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生まれる世界間違えてない?

読者の方から意見があったため、一部話の修正を行いました!

大幅にストーリーを修正したため混乱するかもしれませんが、もう一度159話から読み直してくれると有り難いです!


【159話以降のあらすじ】

毎日続くお泊り会にストレス溜め込むアイネスちゃん!

気分転換にタクトとフォレスと一緒にゲーセンに行ったようです。

って、フォレスさん?ちょっといきなり精霊隠ししようとするの止めてください?

そして罰週間が終わった日の翌日、ゴブ郎達が帰ってきたよ!

彼らが連れてきたのはナチュラルに品種改良済みの亜種ミノタウロス達!

これから、面接を行うようです

『ではまず、貴方方の得意な事を教えて下さい』


 ベリアルがミノタウロス二人に対して面接最初の質問を行う。

 ミノタウロス達はのほほんとした表情で答えた。


『得意な事だべかぁ。オイラたちは食べられる果物(くだもん)植物(そくぶつ)育てて生活してたけぇ、作物(さくもん)育てるのとか荷物運びとかなら全員出来るべ』

『大体どのくらいの重さの物を運べるのだ?』

『詳すくは分かんねえけんど、みんなジャイアントボアぐれぇなら多分余裕で運べるべさぁさぁ』

「あの、ジャイアントボアって大体どのくらいの重さで……?」

『アイネス殿に分かるように数字にするなら、およそ200キロぐらいだ』

「怪力も怪力じゃないですか」


 ミノタウロスとしての腕力が凄すぎる。

 6つに割れたバキバキの筋肉で分かっていたけど、やっぱりミノタウロスはパワー系か。

 男性も女性も、大型冷蔵庫2個分の重さを軽々と持てるって事じゃないか。

 土木作業の現場に行ったら喜ばれそうな魔物だ。

 このダンジョンってスピード系の魔物が多いけど、見た目から見てパワーがあるって分かるのがイグニとトン吉とマサムネぐらいだったから、力のある魔物が入ってくれるのは有り難い。

 私自身は人並み程度の腕力しかないから、ミノタウロス程でないにしても人並み以上の力があるのは普通に憧れる。


『アイネス様、私はサイクロプスなら余裕で持ち上げられますよ』

『我もシーサーペントなら5匹は片手で持てるぞ』

「優劣の付け方が微妙に分からない対抗止めてもらえませんか?」


 そんな事を考えてたらタンザとベリアルがなんかミノタウロス達に対抗してきた。

 一体何がしたいんだ、本当。


 対抗心を見せるベリアル達を前にしてもミノタウロス達は嫌な顔を見せない。

 本当に魔物らしからぬ、温厚な性格なんだ。

 ちょっと穏やか過ぎる気もしなくはないが、気性が荒すぎるよりかはいい。

 出来ればこのまま何事もなく<契約(コントラクト)>が結ばれて欲しい……


(と思うけど、多分そうならないんだろうなぁ~)


 推測だが、ミノタウロス達も何かしらキャラの濃い部分がある。

 魔物達って何かしら人間と違う考え方と常識を持ってるし、外の魔物とかって何かしらの問題を持っている可能性が高い。

 後に気が付くのでは対処が難しい。

 だから面接でそこら辺も分かっておかないといけない。

 しっかりと話を聞いて観察しておかないと。


『では次の質問です。ミノタウロスの中で、何か変わったスキルを持っている方はいますか?』

『変わったスキルつぅと、どんなのだべ?』

『戦闘には関係のない、日常的に絶対的に必要でもないスキルです。具体例を上げるのでしたら自分の分身を生み出す<分身>や見た物を全て記憶する<カメラアイ>などがそうですね』

