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【結衣・奈癒エピローグ①】おっぱいサブスクは認めません

ボランティア部で和やかな()ひと時を過ごした後、家に帰って来た

すぐにカノジョになった奈癒()が迎えてくれる


「奈妓、おかえり」


「ただいま奈癒」


名前呼びはまだちょっと照れ臭いので、自分の頬が赤くなるのを感じる


「ご飯まだちょっとかかるから先にお風呂入ってね」


「うん」


さわっ


二階の自分の部屋で着替えてから下に降りる。途中で奈癒とすれ違った


もみっ


お風呂を楽しんだあと、家族で食卓を囲む

この頃は、私達姉妹が明るいので本当に団欒が賑やかだ


「たまには私がお皿洗うって」


「そ、そう?」


「割ったりしないから大丈夫だって」


奈癒を押しのけて、キッチンに立つ

これぐらいは不詳の妹でもやらなくっちゃ


さわっ


「………奈癒」


「どうしたの?」


「話があるからあとで私の部屋来て」


奈癒は頬っぺたを抑えながら頷いた




数分後、皿を洗い合えた私は自分の部屋に入る

そこには奈癒が既にいた。彼女は私の顔を見るとパっと明るい顔になり、両手を広げて近づいてきたが、床を指差して座らせる。誘った時からなんか勘違いしてるみたいだけど、今から説教タイムだからね




「なんでいちいち触ってくんだよ!!!」


「?」


キョトンとしてらっしゃるーーー!

この人、自分の罪分かってないよ!恋人エアプ過ぎるでしょ

時系列追って説明しないといけないの?めんどくさ


「私が帰って来て、二階に上がろうとした時、お尻触ったよね?あれダメだから」


「えっ!?」


「あと、下ですれ違った時に結構がっつりおっぱい揉んできたよね?あれもダメ」


「えええっ!?」


「極め付きにはキッチンで()触ってきたよね!?ビクってなったわ!ビクッってそういう意味じゃないぞ!驚いてビクッってなったんだからね!前二つは100歩譲って許せても()は執行猶予付かないから!!即日死刑だから」


「ダメなの?」


「大ダメです!」


思えば今日に限ってのことじゃない、奈癒は付き合ってからことあるごとに私の身体を揉みしだいてきた

最初はなんかの間違いかと思ったが、流石に今回は無視できない、逮捕だ


「恋人だからって揉み放題じゃないからね!おっぱいサブスクは認めません!」


「そんな!?奈妓のおっばいが定額制じゃなかったなんて…」


しゅんとして項垂れてしまった奈癒

その姿を見ると、なんだかこちらが悪いことをしてしまった気になってくる

…本当に奈癒のことが好きになったんだなぁ


「べつに…触っちゃダメとは言ってないから。いきなりじゃなくて事前に言ってくれれば良いから…恋人だし」


「…奈妓」


「私も触るからね」


「…うん」


お互いに手を伸ばす

触れる直前に気付く


これ止まる?

触り合ってたら最後までいっちゃわない?

越えてしまうのは構わないけど、『あの日』みたいにまた私が暴走したりしない?もうあんなのは嫌だ


「「……………」」


奈癒の手もいつの間にか止まっていた

私の懸念を感じ取ったのかな?


「あっ」


「どうしたの?」


「折角だから、奈妓に着てもらいたい服があるの」


「どういうこと?」


奈癒は質問に答えず、小走りで私の部屋から出て行って、小袋を抱えて戻って来た

本当にどういうこと?


「これ、来て欲しいな」


袋を受け取ると、奈癒はまた自分の部屋に戻って行った

奈癒も着替えてくるってこと?コスプレして触り合うってこと?性癖晒すの早すぎない?


ガサッ


開けてみると確かに服が入っていた

露出が激しいえっちな水着とかじゃない、普通の服だ

ただ、これならえっちな水着の方が良かったかもしれない




「子供服じゃねーか???」




昔好きだった魔法少女がプリントしてあるワンピースを叩きつける

これ、新品とかじゃなくて昔私が着てたやつじゃん。いつパクったんだよ


私が暴走するかもしれないって危惧してた時、奈癒は「奈妓と女児服プレイしてぇ~」って考えてたの!?全然エモくないからね!

記憶が戻らないように変態のフリしてたって思ってたけど、やっぱりこの人変態だよ!変態と付き合っちゃってるよ!助けて!


「……くそぉぉッ!」


盛大につっこんだものの、奈癒が出て行く時の期待に満ちた顔を思い出すと、あの笑顔を曇らせたくないと思ってしまう

ヘンタイ!シスコン!ロリコン!でも、でも好きだぁぁぁ


「うぉぉぉぉ!」


最終話で地球に迫る隕石を押し返そうとする主人公みたいな勢いで女児服を着る

く、首、、、苦し、死ぬ。窒息死しゅる

胸、ぱつんぱつん、これが…巨乳の気持ち?


「はよ…来い」


激痛に耐えながら奈癒を待つ

遅くない?死んだ?私よりちょっと胸あるからそれが仇となったの?


