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見た目と性格=中身だと誰が決めた?

  遡ること前日。

  私は問題のダンジョンマスターのところへ向かう前にフォレスとイグニ、それにサユリさんと会話をしていた。


「では、私と一緒に変装して問題のダンジョンマスターのダンジョンに向かうのはアルファさんとバイフーさん、それにトン吉さん、ライアンさん、それにアマービレさんの5人で。フォレスさん達はダンジョンで待機しててください」

『はい、分かりました』

『護衛などは付けなくて良いのか?』

「サユリさんがいつでも縁を辿って私の所に来れるように携帯を持って行くつもりです。サユリさんに最初からついていってもらうのでも良かったんですけど、流石に強い魔物が何人もいると相手側に違和感を持たれそうなので」

『まぁ、サユリは見た目が恐ろしいからな! 講義の場にいたらそのダンジョンマスターが警戒をする可能性が……、ってサユリ、俺様の髪を引っ張るな!』


 イグニの「見た目が恐ろしい」発言が気に食わなかったのか、サユリさんはイグニの髪を引っ張ったのが見えた。

 サユリさん、意外と手が出るの早いなぁ。

 そんな事を思っていると、フォレスが少し不思議そうな表情で尋ねてきた。


『それにしても、一つお聞きしても宜しいですか?』

「はい、なんでしょうか?」

『相手のダンジョンマスターと同系列の種族であるトン吉さんと、薬草などの知識に長けたライアンさんを同行させるのは分かります。ですが、アマービレさんを同行させる理由が少しわからないのですが……』

『言われてみればそうだな。奴は確かに演技が上手い方ではあるが、ケット・アドマー達程でもなかろう。何故敢えてアマービレを同行させる事にしたのだ?』


 フォレスの疑問に続くように、イグニも同じ質問をしてきた。

 確かに、ただ演技力を求めるならば人並み以上には演技が上手いものの、粗のあるアマービレよりも成り済ましのプロともいえるケット・アドマー達に任せた方が合理的だろう。

 ケット・アドマー達はレジェンドウルブスと大体種族のランクが変わらない。

 ただ相手を欺くだけならアマービレじゃなくてケット・アドマー達の誰かに頼む方が良いだろう。

 だけど、そうしなかったのには理由があった。


「明日、私はバイフーさん達と一緒に問題のダンジョンに向かって、確実な証拠を掴みに行くことになっているでしょう?」

『そうなっているな』

「彼らの契約が明らかに詐欺であると証明するには契約書の矛盾を見抜いて、それを相手側に問いただす必要があるでしょう?」

『そうですね』

『それはアイネスが最も得意とする分野だろう。何が問題なのだ?』

「分かりませんか?」


 首を傾げて頭の上に疑問符を浮かべていそうなフォレスとイグニの姿に、彼らが如何に私を過大評価しているのかが分かった。

 私は淡々と事実を強調しながら、彼らに言った。


「私が、初対面相手にゴブ郎抜きで、自分から矛盾点を突きつけられると思いますか? 怒りに身を任せている状態でもなく、相手のダンジョンにお邪魔しているという緊張感がMAXの状況下で。ケネーシア王国での私のコミュ障っぷりはイグニさんも見ていたでしょう?」

『あー……』

「仮にどうにか喋れたとしても、<オペレーター>さんによる通訳は一方通行でしか使えません。何人ものダンジョンマスターを騙した方ですし、私が矛盾を突きつけた所で反論してくるでしょうから、それに応じるだけの言語力がないと難しいです。そう考えると、私に舌戦は難しいです」