『すったら、オラのスキルがそうだべさぁ』

『どういったスキルをお持ちで?』

『<育成(いぐせい)>ってスキルつって、果物(くだもん)植物(そくぶつ)の成長が早くなるスキルらしいんだべさぁ』

『こんこの育てて収穫したもんは他んミノタウロスが育てたもんよりうみゃがって良く言われるべよぉ。今回その果物(くだもん)を持っとって来たから是非食べてみるべ!』


 そういって男性ミノタウロスは腰に付けていた袋を取り、中からスーチを取り出し、私達に差し出してきた。

 私がベリアル達と顔を見合わせると、ベリアルが男性ミノタウロスからスーチを受け取り、何も言わずに風魔法を使ってそのスーチを4つに切り分けた。

 そして一人一つずつ分けてくれたので、私達は同時にそのスーチを食べてみる。

 女性ミノタウロスが育てたというスーチを口に含んだ瞬間、自然な甘みが一気に口の中に広がった。


「ケネーシア王国のパーティーで食べたスーチより断然甘さが違いますね」

『なるほど、確かにこれは美味だ』

「ぎゃう~!」

『このスキルは特に意識して使っているスキルではないのか?』

『すった難すいことは考えてねぇべなぁ。ただ、「美味しくなぁれ」「早く育てぇ」って毎日話す掛けてるだけだべさぁ』

(ほが)にも隣に住んどる家族の息子は大工が得意になるスキルを持っとるし、向けぇに住んでるおばちゃんは動物に懐かれるスキルを持ってるだべよ』

『完全に生産向けのスキルですね』

「このミノタウロス達だけ某牧場物語のキャラじゃないですか」

『あれば便利ではあるでしょうが、確かに「戦闘には関係のない、日常的に絶対的に必要でもないスキル」ですね』


 ミノタウロス二人が上げたスキルだけでも、完全に生産向けのスキルだ。

 某牧場物語ゲームに出てきそうなスキルである。

 ミノタウロス達、生きるべき世界を間違えたんじゃないだろうか?


『先程色々な植物や果物を育てていると話していましたが、狩りなどはしないのですか?』

『んだ。森の奥深くにいるもんって言うと殆どがオイラたちより強いし、食べてもあんま美味しくないべ』

『だから食べる肉も、稀に畑ん中に入ったはぐれのジャイアントボアぐらいだべさぁ。あとは精々、川で取れた魚ぐれぇだべな』

「あ、肉も食べるんですね」

『食事に関してミノタウロスの中で特に決まりや制限などはないのでしょうか?』

『すっだもんないべさぁ。肉も魚も果物(くだもん)も、収穫出来たら皆で分け合ってちゃんと食べる。これといって好き嫌いはしねぇべさ』

『オイラたちは生臭い肉や魚より果物(くだもん)や畑で取れた野菜の方が好きだけんどなぁ』


 一応牛の魔物だから草食なのかと思ったけど、どうやら普通に肉や魚も食べるらしい。

 野菜が嫌いで肉類を好むイグニとは反対に、ミノタウロスは肉類がそこまで好きじゃなくて野菜や果物が好きなんだろう。

 ベジタリアンとかでないなら料理班が気にする事がない。

 ただ一応、ミノタウロス達の好みをシシリー達にも伝えておこう。


『寝具や家具に関する希望を聞きたい所ですが、このダンジョンでの寝床と村での寝床では全く違うでしょうから、今夜実際に過ごしてもらってから希望を聞きます。人数分の部屋は用意していますので、問題はないかと』

「一応全てベッドですが、希望があれば布団……床に寝るタイプのベッドも用意出来ますよ」

『まぁ、本当に寝る所までちゃんと考えてくれてるんだべなぁ』

『ゴブすけが気にいるのも無理ねぇべさぁ』

「ぎゃう!」


 ミノタウロス達の言葉に近くに座っているゴブ郎が「そうでしょう?!」と言わんばかりに自慢げに胸を張った。

 そういえばミノタウロス達とゴブ郎がどうやって出会ったのかをまだ聞いてなかったな。

 ゴブ郎から話を聞く事は出来ないし、この機会に二人に聞いてみようかな


「ゴブ郎とミノタウロスの皆さんはどうやって知り合ったんですか?」

『アイネス様が、ゴブローさん……貴方方の言うゴブすけとどうやって知り合ったのかを聞きたいそうです』

『ゴブすけとは、オイラ達が村ん外まで散歩してた時に出会ったんだべさぁ』

『そん時からゴブすけはかなり変わってたべさぁ』

「変わっていた?」


 ベリアルを通してミノタウロスの二人に尋ねてみた所、気になる言葉が出てきた。

 私が思わず言葉を零すと、私の呟きが聞こえたのかミノタウロス達が此方に視線を向けた。

 ベリアルがミノタウロス達に話の続きを促すと、ミノタウロス達はそのまま話を続ける。


『オイラ達が初めてゴブすけに会った頃からゴブすけは一人でいたんだべさ』

『形の良い石を拾って遊んでたり、自分の身長近くにある植物に実ってる果物(くだもん)じゃなくてゴブすけの背よりも高ぇ木に実ってた木の実を食べてたり、オラ達の知ってるゴブディンとちょっと違ってたんだべさ』

