好みも姿も人それぞれ
女子って、ファッションとか美容の話になるとかなり煩くなるよね。
男性もファッションに拘る人は少なくはないけど、女子ってファッションに拘っている人が多いイメージがある。
高いブランドばかりを着る人や逆に安価な服ばかりを選ぶ人、自分のセンスのままにコーデを決める人にマネキンの服をそのまま買う人…色々いると思う。
私の両親はどちらも服にはかなりこだわりがある人だったなぁ。
ショッピングモールで服を買いに行くと、平気で半日丸々服選びに歩く事が多かった。
私はどちらかというと服や化粧には興味はない方で、親に半強制的にショッピングモールに連れて行かれた際についでに気になった服を購入するぐらいだった。
お金があるなら気になる新作のゲームや本に使いたいのだ。
そんなこだわりの差から、家族とショッピングモールに行くと私は良く待ちぼうけを食らうことが多かった。
なんで服や化粧にそこまで時間とお金を掛けるのかと本当に疑問で仕方ない。
何故今、そんな話をしたのか?
『これなんか良いんじゃないかい?』
『はわわぁ、可愛いですぅ。』
『アイネス様でしたら、此方も良いかと。』
『こんなのも良いと思う!』
ただいま絶賛、女子魔物達にマネキン状態にされているからだ。
女子魔物達がワイワイと服を選んでいるのを見て、私は沈黙する。
ダンジョンの営業時間後にアラクネ三姉妹とマリアにウィッチーズと女コボルト達の服を新しくしたいから服を出せるだけ出して欲しいと言われて連行され、<ネットショッピング>で服を大量に注文したは良いものの、何故か私まで服選びをすることになった。
服選びを初めて一時間、そろそろ疲れてきた。
ゴブ郎がいないのに言葉が分からない状態で美女達に囲まれるのは私のメンタルが潰れてしまうので、<オペレーター>による通訳で皆の言葉を分かるようにしてもらったけれど、全く何を言っているのか理解できない。
ウィッチーズ達の方を見ると、彼女達はまだ服選びをしている。
早く決めてくれ…。決めてくれないとマネキン状態から逃げられない。
『にしても、アイネス様の故郷は凄いねぇ。服の種類は勿論だけど、生地も色々あるんだから。』
「この世界は違うんですか?」
『わたくし共の知っている服の生地というと、魔物の皮をなめした物や『スリーピングシープ』っていう家畜用の動物の毛で編まれた物…、あとはわたくし達アラクネの糸で編まれた物が全てですね。』
動物の革とウール、あとは此方独自の天然素材みたいな感じだろうか?
綿や絹は此方では流通していないらしい。
化学繊維なんてものはこの世界にはないだろうし、本当に限られた種類しかないようだ。
『それらもぉ、アイネス様のスキルで出した服ほど触り心地は良いとは言えないですねぇ。』
「そこは多分、技術の差でしょうね。私のいた場所も昔は服の生地の種類はこれほどなかったそうですし。製法さえ分かればきっと再現出来るんじゃないでしょうか?」
『そこに至るまでが難しいんだろうけどね~。アイネスちゃんは生地の精製方法とか分からない?』
「ネットと本で探せば製法ぐらいなら多分見つかるでしょうけど、外に広める気はないですね。此方とあっちじゃあそもそもの素材が違うでしょうし、私みたいな元々来るはずのない人が何もかもやってしまったら此方の人の為になりませんよ。」
『んー、それもそっか。アイネスちゃんをよく知ってるあたし達は普通に受け入れてるけど、外でもその技術が認められるかも分からないしね。』
「ただまあ、アーシラ姐さん達が生地を此方の世界の素材や製法のみで作ってダンジョンアイテムとして広める分には良いと思いますけどね。」
『アタシはそういうのは興味ないねぇ。』
