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本当にそれで良いのか?!それで良いのか!?

「マジで死ぬかと思いました……」


 アンデッドの群れとワンコパスから逃亡することが出来た私はアンデッドのいない客室へと逃げ込んで服をドレスから運動着へと着替えていた。

 このまま動きにくいドレスのままで屋敷内を歩き回るよりも、特訓用の運動着で動いた方が万が一の時に走りやすい。

 ネックレスとヴェールはそのまま付けておく。

 作成者があのベリアルとフォレスなのだから、もしかすると何かしら非常時の為の魔法とか付与されているかもしれないし。


「電話とメール、その他通信手段は動かず……ですか。ホラーものの定番中の定番ですね」


 スマホを操作しながらイグニ達との連絡を試みたが、全て失敗に終わった。

マイホームに逃げ込んで、<お出かけ>で王宮に転移するという、ホラー脱出ゲームでは裏技すぎる裏技も考えたが、それも駄目だった。

 どうやら転移や空間系のスキルを阻害する電波が出ているのか、マイホームへの扉を出すことが出来なかった。

 ズルは駄目、とでも言っているようだ。


 ただ、<アイテムボックス>と<ネットショッピング>は普通に使えたのでそれで食べ物と水、それと武器になりそうな物を手に入れた。

 ワンコパス相手には逃げ一択しかないだろうけれど、アンデッド相手だったら某消臭スプレーと清めの塩でどうにかなるはずだ……多分。

 あ、でも私のダンジョンのアンデッド達って普通に塩の入った食事も食べてたし、消臭スプレーも普通に使ってた気がする。

 特にルートンは某消臭スプレー愛用していたなぁ

 まあ、こういうのは気持ちの持ちようとも言うし、ないよりはマシだろう。


「にしても、本当に長い間放置されてたんですね……。ちょっと走っただけで足裏が真っ黒」


 裸足で屋敷を走り、廊下に積もっていた汚れやほこりが足裏にくっついてしまったせいで私の足裏は真っ黒になっていた。

 お化けって掃除とかしないのか? 

 屋敷を掃除しないと黒い悪魔と名高い虫も出てくるし、した方が良いと思うのだが……。

 掃除用具置いておいたら掃除とかするかな?


「さて、と。」


 休憩と水分補給、それに脱出に向けての準備を終え、私は屋敷を対象に鑑定を使う。

 先程から抱いていた違和感を解消するためだ。


【名前】オロフソン公爵家の屋敷

【状態】廃屋敷

【その他】オロフソン公爵家の者が住んでいた屋敷。30年前の襲撃事件によりその屋敷内にいた侍従数十名、公爵夫婦、息子2人、娘1人が死亡。殺された公爵夫人、メルタ・フォン・オロフソンの怨念により屋敷全体の空間が歪み、非認定ダンジョン化(神様が設置したダンジョンじゃなくて、誰かの強い負の念がその場に留まることで出来るダンジョン風の異空間のことだよ!( ´∀`)b)。以降は屋敷の中に入る者の魂と感情を取り込み続けている。


「やっぱりダンジョンっぽい感じでしたか……」


 ワンコパスに追いかけられていた時から不思議に思っていたのだ。

 いくら屋敷を走っても行き止まりにたどり着かないことに。

 いくら大きなお屋敷って言っても、10分間走り続けていれば絶対行き止まりにつくのにも関わらず、だ。

 見た目に反して中の広さが違う、そしてアンデッド系の魔物がいるということでダンジョンじゃないかと薄々感じていたけど、その推測は正しかった。

 問題はどうやってこのダンジョンモドキから出るか、だ。


 「脱出方法とかも分かりませんかね、<鑑定>さん?」


 私がそう尋ねながら<鑑定>を使ってみると、私の目の前に鑑定画面が表示された。


【名前】非認定ダンジョン

【脱出方法】非認定ダンジョンの主の討伐、一定の条件をクリア、非認定ダンジョンの主から直接脱出の許しを得る。

【その他】うーん、基本はこの3つ。ただ2つ目はその非認定ダンジョンによって脱出方法はそれぞれだし、非認定ダンジョンなんてものを作るのはかなり強い力を持つから今の君には達成不可能(´・ω・`)だから脱出を目指すなら2つ目の条件の内容を探しながら話し合いでどうにか許しをもらうしかないかなー