『ゴブディンっていうとオラたちの姿を見たら慌てて逃げ出すもんだけど、ゴブすけはむしろ自分からオラたちに近づいて小石をくれたべ』

『確かに、それは変わってますね』

「え、そうなんですか? やんちゃな子供みたいだとしか思えないんですが……」

『ゴブリンという種族は魔物中では最弱と呼ばれる種族故に野生のゴブリンは群れで行動する。それに頭があまり良くないから、冒険者や他の魔物と会ったらその場から逃げ出すか、武器を持って強弱関係なしに襲いかかるのだ。他の種族の者を見て親交的な態度を見せるゴブリンは今まで聞いた事がない』

『まるで、危険というものを全く知らないで育った上位魔物のようですね』

「危険というものを全く知らない魔物、ですか」


 ベリアルが零した表現に、私は思わず納得してしまう。

 確かに、私とゴブ郎が初めて対面した時もゴブ郎は意識を失っている私の寝込みを襲わずに遠目から見ていただけだった。

 しかも私が焼き芋を分けたらあっさりちょっと存在していた警戒もなくなった。

 野生のゴブリンに会った事がないから普通のゴブリンがどんな反応をするかは分からないけれど、魔物達の目線だと確かにゴブ郎の行動は変わっているように見える。

 ミノタウロスの初代と同じ、性格亜種というものだろうか?

 それとは少し違っているようにも見えるけどなぁ……。


『住処も特に定まってなかったみてぇだから、ほんどは村に連れ帰ってやりたかったんけんど、それは止めといたんだべさ』

『何故村に連れて行かなかったんでしょうか?』

『ほら、オラ達ってゴブすけより身体がでけぇべさ? 誤って村のもんが踏んづけちまいそうだったもんでちょっと不安だったから止めたんだべさ』

「あぁ、3m超えの方とかいますものね……」

『それに当時は出産シーズン後で力加減の出来ねぇ子や気性の荒い子がいたんだべ。他の種族の匂いにすぐ気が立っちまうんだべさ』

『確かにそれなら、ゴブローさんを村にいれるのは少々危険でしょうね』

『んだからゴブすけとはずっと村ん外で会ってたんだけどなぁ、いつの間にか普段会う場所に来なくなっちまったから、また別の場所に移動したんだろうなぁって思ってたんだべ』


 いつからゴブ郎が一人でいるのかは分からないけれど、相当長い期間一人森の中を歩き回っていたんだろう。

 でなきゃ森の奥の秘境に存在するミノタウロスの村近くになんてやってくる事は出来ない。

 というか、その間に他の魔物に襲われる事とかなかったのだろうか?

 群れで生活するのが普通だったのに、そんなに長い間一人過ごしていて寂しくなかったのかな?