『わたしもお裁縫は好きですがぁ、生地作りはあんまり~。』
『わたくしも…。恐らくそういった事はスケルトン達やマサムネさんの領分でしょうね。』
「そうですか…。後で技術班に聞いてみようかな。」
技術班は凝り性が多いから、服の生地作りも多分快く受けてくれるだろう。
一から生地を作る訳だから時間はかなり掛かるだろうけれど、
「一応、使えそうな素材は置いてありますしね。」
『あー、そういえばアイネスちゃんってなんか色々溜め込んでるよね。スライムの過剰分泌分の粘液とか、イグニさんの古い鱗とか、フォレスさんの出した鱗粉とか。』
「ファンタジーRPGゲームだとそういうのって武器や服の材料になったりするんでつい集めちゃうんですよね。嫌なら止めますけど。」
RPGゲームだとスライムの粘液が売店で売れたり、ドラゴンの鱗が武器の材料になったりというのがあった。
今は使えなくてもいつか役に立つかもしれないと思った私は、さり気なく彼らの古い鱗や粘液などを集めて貯めているのだ。
それが魔物たちの中で何を思ったのか、ウルフ達やフォレスも私に自分たちの古い牙や過剰分泌した鱗粉などを持ってきてくるようになった。
一度ベリアルが自分の角を折って渡してきた事があったのだけど、あの立派な山羊の角をベリアルから笑顔で手渡された時は声を失った。
一日経ったら元に戻っていたけど、もう二度とあのような事がない事を祈る。
『嫌って訳じゃないさ。ただすごい変わっているなとは思うけどね。アタシ達からみたらただのゴミにしか見えないもんだからね。』
『そうですねぇ~。みーんな、なんであんなゴミを貯めてるんだろうな~ってぇ言ってましたぁ。』
『てっきりわたくし共は、アイネス様がコレクションにしているのかと思っておりました。』
「えっ、なにそれ恥ずかしい」
まさか魔物達の中でそんな事を思われていたとは思わなかった。
まあよく考えてみればそうだよね。
彼らにとって古い鱗とか粘液は垢みたいなものだからね。
ゴミも同然だよね。
恥ずかしい。これは物凄く恥ずかしい。
私が無愛想で良かった。これで普通だったら顔が真っ赤になって悶えていた所だ。
『にしても、あれらが武器や服の材料にか~。考えた事もなかったかも。』
『あれが本当に役に立つってなったら面白そうですねぇ~。』
『ちょっと真剣にスケルトン達に頼んでみるかい?魔物から取れた物で服の生地作り。』
『実際に作れるようになったらわたくし達も使ってみたいですね。』
「あーー、レイラさん達!皆さん気に入った服はありますか?」
キャッキャッと笑いながら私の集めていた魔物の廃棄物で生地作りについて話すマリア達の光景に恥ずかしさが耐えきれなくなった私は話題を逸らすために新入り女子魔物達に声を掛けた。
それに反応したのは、大人の女コボルトのゾーイだった。
因みに犬種はボルゾイだ。
『えっと、アイネス様はなんて…』
『気に入った服はあるか、って言っているよ。』
『そ、そうですか…。それが、どれもとても良い服で迷ってしまっていて…。すみません、手間取ってしまって…。』
「ああいえ、お気になさらずに。」
『気にしないで、だってさ!そんなに決まらないなら、あたし達が選んであげようか?』
『そ、そんな!マリア様達のお手を煩わせる訳にはいきません!』
『もー、マリア様、じゃなくてマリアで良いって言ってるでしょ?ダンジョンも今は閉まってるし、気軽に呼んで!』
『いえ、そういう訳には行きません!なにせ、わたくしどもはただのコボルトですから…。』
このダンジョンにやって来た女性のコボルトはトリーを含めて5人。
その中の3人はタケル青年の女幹部達からサンドバッグにされていた大人のコボルト達だった。
