楽園の疑問とその道中で
私は道中の森で歴史のかけらを探していた。
歴史を集めてということは多分歴史のかけらが必要なのだ。だからこそここら付近で探さなくちゃならない。
ゴールとは真反対の方向だからかプレイヤーは見かけなかった。
私は腕を神獣化させる。
「どりゃあ!」
思い切り木の幹をパンチし木を揺らす。
すると、歴史のかけらが二つ落ちてきた。今見つけているのでおよそ39個。500ポイントは案外すぐ溜まる。なら一着は無理に狙わなくてもいい気がしてくるが、それでも50個は大きいかもしれないな。
「エデンに行くには何個必要なんだろうな…」
とりあえず手あたり次第木を揺らしたりしていた。
だがたまに蜂の巣とか違うやつが落ちてきたりしている。ハチの巣が落ちてきたら逃げるがたまに刺されてダメージうけるんですね。
私は次の木を揺らしに向かった。
私が目指すは楽園だ。あの…貴族の男性が楽園を人類は見るべきと言っていた。なぜ自分じゃ行かないのかが疑問だが…。
なぜレースの参加者が楽園に行かせられるんだろう。
私が考えるに本当に楽園なのか? ディストピアとかそんな類じゃないのか?
なぜわざわざ楽園だという? 楽園だというならばあいつがいけばいい話だ。考えてみると怪しいんだよな。
だが、どんな絶望とか現実が待っていようとも行くけどさ。
私はそう思いながらも木を揺らす。
歴史のかけらが落ちてきた。私はそれを拾い上げる。とりあえず目標は50個。それでまず奥地に向かってみよう。
とりあえず目標の50個は溜まった。
私は奥地へ向かうことにしたので、とりあえず神獣化し、整備された道を行く。地図によるとこの道をまっすぐ行けばいいはずなのだ。
だがしかしその森も森で遠いので神獣化しても今日の夜につく感じだ。
六日間のうち一日を無駄にする感じだな…。ふむ、楽園と言うのは代償がでかいか。レースというんだし目的地も遠い。さすがに一日遅れでスタートするのはこちらが分が悪い。
一着は諦めつつ行くしかないな。
「ま、私はレースなんて今はどうでもいい。楽園が本当かどうかが問題か」
目的はあくまでレースなんだが、今はそれを考える余裕がない。
楽園が本当なのか、なぜあの貴族は参加者に頼むのか、何を考えているのか。私は疑問が尽きない。疑問はいずれ疑惑に変わる。
楽園が本当の楽園ならば疑うのは辞めるが…もしもディストピアならば。もっと疑ってしまう。あの笑顔はなんだったのか、と。なぜ私をここに行かせたということもすべて問いただしてやる。
「私がもっと頭よかったらあの時駆け引きとかで来たんだろうけどな―。二つ返事でオーケーしたのバカだなー…」
「何がバカなの?」
と、隣で私に並走して走る人がいた。
「うっひょあ!?」
「え、そんなにびっくりする?」
私は隣に走っていた三人の女性にビビって思わず立ち止まる。
神獣化してないで走ってるとはいえ追い付けるってすごくないか? 結構素早いんだけど。
「お久しぶり。私の事覚えてる?」
「…パンドラさん?」
「そうそう」
一応は覚えている。
あのとき助けた人なんだけど…。なんつーか、こんな真顔の人だったっけ。
「何してるの? ここで」
「あー、歴史のかけらを集めに、ですかね。ここは真反対ですし集めに来る人が少なさそうだと思って」
「私たちと同じ考えってわけだ。私たちもここのほうが多いと踏んできたんだけど…。同じ考えの人もちらほらいそうだな」
「じゃあマグドレスの森でも行くか?」
「あそこいったら逆に一着でゴールは難しくなるよ」
「だがしかしもうここらへんは集め終わったはずだ。もうそこしかあるまい」
と、会話している。
ふむ、ここら辺一帯はすでに集められたと思っていいだろうな。
「くそっ、PKが可能なら殺して奪い取るのに…」
「あんた30になってもまだそんな物騒な思想してんの…」
ふむ、そろそろ行かないと本当に時間がやばくなりそうだな。
「あ、じゃ、私はこれで」
「あー、ちょっと待って」
と、私は引き留められる。
私はパンドラさんに詰め寄られた。
「ねえ、私たちと協力しない?」
と、持ち掛けられたのだった。
仕事が本格的に始まったので毎日更新は無理になると思います




