る豊胸ブラの広告だ

それポチんの?高くない?


「仕方なかったんだって」


「なワケねーだろおっぱい揉み星人が」


コイツ…昼の件から完全に拗ねてやがる

いつもなら真っ先に助けに来てくれるハズなのに来なかったのはそういうことか…


時久、詩織さん、小鳥遊、姉、そして「お姉さま」と、おっぱい揉み星人の問題は山積みだ

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