彼女達は長い期間虐待されていたことにより、自己肯定力がかなり低い。
それに、私やイグニ達最強魔物達にかなり恐怖心を抱いているようだ。
特にリリィと同じ種族のマリアにはまた同じような事をされるか不安なようで、かなり怯えている。
出来ればマリアと離れて過ごした方が良いのかもしれないのだけど、それにマリアが待ったを掛けたのだ。
このままマリアを避けて生活したとしても、いつまで経ってもリリスへの恐怖心は無くならないだろうから自分に任せて欲しい、と。
『んー、じゃあ暫くは様呼びで良いわ!三人共、服が決まらないならあたしに選ばせなさい!三人共そこそこ美人なのにそんなボロ服じゃあもったいないわ!』
『び、美人!?』
『そんな…マリア様程では…』
『それに、私なんか、生まれつき毛が殆ど無くてずっと病気の子だ、醜いコボルトだと…』
美人と言われたにも関わらず、ネガティブな発言をするのは女コボルトのチーリンさん。
チーリンさんは生まれつき他のコボルト達と違って毛が殆どないことから、散々女幹部達に馬鹿にされていたらしい。
そんなチーリンに、マリアはきっぱりと言う。
『何を言ってるの!それがとっても個性的で良いんじゃない!それにアイネスちゃん曰く、それはチーリンちゃんの特徴だって言ってたでしょ!なんだっけ…、『けあれす・ろっく』?』
「ヘアレス・ドッグですよ。元々殆ど毛がない犬種をそう言うんです。正確に言うと、チーリンさんはチャイニーズ・クレステッド・ドッグという犬に似た種類のコボルトかと。私も実物を見るのは初めてですけど、決して病気などではありませんのでご安心を。」
『そうそう、『へあれす・どっぐ』!』
『流石アイネス様、詳しいですぅ~。』
そう、チーリンさんの犬種はチャイニーズ・クレステッド・ドッグ。
所謂、ヘアレスドッグという奴だ。
部分的に毛があるから知識がない人にはハゲだと勘違いする人もいるだろうが、至って普通の、なんの病気もないコボルトさんだ。
私はネットでチラッと見た程度でしかなかったけれど、エキゾチック美人で素敵だと思う。
『それに、このあたしが美人って言ってるんだから他の人がどう言おうが気にすることはないわ。なにせあたしは、夜の女帝と言われるリリスなんだから!』
『女の魅力対決ではネアに負けてましたけどね。』
『そ、それは言わないの!良いから三人共、大人しくあたしにコーデされなさい!』
『『『は、はい!』』』
『トリーも可愛くなりたーい!』
『お、じゃあトリーはアタシ達が服を選んでやろうかね。』
『わーい!』
そうしてマリアはゾーイ達女コボルト達を、アラクネ三姉妹はトリーの服選びを始める。
うん、些か強引な感じがするけれど、自己肯定力が底辺にまで落ちてしまっている彼女達にはマリアのように強い自信を持って褒めてくれる人がケアする方が良いのかもしれない。
それにマリアは魔物の中でも美しい容姿を持つリリス。彼女ほど容姿に関する発言で力を持つ魔物はいない。
暫くゾーイ達は、マリアに任せてみよう。
ゾーイ達がマリア達を引き受けてくれたお陰で、ようやくマネキン状態から解放された。
ありがとう、ゾーイ達。
そういえば、この後はベリアルとイグニに体力づくりを手伝ってもらう事になっているんだった。
運動をするなら、スポーツウェアを用意する必要がある。
確か大量注文の際に一緒に出したはずだから、それから選ぼう。
私がスポーツウェアを探し、気になった物に手を伸ばそうとすると、誰かの手が触れる。
思わず誰かの手の出された方向を見てみると、そこにいたのは宝塚系ウィッチこと、ライアンだった。
ライアンは私に気が付いて、目を丸くしている。
『あ、アイネスちゃんか。キミも服選びをしているのかい?』