「いや、本当に答えてくれるんですか。本当見境なく答えてくれるんですね」


【名前】鑑定 LV1.1

【用途】指定された対象の情報を読み取り鑑定するスキル。

【その他】いや~それほどでも~(○´ω`○)ゞ


「褒めてないんですけどねぇ」


<オペレーター>のように私の質問に回答する<鑑定>。

 若干ウザくもあるが、これは都合が良かった。

 通訳作業をしている間は<オペレーター>は私の質問に答えられなくなる。

 答えるにしても、一度通訳作業を止めて、質問に答えて、また通訳作業を再開しなければならない。

 それは結構な手間なので、通訳中は<オペレーター>に質問しないようにしている。

 だけど代わりに<鑑定>が答えてくれるというのなら申し分ない。

 <オペレーター>と違って画面表記なので今のように読む余裕がある時でないと質問をするのは難しいが、それでも十分<オペレーター>の代理くらいにはなる。

 まあ、喋り方がどうしても非リア充的に受け付けないので日常的に使おうなんて考えないけれど。


「<鑑定>さん、今いるダンジョンもどきの解放条件を教えてください」


 ゲームだったら絶対に教えてはくれないだろう質問。

 運営側にこんな質問をすれば上手くはぐらかされるし、テスト中に教師にこのような質問をすれば完全に断られる。

 だが、<鑑定>相手には有効だったようだ。

 <鑑定>はすんなりと答えてくれた。


【名前】非認定ダンジョン『オロフソン公爵家』

【解放条件】オロフソン公爵家襲撃事件の謎を解明しろ。

【その他】非認定ダンジョン『オロフソン公爵家』の主、メルタ・フォン・オロフソンは30年前の襲撃が誰かの陰謀だったと考えている。屋敷内に残された情報を基にオロフソン公爵家の襲撃を計画した人間を推測し、根拠と共にそれをダンジョンの主に伝えれば解放される。ダンジョンの主が納得さえすればそれが間違っていても大丈夫っぽいね~。ちゃんとした根拠がないと納得してくれないようだから自分じゃ答えを教えられないや。ゴメンねm(_ _;)m


「まさかのミステリーゲームですか……。私、探偵でも何でもないんですがね……」


 30年前の事件の謎を解き明かせとは、まさにその事件で殺された被害者が考えそうな条件だ。

 相手を納得させられるだけの証拠を持って非認定ダンジョンの主に推測を伝える。

 まさにミステリーゲームのようだ。

 いや、アンデッド達が屋敷内を徘徊しているし、ジャンル的に言えばサスペンスホラーか?