『うぅむ……言われてみれば、難しいな……』

『アイネスさんはまだ此方の言葉に慣れている訳ではありませんからね』


 イグニ達は忘れてるかもしれないけれど、私は基本、初対面相手にはコミュ障MAX状態なのだ。

 自分から会話をすることも出来ず、相手も私のコミュ障っぷりに声を掛けられず、ただただ気まずい空間が生む。

 タケル青年の時とデーヴェ大臣達の時は怒りに任せていたから、オロフソン公爵家ではそもそも相手自体が見えなかったから大丈夫だったのだ。

 いくらその相手がオークといえど、初対面相手に冷静な状態で真正面から矛盾を突きつけて追い詰めていくスタンスを保つなんて高等テクニックを私は持っていない。

 言語の壁的に言っても、私だけでは相手を追い詰める事が出来ないだろう。


「だから矛盾を突きつける役割は、アマービレさんに頼んでしまおうと思っているんですよ。アマービレさんは私や子供コボルトくん達と一緒にタンザさんの授業に毎回参加してるので此方の世界の文字の読み書きは出来ますし、性格柄怖気づくっていうのもないですからね。ケット・アドマーの皆さんも可能でしょうけど、気分屋なので……」

『なるほど。そういう事なら確かにアマービレさんが適任でしょう』

『ケット・アドマー達はその場の気分で面倒臭がったりいつの間にかいなくなったりするからな……』


 サバトラを筆頭としたケット・アドマーの皆は知性が高いし演技力もあるけれど、同時にかなりのマイペース兼気分屋なのだ。

 一応私が頼めばやってはくれるだろうけど、契約書の矛盾を探して突きつけるなんて面倒な仕事をやり切ってくれるかというと微妙な所だった。

 

 そこで今度は、サユリさんが質問してきた。

 サユリさんは手に持っていたメモ帳を使い何かを書くと、そのまま私の前に見せてきた。


「**(矛盾) ****(見つける) ****(どうする)?」

「えーっと……、アマービレさんが矛盾をどう見つけるのかって聞いている感じですか?」

「**(はい) 。アイネス ***(教える)?」

「いえ、私は別に教えたりとか何かするわけじゃないですよ。私が伝えなくても、アマービレさんなら自分で出来るでしょうし」

「?」


 サユリさんのメモ帳にクエッションマークが書かれた。

 どうやら、どういう意味かと尋ねているようだ。

 私はサユリさんがいるであろう上方に目を向けて、彼女に教えてあげた。


「見た目と性格は、何も中身と全てイコールではないってことですよ」




***** *****

 

『え、これおかしくない?』


 アマービレがそう呟けば、談話室が一気に静まり返る。

 先程まで良いカモが罠に掛かりそうだと嗤っていた女性魔物達は嗤うのを止めて無表情でアマービレを見ている。

 きっと、信じられないって気持ちでいっぱいなんだろう

 見た目こそキッチリしているけど、アマービレの種族はグレーターワーウルフ。

 タンザやベリアルの聞く限り、賢いとか知性が高いなんてイメージはあまりないと聞いているから。

 しかも時々普段のチャラ狼っぷりが見え隠れしていたから、きっと「しっかりしているように見せてるようだけど所詮は頭の悪い種族だ」とか思っていたんだろう。

 そんな考え方が、自分たちが相手をしているカモのダンジョンマスター達と同じ思考だと気づかずに。


 オークジェネラル達の視線も気にせずに、アマービレはバイフーの持っている契約書を拝借し、何度も読み直している。

オークジェネラルは我に返ると、にっこりと作り笑いを浮かべてアマービレに話しかけた。


『……何が、おかしいのかな? 先程言った通りの内容の契約書のつもりなのだが』

『いや、だってこれ、おかしい所ばっかじゃないっ……ですか。これ、本当に大丈夫なんでしょうか?』


 オークジェネラルの問いかけにも怖気づくことなく、アマービレは答える。

 その顔には疑問で一杯です、と文字が書かれているように見える。

 堕天使の男はその反応を見て、アマービレが彼らの知るグレーターワーウルフと違うと悟ったんだろう。

 にこやかな作り笑顔を浮かべながら、アマービレから契約書を取り返そうとした。


『申し訳ありません。もしかすると此方で手違いがあったのやもしれません。すぐに新しい契約書に取り替えて………』

『まぁ待つがよい。アマービレよ、何がおかしいのか具体的に説明してみろ。我にも分かるように、事細かくな』

『な……っ!』

『此処で何の説明もなく交換させては、そちらのミスと断定しているようであろう。此奴の思い違いの可能性もなくはないのだから、どうおかしいと思ったのか話させて、そなた達が答えるのが良かろうよ。それとも何か? 詳しく説明されると何か困る事でもあるのか?』