「ええ、ライアンさんもまだ気に入った服が決まらない感じですか?」
『ボクはまだ服選びをしているのか、と聞いているのかな?実はそうなんだ。キミの用意してくれた服はどれも初めて見る物が多くてね。ついつい迷ってしまうんだ。』
「ああ、たまにありますよね。」
ライアンはすでに何着か気になった服を見つけたようで、シックで大人っぽいドレスや寒色系のロングスカートなど、何着かキープの服を持っていた。
ライアンならズボンなども似合いそうだけど、人の好みなのでそこは口にしないでおこう。
ライアンの隣でスポーツウェアを選んでいると、ライアンに不意に話しかけられた。
『そういえばキミに聞きたい事があったんだけど、良いかな?』
「聞きたいこと?」
『面接の時にアイネスちゃんがボク達に見せてくれた、あの本についてなんだけど。』
「ぶふっ」
私はその言葉を聞いて思わず吹き出した。
まさかここでその話をされるとは思わなかった。
私は周囲を見回し、誰も此方に注意を向けていない事を確認すると、ライアンに向き直る。
「えっと…本って言うと、あの薄い本ですかね?」
『あれはアイネスちゃんの生まれ故郷のものらしいけど、ああいうのは普通なのかい?』
「ああいうのって、どういう…?」
『あの本の内容のように、男の子が女の子の格好をしたり、同じ性別の人が恋人のように振る舞っていたりというのはあるのかな?』
「言い切っちゃったよこの人。」
どうやらライアンは、あの本の内容は元の世界で日常的に有り得る事なのか聞きたいようだ。
これは、答えて大丈夫なのだろうか?
ちょっと私が答えても良いのか心配になる。
しかし、ライアンの様子から見るに、冗談半分で聞いているような感じではない。
正直に答えてあげたほうが良いだろう。
「いるにはいるそうですけど、あまり多くはないかと。大体数十人に一人とかネットではありますね。それを応援する方は多いですけど。」
『あまり多くはない…か。やっぱりキミのいた場所でもそんな感じなのか。ありがとう、教えてくれて。』
「キミのいた場所でも…って、もしかしてライアンさん…。」
『もしかして、ボクもそういう類のなのか?って聞きたいのかな?どちらかと言えば、その通りかな。』
「マジですか」
『ボクは召喚された当初から心が男性寄りみたいでね。どっちかというと女の子の方が好きなんだ。』
クスクスと笑うライアンに、私は驚きを隠せない。
心が男…という事はトランスジェンダー?
トランスジェンダーだという事よりも、私にそれを明かされた事の衝撃が凄い。
『可笑しいだろう?ウィッチ…魔女と呼ばれる魔物が心は男だなんて。』
「いや、そこは別に驚きはないんです。元々何処か男性っぽいなぁって思ってましたし。」
『あれ、そこに驚きはしてないんだ。てっきり引かれてしまったのかと思ったよ。』
「元の世界では男より男らしい女の子も女より女子力高い男の子もいますからね。レイラさん達は知ってるんですか?」
『レイラ達かい?レイラ達はこの事を知っているよ。知っている上で一緒にいてくれている。良い子達だよね。』
なるほど、ウィッチーズの中ではこの事は把握しているようだ。
トランスジェンダーは人から差別や偏見を受けやすいと聞くから少し心配だったけれど、少し安心した。
『でも、前のダンジョンマスター達はそうとは限らないだろう?コボルト達への酷い扱いや、マサムネへの差別を見ているとどうしても明かす気になれなくてさ。』
「それは正解だったと思います…。」
タケル青年ならそれを知ったら絶対失礼な言葉を言っていたと思う。
女幹部達もあの性格の悪さだし、教えないで正解だっただろう。
しかし、タケル青年達には言わず、私には明かしてくれた理由は一体何なのだろうか?