 私の拉致事件の事もあるのに、新たに事件の解明をしなければならないなんて疲れてしまう。

 ミステリーの大混雑が起きてしまっている。


 だが、泣き言を言っていても屋敷には出られない。

 まずはこの屋敷の謎を解決して、次に私の誘拐に関してどうにかしなければいけない。

 一つずつ、一つずつ考えていくのだ。


「これで脱出方法は分かった。やっぱり屋敷内の探索に行かなければいけないみたいですね。あと、気は進まないけど<隠蔽>も一応解いておいた方が良いかもしれないです」


<隠蔽>は掛けた対象が認識されないようにするスキル。

 仮に非認定ダンジョンの主がモニターのような物で屋敷内全体の様子を探っているなら、捜査を進めている様子を見せなければいけない。

 そうしないといざ自分の推測を告げる時に、「お前捜査してないだろ」とか難癖を言われかねない。

 アンデッドやワンコパスに遭遇したら<隠蔽>で逃亡し、危機が去ったら<隠蔽>を解除して捜査を続行。

 これを心掛けよう。

 渡りの魔鏡は、万が一の時の為の最終手段として残しておく。

 ベリアルやフォレスを召喚すれば一発解決だけど、彼らを召喚したら気絶してしまうからね。


<隠蔽>のスキルを解除しつつ、私は休憩で消費した食べ物の袋や水を回収する。

 既に廃れてしまっているとはいえ、人様のお屋敷でゴミを放置するのはちょっと頂けないからだ。

 そうして私はゴミを片付けていたのだが、突然誰かに首元の襟を引っ張られ、そのまま真横に転がりながら吹っ飛んだ。


「ぐえっ」


 急に首元が締められ蛙が潰れたような声を上げながら、私は壁まで転がってしまう。

 一体何事かと思って顔を上げると、客室の扉が開いてそこから2体のゾンビが入ってきたのだ。


「ア“ー……」

「初っ端から、ゾンビさんのお登場とは最悪では……?」


 いきなりのアンデッドの登場に驚愕してしまう。

 すぐに<隠蔽>を掛け直して、その部屋から逃げ出そう。

 そう、思っていたのだが……


「いや、どっち向いているんです?」


 客室に入ってきたゾンビ達は最初私の方を見たが、何故か急に全く別の方向を向いて凝視を始めたのだ。

 視線の先を辿って見てみれば、そこにあるのは先程片付けようとした<ネットショッピング>から注文した一口チョコの残り。

 彼らは私になど目もくれず、一口チョコのある方へと近づいてそれを手にとった。

 そしてジーッと凝視すると、骨がむき出しになった手でそれをペタペタと触ったり、口に入れたり、首を傾げたりとしている。


 ……もしかして。いやいや、まさかそんな訳ないでしょう?

 流石にそんなことあり得るのか?

 非公認とはいえ、彼らはダンジョンの魔物。

 しかも、この屋敷に徘徊するゾンビ達は恐らくはミルフィーさんのお付きの人と同じ使い捨て型のはずだ。

 侵入者を倒す為に存在する、自我のない魔物。

 それが今、侵入者を放置して異世界産のお菓子に注目している。

 その異様な光景に呆気を取られながらも、私はチョコを食べようと試みているゾンビ達に声を掛ける。


「……それ、透明な包みを取って食べるんですよ」

「ア“ー……」


 私が声を掛けると、ゾンビたちは一瞬此方を向いたものの、すぐにチョコの方に向いて、私の言う通り包装を外した。

 そしてチョコを口にしてゆっくりと咀嚼する。

 そしてまた一つ、また一つと床に転がった一口チョコを手に取り、包装を外して、口に入れる。

 顔の肉が腐って溶けかけているため表情からは判断し辛いが、幾つも口に入れていることから決して気に入らない、という訳ではないようだ。

 食べ残したチョコが全てなくなると、ゾンビたちはゆったりとした動作で床を這い始める。

 私は沈黙に伏したまま、<ネットショッピング>でファミリーパックの一口チョコを注文する。

 パックの袋を開け、チョコを掲げて見せればゾンビ達は此方の方を向いた。

 そしてゆっくりと、私の方へと近づいてくる。

 その姿を目に捉えながら、私はもう片方の手を前に出し、口を開いた。


「待て」

「ア“―……」


 私の言葉とともに、ゾンビたちは歩みを止めた。

 その場から動かないのを確認しつつ、私はチョコを持つ手をスライドしてみる。

 ゾンビたちはチョコから目を離さず、チョコの動きに合わせて顔を動かす。


 それを確認した後、私はその手に持った一口チョコをゾンビの一人……ゾンビAにそっと投げた。

 ゾンビAはチョコを空中でキャッチし、食べ始める。

 チョコを食べているゾンビAに羨ましげに見ているもう一人のゾンビ……ゾンビBにパックの袋ごと一口チョコを手渡すと、彼は器用にパックの袋からチョコを取り、包装を解いて食べる。