『……いや、問題はないよ。何か質問があるなら、お好きにお聞きください』

 

 アマービレから契約書を回収しようとした堕天使の男を制止したのはバイフーだった。

 バイフーは少し意外そうにアマービレをチラ見していたけど、何かを察してくれたようで、オークジェネラル達が無理矢理にでも回収行動に出ないように逃げ道を塞いでくれた。

 そのおかげで、オークジェネラルは作り笑いを浮かべつつも渋々回収を止めてくれた。


 バイフーに説明を促されたアマービレは私の方をチラッと見た後、契約書をバイフーにも見えるように広げて見せた。


『まずここ。説明会に関する説明のところ。説明会で教える内容の詳細や何処で説明会やるかとかは書いてあるけど、どの日の何時にやるかとか書いてないでしょう?』

『ああ、その事ですか! 説明会の日時ですが、生憎説明会に参加する者や私の都合などが分からないので、契約書には明確に記してなかったんですよ。ダンジョンマスターをしていると、突然急用が出来るという時もありますからねぇ……』

『いや、それでも月に何回やるとかそういうのは書けるでしょ? 毎日が多忙って訳じゃない訳だし、こうして一昨日会う約束結んでも余裕で会う時間も作れる訳だし。説明会を開こう! って思った時に毎回急用が出来るなんて事普通有り得ないでしょ?』

『っ!!』

『それとこの安価で貴重なアイテムを渡すってやつ。なんか小さく文字が書かれてない? えっと……「アイテムや商品の返品、返金は一切執り行ってない」? 返品なんて事あったりするわけ?』

『あ、ああ、残念ながら、アイテムの譲渡は転移魔法陣を使ったものですからねぇ。偶に衝撃で傷が付いてしまったりすることもあるんですよ。それに、此方で製作している美容品などは日によって品質にムラがあることが……』

『え、ちゃんと他に渡せられるぐらいの品質がない奴も渡される事があるってこと?』

『……』

『あ、あとこの定期的に支払う額って言うのも気になってて……』

 

