ラッキースケベ(シリアス)
「ただいまー」
帰宅して玄関から声をかける。
リビングのお母さんから返事はあったが、姉からの返事はない
居たら真っ先に出迎えてくれるから、まだ学校か帰宅途中なんだろう
生徒会長様は忙しいでござんすね
「あれ?もうない」
お風呂場で髪を洗おうとするが、シャンプーがでない
我が家の女は全員シャンプーに拘りがあってそれぞれ違う物を使っている
「もしや…」
お父さんが私のシャンプーを使った!?
いつも青いヤツ(セールで180円)を使ってって言ってるのに!
私のシャンプーは水色だから間違えやすいのだ
「あのヤロー!」
後でお父さんを怒っておくとしてまずは目先の問題をどうするかだ
…仕方ない『水遁の術』を使うか
私はシャンプーの蓋を外して水を入れてから降った
今日はこれで耐えよう
「はっ!」
そこまでして姉が自分のシャンプーと一緒に私のシャンプーを買ってきてくれていたのを思い出した
流石我が姉!
嬉々としてお風呂場から出る。確か洗面所の下の棚に入れてある筈だ
ガチャ
「あ」
洗面所に入ってきた制服姿の姉と目が合う
彼女はすぐに顔を背けて出ていった。
詰め替えたシャンプーで髪を洗った私は湯船に浸かる
さっきの姉の姿を思い出す。まるで見てはいけないものを見てしまったかのような反応だった。
他の姉妹のことは良く知らないけど、妹の裸を見てあんな反応をする姉ってやっぱりおかしいと思う
翌日、玄関にまた詫びベルマークが置いてあった。
だからおかしいって…どこの世界に妹の裸を見て謝る姉が居るんだよ
『お姉さま』探しもそうだけど姉との関係もいつか決着を付けないといけない
そう決意しながら玄関の扉を開けた。今日は雨、もう梅雨の季節だ