 先程遭遇したアンデッド達と違い、彼らに戦闘の意思は全く見られない。


「ゾンビ……! 貴方達は本当にそれで良いのか、魔物として!!」


 魔物達は食べ物に目がない。

 それはダンジョンでベリアル達の様子を見て散々分かってきたことだが、どうしても言わずにはいれなかった。

 スライムに続く魔物の定番、ゾンビ。

 映画などでは霊と並んでその繁殖力と数で人々を恐れさせるホラー界のドン的存在。

 そんなゾンビが、たかが一口チョコのために床を這って探し、ただの女子高生に犬のように従う。

 この光景は、許されて良いものなのだろうか?


「も、桃太郎のきびだんごって本当に実在するんだぁ……」


 桃太郎のきびだんごといえば桃太郎が犬、猿、キジを従わせるために与える団子だが、<ネットショッピング>のチョコにも似たような効果があるとは思わなかった。

 まさか麻薬とか入っていないよね?

 色々解せない部分もあるが、どうやら危機は去ったようだ。

 ゾンビABの気が変わらぬ内に、さっさと部屋を出てしまおう。

 未だにチョコを食べるゾンビ達をチラチラ見ながら、私は客室から出てきたのだった。


***** *****


「……」


ギシ、ギシ、ギシ……。


「ア“ー……」


ズル……ズル……ズル……。


「……」


ピタッ。


「ア“ー……」


ズル……。


「……」


ギシ、ギシ、ギシ……。


「ア“ー……」


ズル……ズル……ズル……。


「いや、なんでついてくるんです? ストーカーですか?」

「ヴァ”ー…」


 屋敷の中を歩き回り、あちこちの部屋の中を探索して数分経過。

 今、私は2つ程疑問を抱いていた。


 1つ目は、ゾンビAとゾンビBのこと。

 このゾンビたち、チョコを食べきった後も犬のようについてくるのだ。

 最初は私を襲う為に追いかけているのではないかと思ったのだけど、私が足を止めると彼らも足を止め、再び歩き始めると彼らも歩き始める。

 <隠蔽>ですぐに撒くことは出来るのだが、敵意が全く見られないので本気で逃げ辛い。

 もう、チョコも何も持ってないはずなんだけどなぁ。

 名前も付けてないから<契約(コントラクト)>も結んでないんだけどなぁ。

 あまりに行動が謎すぎて、対応に困ってしまう。

 ま、まあ部屋の中に他のアンデッド達と遭遇した時は私の代わりに倒してくれるので助かるから今の所放置一択だけれど……


 そして気になる事はもう一つある。

 先程から起きている謎の怪奇現象についてだ。

 先程ゾンビA、Bがやって来た時もそうだが、この屋敷に来てから変なことが起きているのだ。

 アンデッド達と鉢合わせしそうになると首の襟を引っ張られて安全な客室に引っ張り込まれたり、使用人の日記らしきものが棚から一冊だけ落ちてきたり、何故かポルターガイスト現象が発生しているのだ。

 しかも、どれも私が結果的に助かるようなものばかりだ。

 周囲を伺ってみても、私の目からは全く姿が見えない。

 だけど怪奇現象は起きる。


 謎だ。あまりに謎すぎる。

 公爵家族の襲撃事件や私の拉致事件とは別ベクトルで謎すぎる。

 ベールかネックレスの付加魔法かなにかか?