『なんでキミにこの事を話したのか、って考えているのかな?』
「まあ、そうですね。まだ貴方の信頼を取れたとは思っていませんし。」
私が頷けば、ライアンは服に目を向けながら私に言った。
『キミがあの本を見せてくれた、というのも理由の一つだけど、大きな理由は、キミがズボンを履いていたっていう事なんだ。』
「ズボン?」
『知っていると思うけど、此方の世界では女性はスカートやドレスが基本で、ズボンは男性しか着ないんだよ。』
「あ。」
『最初は、性別を差別しないとアピールするために着ているのかと思ったけど、今日になってもキミはズボンを履いて中性的な服装をしている。それにキミが用意してくれた服には、女性が履くためのズボンも混ざっていた。これは、キミのいた場所では女性もズボンを履く事があるっていう事だろう?だから、キミなら話しても大丈夫だろうって思ったんだ。』
そういえば、パーティーへ着ていく衣装を選ぶ時に私がズボンを選ぼうとしたらアラクネ三姉妹が驚いていたな。
あれってそういう事だったのか。
ライアンは私に向かって言う。
『あのダンジョンにいる間、ボクはずっと自分の秘密を隠さなければ行けなかった。心は男だけど、女性らしく振る舞わなければ行けなかった。服も、言動もね。そうしている内に、自分というのが分からなくなってしまった。自分が本当は男性なのか、女性なのか。そもそもボクって、一体何なんだろうってね。』
「隠しすぎて、自分が分からなくなる、ですか…。」
『けれどアイネスちゃんはこのダンジョンの中でも自分の好きな服を着て、言葉が分からなくても自由に過ごしている。それがボクはとてもうらやましい。最初から、キミの元に来られれば良かったんだけどね。』
「ライアンさん…。」
『ちょっと暗い話を聞かせてしまったね。ごめん、忘れて欲しい。』
苦笑を浮かべて話を終わらせようとするライアン。
その姿が、寂しげに見えてしまったのは気の所為じゃないだろう。
私は一つため息をついて、予め持ってきていたタブレットで動画サイトを開き、ある動画を探す。
目的の動画を見つけると、私はライアンの肩を叩いた。
「ライアンさん。」
『ん?どうしたんだい、アイネスちゃん。』
「私には貴方の気持ちはわかりませんが、今まで大変お悩みになった事は分かりました。」
『?』
「だからこそ言いますけど、そうまでして自分を隠す必要はないと思うんですよ。」
『ごめん、何を言っているのかさっぱりで…。』
「まあ、ひとまずこれをご覧ください。」
そうして私は、ライアンにタブレットを渡して、ある動画を再生させる。
その動画に写っているのは、前の世界に存在する女性だけの歌劇団のサンプルムービー。
男の格好をして演技をする男役の役者に、ライアンは目を丸くする。
『これは、女性が、男装をしているのかい?それを、沢山の人が見ている。一人や二人じゃない、大勢の人が…。』
「このダンジョンには、他に個性的な方も多いですからね。この動画みたいに男装したって良いんじゃないですか?」
『すごい…。こういう人間がいるのか…。』
タブレットに流れる動画をマジマジと見て、感動を見せるライアン。
別に、今からありのままになれって言うつもりはないけど、別の世界にはこういう人たちもいるんだって分かればそれでいい。
そこからどう進化するかは、ライアン次第なんだから。
『アイネスちゃん、何をしているのー?』
『あれあれぇ、何を見ているんですかぁ?』
『これ、歌…?この薄い板から聞こえる…。』
『え、なにこれなにこれ!人が板の中にいる!』
動画を再生した事で他の女性魔物達も此方に気づいたようで、全員がライアンのタブレットを覗き込む。
……動画を流した私が言うのもなんなんだけど、君たち服選びは良いのかな?
『これ、全員女性なの!?』
『すごーい、かっこいー!』
『こんな方達がアイネス様の故郷にはいるんですね…。』
男装をした女性の劇団の演劇に、私の言葉が分かるマリア達も分からない新入り達も大興奮だ。
これは多分、この後女性歌劇団の劇のDVDを購入して女子全員で見ることになりそうだ。
ライアンの方を見てみれば、ライアンはもう暗い表情は浮かべていない。
これを切っ掛けに、今後どう生活していくか決めていって欲しい。
誰だって、自分らしく生きれた方が楽しいだろうからね。
「皆が不満なく過ごせるんだったらそれで良いかな。」




