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【遠山奈妓視点】私ってもしかして主人公じゃないのでは?

朝一、登校するなり結衣と姉に生徒会室に連れ込まれた

どうやら昨日、二人は私のことで話し合ったらしい

結衣に「用事があるから先に帰ってて」って言われてバカ正直に帰った私のバカ!


「え、もう一回言って?」


「だーかーらぁー」


不機嫌な結衣から説明をもう一度受ける


・今日から三日間、結衣と姉が私の彼女になる

・結衣は学校に居る間、彼女になる

・姉は放課後から家に帰るまで彼女になる

・放課後、結衣と陽咲先輩は彼女になる

・三日目にどちらかを選ぶ


いやいやいや、こんなん一発で理解出来ないでしょ

てか、なんでこんなことになってんの!?陽咲先輩もいつの間にか絡んできてんじゃん!?な、なんか毎回私が居ない時に話が進んでない?完全に物語の主人公になれないタイプ!!


「分かった?そういうわけだから三日間ヨロシク」


「フッ、最後の三日をせいぜい楽しんでおくことね」


「あ゛ん゛?」


「あ、あの…」


「あ゛ん゛?」


「現状維持でなんとかならないでしょうか?」


「あ゛ん゛?」


かなり都合が良いことを言っているのは自分でも分かってる

でも私は結衣のことが好きだし、姉のことも大事にしたいと思っている。欲を言えば二人も仲良くして欲しい


「それは無理だから、私が居ない間に二人が抱き合ってるなんて耐えられない」


「うっ」


やっぱりバレてた

この状況で100円貰っているという言い訳は通用しないだろう


「奈妓ちゃん、辛いと思うけど本当の気持ちを教えて欲しいの」


「…お姉ちゃん」


本当の気持ちか、あの真っ黒な私のように二人とも付き合いたいという邪な気持ちはない

アイツは私なんかじゃない

けれどもこうなった責任は私にある。ここで決めないといけない

もういい加減に中途半端になあなあで済ませるのは卒業しないとダメなんだ


「分かったよ」


戦いの火蓋は切って落とされた

これは結衣と姉だけの戦いじゃない、私の戦いでもあるんだ

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