 いや、このポルターガイスト現象は彼らのものとはなんか違う。

 ベリアルだったら私に危害を加えた者をマークする魔法とか付けそうだし、フォレスは私の身を守る結界魔法とか付与するだろう。

 重要なアイテムがどれかを教えたり危険な道を避けさせたりなんていうのは、あまりに行動が人間くさすぎる。

 魔法などの効果ではないだろう。

 この屋敷内で真っ先に考えられるのは、私には見えない誰かが起こしている現象であること。

 一言でいえば幽霊の仕業、ってやつだ。

 だけどこの屋敷の主である公爵夫人が私の手助けをする訳がないし、心当たりもない。

 他の公爵家族も同じだ。

 私には彼らに手を貸される理由も、メリットもない。


 そして、これらの怪奇現象で思い出すのは二日目に拉致未遂が起きた時のこと。

 不審者達に屋敷近くで追い詰められた時、何故か私の周囲一帯に風が巻き起こり、この屋敷の前まで引っ張られたのだ。

 屋敷の魔物たちが屋敷の外にいる私に興味を示すとは思えない。

 ということは屋敷の魔物以外の“何か”が私に何かをしているということだ。


「<鑑定>さん、もしかして私の近くに何かいたりしますか?」


 困った事があったら頼れるスキルに相談だ。

 <鑑定>に頼み、私は自分の周辺を確認する。

  すると<鑑定>はすぐに答えを表示して見せた。


【名前】スキル保持者周辺の存在の数

【状態】3体

【その他】種族は違うものの、スキル保持者の位置から半径2m以内に3体の魔物が存在する。え、もしかして気づいてなかったの?てっきり気づいているのかと……(@_@;)


「3体?」


 それはおかしい。

 何故なら私の後ろについてくる魔物はゾンビAとゾンビBの2体だけ。

 他にアンデッドの姿は見られない。

 近くの部屋にもアンデッドはいない。

 なのに鑑定結果の数が一人多いとなると、目には見えない幽霊的存在がいるということだろうか?

 というか、<鑑定>は知っていたのか。なんで教えなかった。報連相って知らないのか。


「目に見えない魔物って言うと、ゴースト系の魔物ですかね? どうにか確かめる方法があれば……。あ、そうだ」


 ふと幽霊の存在を確認する、良い方法を思いついた。

 余裕を持って確認をするため、近くの空き部屋の中へと移動した。

 そして私はズボンのポケットからスマホを取り出し、スマホの電源をつけてカメラアプリを起動する。


 確か幽霊というのは写真や動画であれば存在が確認出来たはずだ。

 ネットで見て知った情報だからもしかすると迷信かもしれないが、異世界に渡ったことで色々効果がついているであろうスマホだったら幽霊の姿を捉えられるかもしれない。


「録画を始めて、一周回って、と」


 先程から色々襟を引っ張られているのが私の後ろからだから、きっと私の背後にいるだろう。

 インカメラの動画撮影モードのまま、スマホを片手に持って、その場でゆっくりと一周回る。

 念の為カメラを上方に向けたり、下方に向けたりもしてみる。

 傍から見れば突然四角い物体を持って一周回った変な女にしか見えないが、この場には知り合いはいないので気にしない。


「さて、ちゃんと撮れたかな?」


 一周回りきった後、撮影を止めた。

 そして撮影した動画を確認するため、スマホを操作する。

 どうやら動画はきちんと撮れていたようだ。

 私は動画を再生する。


 そこに、彼女は写っていた。

 無表情で動画を撮影する私と、私の後ろで私の行動を伺っているゾンビAとB。

 その中間地点――――否、私の真後ろにいた。


 どす黒く、腰まである長い髪。

 うねった髪には、誰の物か分からない血がこびりついている。

 髪の隙間から見える、恐ろしい目つき。

 泥と血で汚れたワンピースを着て、

 身体中傷だらけで、その肌は青白い。

 確実に生きてはいないということが分かる。

 テレビ番組で見るようなヤラセの心霊写真よりも恐ろしく、

 映画やドラマに出てくる偽物の幽霊よりも迫力のある、

 そんな恐ろしい女性の幽霊が、私を睨みつけるように浮遊していた








……なんて、光景は全く見えず、


「……背後になんか黒いのがいるというのしか見えないですね」


側にあった椅子が大きな音をたてて転がったのが聞こえた。



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― 新着の感想 ―
[一言]  本当にそれでいいのか、AとBッ!? だ、ダンジョンに連れて帰る?(笑) ベリアルもこもりんのピンチに役立った2体なら『もといたとこに返してきなさい』とは言わないだろうし(笑)  こもりん…
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