「な、奈妓」


「だ、大丈夫?」


「ええ、、、も、問題ないッわ…」


助けに行こうかどうか考えていたら奈癒が戻って来た

予想通りパツパツの女児服を着ている。キツ過ぎて上手く歩けないようで壊れかけのロボットみたいな動きになっている。ファミレスの配膳ロボの方がまだ動けそう


「さ、触るわね」


「う、、うん」


奈癒が歯を食いしばって腕を伸ばす

なんかこの動き、歌舞伎で見た時ある


「クッ」


敵のモンスターに攻撃を受けたワケじゃない

私も触ろうと腕を伸ばしたらこういう声が出た

なんとか前に伸ばしたが、腕を横に曲げるのは無理だ。仕方なく腰を曲げてなんとか奈癒に触れる


「「……………」」




「思ってたのと…違…うぅ」


「そりゃ、、そうでしょ…」


お互いの身体を預けながら姉妹は力尽きる

大声を出したいけど、喉が圧迫されててそれが出来ない

出来たとしても、親にこんなとこ見られたら鉄格子が付いてる施設に姉妹揃って入れられそう


「…なにしてんの?」


万事休すかと思いきや、救世主が現れた

結衣が冷めた眼でこちらを見下ろしている

最悪な状況を見られてしまったが、背に腹は代えられない


「そういう趣味があったの?」


「それは姉の方で…す」


溜息を付きながらも結衣は服を脱がそうとしてくれる

ありがたいけど、救助には順序がある


「わ、私より、、奈癒を先に助けてあげ…て」


「え、嫌なんだけど」


結衣が明らかに嫌そうな顔で白目を剥いている奈癒を見る

気持ちは分かるけど意識ない方から助けてあげて


「ちょ、ピチピチ過ぎて無理!関節外していい?」


「ダメだよ」


「じゅあ服切るしかないって、ハサミどこ?」


「そこの机の、、二番目の引き出し」


「なんで私がこんな目に…ってブラつけてねーじゃん!?マジで嫌なんだけど!!」


「ピ、チピチだから外したのか…な?電気、、、消す?」


「ムーディーになるのも嫌ぁ!」




悪戦苦闘しながらも結衣はなんとか姉妹を救出してくれたが、その表情は未だにブチギレモードだ

Tシャツに着替えた私達は散乱した女児服だったモノの前で座らされた


「まったく…奈妓の顔が見たくなって来ただけなのになんでこんな目に遭わなくちゃいけないワケ?…で?なんでこんな変態プレイしたの?」


「小鳥遊結衣には関係ないわ。お互いに干渉しないと話し合ったハズだけど?」


「大いに関係あります!お姉さんと一緒に居る間に奈妓が変態になったら困ります。カノジョとして見過ごせません!!」


睨み合うカノジョ達。本格的な修羅場になる前に私はおそるおそる口を挟んだ


「な、奈癒…結衣は命の恩人なんだからここは穏便に…」


「奈妓も悪いからね!どうせ断れずにまた流されたんでしょ?どうしても断れないなら私に連絡して!」


「…結衣」


「あ゛ん゛!?」


「もしかして結衣も仲間に入りたかったの?」


「はぁぁぁぁぁ゛!?なんでそうなるんだよ!」


「フッ、貴女なら昔の服を着てもキツくないでしょうね」


「ふざけんな!変態姉妹!!」


ブチギレのブチギレ状態の結衣が牛のように突っ込んでくる

得意技の頭突きか!?




ちゅ




「え?なんで?」


キスされた意図を問おうと結衣の顔を見る

顔が赤いのは怒ってるのか照れとるのかどちらか判断つかない


「どーだ、お姉さんの目の前でキスしてやったぞ」


「なぁぁぁッ!?奈妓のく・ち・び・るがぁぁぁッ!!」


イマイチ意味が分からなかったが奈癒には大ダメージだったようだ

てか唇の言い方キモっ


「奈妓ッ!」


「え?あっ、、」


ちゅ~~


結衣の感触がまだ残ってる唇に今度は奈癒からキスを受ける

久しぶりのキスなのにこんなんでいいの?


「あ゛あ゛あ゛!また流されちゃってるぅぅ!断れなかったら連絡してって言ったばっかだよね??」


「い、いや、今のはそんな暇ないじゃん。そもそも結衣が先に…」


「言い訳すんなし!私の前で他の女とキスしたの二回目だぞ」


「詩織さんとのことは忘れてって!」


「詩織さん…?藤詩織?…奈妓、、、藤詩織とキスしたの?」


「昔のことだからァ!」


「その言い方だと詩織さんが元カノみたいになっちゃうよ…」


結衣の指摘で奈癒から誤解を受けてると気づいたが、訂正する間もなく狭いベッドに押し倒された


「…奈妓が過去にどんな女と付き合っていようが全部受け入れるわ。だから私の気持ちも受け入れて」


「い、いや違うんだって!詩織さんとはなんもないんだって!どっちかと言うと結衣の方がぁ!?」


言い終わらない内に結衣も私に覆いかぶさって来た

参戦すんの!?奈癒を止めろよ!


「…そっちがその気ならこっちも負けないから」


「結衣さん?奈癒さん?」


視界いっぱいに二人のカノジョの火照った顔が映る

これやばくない?高一でこんな経験する人っているの?

二人と付き合うって決めた時、色々覚悟したけどこの展開は予想してなかった


詩織さんの時みたいに邪魔が入る確率は限りなく低い

私は観念して眼を閉じた

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