 徐々に素が剥がれ落ちているアマービレだけど、オークジェネラル達は核心に迫った追求を迫られ、そんな事を気にすることは出来ないようだ。

 先程まで余裕の表情を浮かべていた堕天使の男性や女性魔物達が、今は冷や汗を垂らして信じられないって表情でアマービレをガン見している。

 オークジェネラルは表面的には先程と変わらぬ笑顔を保っているけれど、アマービレの質問に答えるまでの間の無言がどんどん長くなっている。

 2人の問答を眺めていると、横からトントンと肩を叩かれた。

 そちらに向いてみると、トン吉が恐る恐る尋ねてきた。


『アイさん、あれは……』


 トン吉は、それ以上言葉を続けなかった。

 だけど私はトン吉が何を尋ねたいのかが分かった。

『あれは、アイネスさんがこっそり矛盾点を教えてるんですか?』とでも聞きたいんだろう。

 前方を見てみれば、バイフーも私達の方に視線を向けている。

 そんな2人に対し、私はそっと首を横に振って答えてみせた。

 その答えを見たトン吉とバイフーは驚いた様子で私とアマービレを交互に顔を見合わせていた。

 その間も、アマービレはオークジェネラル達に矛盾点を突きつけている。

 まあ、2人が驚くのも無理はないかもしれない。

 私もこれが分かったのは、タンザとタクトから話を聞いてからだったし。


 ある日、タンザから相談された。

 内容は、アマービレとタンザが読んでいる小説の内容に関しての質問の多さについてだ。


『細かい内容まで目を向けているのは良いことだが、流石に全部の矛盾点の理由を把握出来ている訳じゃないから回答に困ってしまう。彼の質問に答える手伝いをしてほしい』


 と、言われたのだ。

 此処で質問攻めをしないように言ってくれと言わない当たり、別に悪い印象を持っている訳じゃないんだろう。

 それでレジェンドウルブスがスタジオで曲の練習をしている最中に尋ねて、アマービレに何が疑問に思っているのか聞いてみるとそれがまたすごかった。

 話の伏線と思われる文章や前の話の設定と食い違っている設定など、考察厨ぐらいしか気が付かなさそうな小説の細部の矛盾、食い違い、伏線についてをどんどん聞いてきたのだ。

 私も2人が読んでいた小説を読んだことがあるので答えられる事は答えたけど、私でも先が見えなくて答えられないような質問をアマービレはしてきた。

 そんな私達のやり取りを見ていたタクトが、笑いながらアマービレについて教えてくれた。


『ピンキーはマジで探究心つよつよっつぅか、気になる事があるとどうしても気になっちゃう系なんだよ。なんつぅか人の話の矛盾点とか食い違いとか、マジで見つけんのが兎に角はえぇ訳! だからピンキーに下手な嘘とかマジで通じねぇ感じ』

『ま、それでよく嘘ついた奴とかを質問攻めとかしちゃって、他の奴らにはあまり良い目で見られなかったわけなんだけど。俺らはアイぴっぴ達と違ってそんな頭が良い訳じゃねぇから、頭脳派のピンキーがいるのはマジ助かんだけどな』


 どうもアマービレは話の矛盾点をいち早く気が付いたり、それを解明したりする才能の持ち主らしい。

 例えるなら、某リバース裁判のトンガリ弁護士や「あれれ~?」が常套文句の子供探偵。

 人狼型嘘発見器だ。

 人狼なのに嘘を見抜く天才というのはある意味矛盾しているけれども。


 本当にそういった才能を持っているのか気になったので、試しに彼の携帯に簡単な謎解きアプリをインストールしてみた。

 問題の数は250問。問題文を見て矛盾していると思われる箇所をタップするという簡単な謎解きゲームだ。

 比較対象としてタクト達にも同じ謎解きゲームをインストールして、一緒に挑戦してもらうことにした。

 その結果、タクト達は全問解くのに早くて半日、遅くて3日だったのに対し、アマービレはなんとたったの一時間で全問解いてしまった。

 しかも全部ノーミス正解。ヒントも使わずにである。

 魔物達の世界には弁護士や探偵という仕事がないからあまり重要視されない才能だけど、私の世界ではかなり貴重な才能だ。


 法律とかを教え込めば十分弁護士として働く事も出来るかもしれないけれど、短期間でそこまで教え込むのは難しかった。こんな状況になるなんて思ってもみなかったし。

 それでも、この三日間で出来るだけ詐欺についてを教える事は出来た。

 嘘や矛盾点、詐欺を見抜く天才とも言えるアマービレは、悪質商法や詐欺を行うオークジェネラル達の最大の天敵とも言えるだろう。

 