 そんな疑問が思い浮かんで思わずゴブ郎の方を見ると、ゴブ郎が私の視線に気が付いて首を傾げてきた。


「ぎゃう?」

「……いえ、なんでもないです。ベリアルさん、面接の方を続けてください」

『おや、いいのですか?』

「ゴブ郎は特に気にしていないようだし、私達が気にするような事ではないでしょう」


 過去、ゴブ郎はそんな生活をしていたかもしれないけど、それはもう過ぎ去った事だ。

 ゴブ郎に求められた訳でもないのに関係のない私やベリアル達が深く掘り下げる必要はないだろう。

 過去を掘り下げられる程、迷惑な事はないんだから。


 それより、ミノタウロス達の面接の方に集中しよう。

 そろそろ昼食の時間だし。

 もう一つ聞きたい事があったのだ。


「あとはこのままミノタウロスの皆さんと<契約(コントラクト)>を済ませるだけなんですけど、質問させてください」

『この後貴方方全員の<契約(コントラクト)>を行いますが、その前にアイネス様から質問があるようです』

『なんだべ?』

「ここに来る前にフクさん達からミノタウロスの皆さんが別のダンジョンマスターと領地関係の交渉があったと聞いてるんですが、その内容を聞いても良いですか?」


 別のダンジョンマスターと何かしらの交渉の最中に<契約(コントラクト)>を結ぶとなると、此方でその交渉の仲介をしなくてはいけない場合がある。

 念の為その内容を聞いた方が良いだろう。

 ベリアルが私の質問を訳してミノタウロスの二人に伝えると、彼らは「ああ、そのことだべか!」と言いながら袋から羊皮紙を取り出した。


『村を領地化する話す合いに関しての詳すい事はこの『けーやくしょ』って奴に乗ってるそうだべ。オイラ達は全員字が読めないから分かんねんだけんどなぁ』

『拝見させていただいても?』

『構わねぇべ構わねぇべ。元々此方のダンジョンに移るつもりだったから了承しようと思ってた話だかんなぁ』


 男のミノタウロスから羊皮紙の契約書を受け取り、ベリアルとタンザがその契約書の内容を見る。

 すると、二人の顔がみるみる難しい表情へと変わっていく。

 最終的にはほぼ呆れた様子でため息をついた。


「何が書かれていたんですか?」

『恐らく、これはアイネス様も直接拝見なさった方が分かるかと』

『<鑑定>を使えば内容も読めるはずであろう? それですぐに分かるはずだ』

「えぇ、その反応を見る限り明らかに良い内容は書かれてないようですけれど……」


 私は嫌な予感を抱きながらも、タンザの言う通りに<鑑定>を使用して内容を閲覧する。

 鑑定結果を読み進めていく内に、私の気分はだだ下がりになっていく。

 そして最後には私もベリアル達と同じような表情で顔を俯け、大きくため息をついて、言った。


「本当に詐欺のカモにされてるじゃないですか……」

『しかも、思いっきり分かりやすく騙されてますね』

『温厚で聞き分けの良い性格の持ち主だとは知っていたが、此処までだったとはな……』

『え、なんだべ?』

『オラたち、なんぞしたべ?』

「してたっていうか、現在進行形でされているっていうか……」


 前の世界では普通の女子高生をしていた私でも分かってしまうぐらいブラックな契約内容だった。

 一見すると綺麗でミノタウロス達にも利益がありそうな難しい言葉を並べているけれど、要約するとそこに書かれているのは「領地に住んでいるお前らは俺の所有物になったも同然! 男は全員肉体労働者の奴隷! 毎月此方の指定した量の作物と肉を献上しろ! 村の女達も全部俺に献上しろ! 代わりにゴミを与えてやるからさ(笑)」というものだった。

 文字が読めないミノタウロス達にこんな契約書を渡す時点で明らかに確信犯だ。

 最初に思ってた通り、本当に詐欺みたいな事に遭っているとは……。


 私はベリアル達の方を向いて指示を出す。


「これからミノタウロスさん達と<契約(コントラクト)>を結びます。研修の担当はいつもどおりイグニさんに。タンザさんは日本語を教えてあげてください」

『うむ、承知した』

「ベリアルさん」

『はい。詐欺の危険性に関するレクチャーの準備を行います』

「お願いしますね」

『『??』』

「ぎゃう~?」


 何の関係もない魔物が被害者なら「縁がなかったようで……」で終わらせるけど、その被害者がゴブ郎の知人であるミノタウロス達だったら話は変わる。

 こんな卑怯な契約を結ばせるダンジョンマスターに身柄を預からせてはいけない。

 此処で<契約(コントラクト)>を結んで保護した方がミノタウロス達の為になる。

 この<契約(コントラクト)>が終わったら、ディオーソスさん達に相談しよう。


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[良い点]  特に読みにくいとも感じず改稿に疑問でしたが、前書きの案内通りに読み直してみたらすっきりしたように感じました。  お疲れさまですありがとうございます。
[良い点] 読者の意見を採用し、話の流れを再構築する 手間かかるのに実行されるのは本当に頭が下がります [気になる点] 話の流れを変えたのであれば、この話の冒頭にでも、あらすじを書いておくと、読者も…
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