表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
110/119

【遠山奈癒視点】生徒会長が恋人いない歴=年齢でなにか問題が?

早朝、生徒会室に向かう

目的は生徒会諜報機関から昨日の妹に関する報告を受ける為だ

初日、毒虫が奈妓ちゃんの首を汚らわしい唇で刺したと聞いた時ははらわたが煮えくり返りそうになったが、今日はそんな報告を聞くことはないだろう。

二日間のデートプランは完璧だった。もう完全に妹は私のモノになっている。




「昼休みにAVみたいなドチャクソえっちなペロチューしてました。諜報部からの報告は以上です。」


「はぁ!?」


諜報機関の部員から全く予想外の報告を聞いた私は生徒会長の椅子から身を乗り出して叫んだ


「そ、そんなハズはないわ!昨日、奈妓ちゃんの首をチェックしたけどなにも痕なんか付いてなかったわよ!誰かと見間違えたんじゃないの?この無能!!!」


「あーそれはですねー会長の妹さんが主導権握ってキスしてたんで妹さんには痕残ってないんですよ。小鳥遊結衣の首見ました?」


「見るワケないじゃない!妹以外は全部泥人形と変わらないわ!!」


「ブラウスの襟立てて頑張って隠してましたけど、真っ赤に染まってましたよ。いやーそれにしても凄かったなーお昼休み全部使って廊下でキスしてんですもん。こっちまで興奮してきましたよ」


パチン


私の合図で『タイ古式マッサージ部』を呼び出し、諜報部員を拘束させた


「な!?わ、私はただありのままを…痛てぇぇぇぇぇッ!!!」


足裏を揉みしだかれて悶絶している諜報部員から視線を副会長に移して問う


「副会長…倉園麗奈の件はどうなっている?」


「手筈通り小鳥遊結衣と光宗陽咲のデートの様子を写真に収めて倉園麗奈の机の中に入れています」


「フフッ…そっちは問題ないようね」


「いえ、問題大アリですけど」


「なんでよ!?」


「…はっきり言って逆効果だと思うんですよね。倉園麗奈の嫉妬心を煽ってるだけです」


「っ!」


副会長がわざとらしく掛けている眼鏡を上にずらした

その動作クソむかつくわね…


「大体、会長は妹さんの件も全部裏目に出てますよ」


「そんなことはない!私のプランは完璧だ!!」


「そのプランが問題なんですよ…」


なにを言っているんだ

昨日も奈妓ちゃんは「楽しかった」と言ってくれた

デートプランが間違っていることなどないハズだ


「会長って何で恋愛を学びました?」


「雑誌とか恋愛漫画よ…」


少し恥ずかしくなってトーンダウンする

くそっ、なんでコイツにこんな辱めを…


「それって男女間の恋愛の話を参考にしてません?正直、姉が急に『オラオラ系男子』になられても妹は惚れないと思うんですけど…」


「うっ!?」


「その点、小鳥遊結衣は上手かったですね。一日目は積極的にアプローチしておきながら、二日目は打って変って冷たくしたことで妹さんの気持ちを手繰り寄せてました。」


「ぐっ!?」


「会長が小鳥遊結衣と光宗陽咲のデートを妹さんにわざと見せたことも小鳥遊結衣にアシストする結果になってますね。倉園麗奈と同じように妹さんの嫉妬心を煽ってしまってます」


「わ、私がやってきたことは全部間違っていた?」


「ええ、てゆうかワザとやってるのかと思ってましたよ」


「ワザとする訳ないじゃない!」


「本当は会長と倉園麗奈が付き合ってるって噂ありますけど…」


「ふ、ふざけんな!!なんで私があんな奴と」


「か、勘違いしないでよね///私はあんな奴好きじゃないんだから///ばかばかばか」


「変換すんな!」


堪忍袋の緒が切れた私はパチンと指を鳴らして諜報部員の時と同じように『拷問係』の部員を呼び出した。拘束された副会長はこれから起こることを察して喚きだす


「ご、ご慈悲を!ちょっとした戯れじゃないですか!!そ、そうだ!私が会長に恋愛の何たるかをレクチャーしますよ。私こう見えても彼女持ちですからね。恋人いない歴=年齢の会長に的確なアドバイスしますよ!!」


「…やれ」


命令を受けた『拷問係』が処刑を実行する



五年ニ組 副会 長子


しょうらいのゆめ


-私は大きくなったらお花屋さんになりたいです

あっ、お鼻じゃなくて、お花だよ。お鼻屋さんも面白そうだけどね。うふふふ---



「や、やめてぇぇぇッ!イタぁぁぁッ!黒歴史がぁぁぁッ」


「も、もうやめてぇぇぇッ!痛たぁぁぁッ!そっちに足曲がらないーーー」




『人の昔の作文を勝手に読む部』の朗読によって副会長は悲鳴を挙げ、そこに先程から拷問を受けている諜報部員の絶叫が合わさる。


「絶対に奈妓ちゃんを諦めない…まだ手はある……」


私は絶望のコーラスを聴きながら起死回生の一手を編んだ。

副会長の恋人は65話

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