 更に、彼らにとって天敵とも言える魔物を他にも同行させている。


『――――バイフー様、この瓶の中身が分かったよ』


 アマービレの質問攻めが続いている中、声を上げたのは美容品を片手に持ったライアンだった。

 ライアンの持っている美容品の蓋は、既に開封されている。

 全員の視線がアマービレに向いている隙に開封したんだろう。


『あ、ちょっと! それはダンジョンに戻ってから開けてって……!』

『開けてどうなるのかな? これ、ただのスライムの粘液だろう? 別に漏れても何の効果もないよね?』

『な……っ!!』

『試供品にはちゃんとした物を渡して信用させて、商売時に渡す物にはただのスライムの粘液を詰め込む。これって立派な偽装行為だろう? 嘘は駄目じゃないか』


 髪を翻し、ライアンがにっこりと笑みを浮かべれば、先程美容品を渡してきた女性魔物がギリィッと歯を食いしばるのが見えた。

 ポーションや錬金術に長けたウィッチにとって、薬品の材料を見抜くのは難しくない。

 今回の騒ぎを説明して同行者を決める際、ライアンが自らそう言ってくれたのだ。

 演技のために背中の見えるドレスを着てもらった為相手が警戒するんじゃ、と思ってたけど、どうやらライアンの演技は相当なものだったらしい。

 相手方は、ライアンが頭の軽いウィッチだと思い込んで問題の品を用意してくれた。

 オークの少女の反応を見てみると、その視線はライアンじゃなくてライアンに手渡しで美容品を渡した女性魔物の方へ向いていた。

 もしかするとライアンに渡す直前にすり替えたのかな?


『アルファちゃん、記録の方はちゃんと取れているかい?』

『是。転移後から現時点までの全ての音声、光景の記録に成功』


 ライアンがアルファに問いかければ、アルファはそれを肯定した。

 オートマトンであるアルファは、自分が見聞きした物を記録として残す事が出来る。

 物的証拠を残すのには最適な魔物だ。

 それに加えて私達全員、小型カメラとICレコーダーを隠し持っている。

 アルファの記録が真実だと証明するのには十分だろう。


 此処まで来ると、オークジェネラル達は自分たちがしてやられたことに気が付いたんだろう。

 堕天使の男性は悔しげな表情を浮かべ、女性魔物達は顔を青ざめたり怒りの表情を浮かべていたりと様々だ。

 そんな中、作り笑いも浮かべず真顔になったオークジェネラルは、バイフーに尋ねた。


『……これは、一体どういう事かね、バイフーくん?』

『何がだ?』

『まさか君達は、最初からこの契約を持ちかけられると知っていて、逆に自分達を欺き返す為に……』

『失礼なことを言う無礼なオークだ。これはあくまで対策。どうも最近、悪質な契約を申し込んだり何の効果もない物を売りつけて秘宝を盗んだりと悪さをする愚か者の集まりのダンジョンがあると聞いていてな。万が一の時の事を備えただけだ。まあ、偶然にもその万が一の時が今回起きてしまったということだ』

『ぐっ……!』


 バイフーがにやりと不敵に笑えば、オークジェネラルが初めて顔を歪めてみせた。

 それはまあ良いとして、最初から分かってましたって感じで余裕振った表情を浮かべているバイフーさんよ。

 別に今口に出すつもりはないけど、君、かなりギリギリまで騙されそうになっていたよね?

 内心、「あぶなかった」って思っているのが背中から見てとれるよ。

 

 バイフーはアマービレから契約書を取ると、ひらひらと契約書を動かしながらオークジェネラルに尋ねるように呟いた。


『さて、確かダンジョンマスターがこの契約書にサインをすれば、契約は成立するのだったか?』

『あれ、それサインしちゃう感じ?』

『まさか。我がこのような卑劣な物に署名するわけない。だが、一応の確認は取っといた方が良いだろう?』

『何だって?』

『あの、それはどういう――――』


 オークジェネラルが眉を顰めると同時に、オークの娘がバイフーの言葉の意味を尋ねようと小さく口を開いたのが見えた。

 バイフーは彼女が言い終わるよりも先に、私の前に黒い契約書を差し出した。

 契約書を差し出された私は小さくため息をつき、そっと差し出された契約書を受け取った

 バイフーは獣のような笑みを上品に浮かべ、私に尋ねてきた。


『さて、どうするのだ? アイネスよ』

『アイ……ネス……!?』


 全く、コミュ障に舌戦の参戦を求めるなんて、本当に困ったものだ。


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― 新着の感想 ―
[一言]  ばい(;´・ω・)o〇(あ、危ないところだった…!)  こんな感じでs(絞め)
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