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アンダーワールドクロニクル  作者: 鳩胸 ぽっぽ
メイク・ヒステリー・イン・ザ・レース
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イベントについての情報

 二人が言うには昨日は結局進化はしなかったらしい。

 私が見てる前で進化をしたいということだった。私は昨日拠点に戻ると二人は既にログアウトしていたので今日するつもりなんだろう。


「あー、帰りてー」


 机に脚をのせ揺れながらそうぼやく。


「アテナ、パンツ見えてるよ」

「見せてんの」

「女子なんだからもうちょっと慎みなよ…」

「はいはい」

 

 私は足を下ろし、頬杖をつく。

 三日月は何やらうきうきしてるようだった。なんか嬉しいことでもあったんだろうか。話したそうにしているので私は黙って聞くことにした。


「アテナ! イベントが来るよ!」

「イベント?」

「そう! 第五回イベント! 内容はレースっていうことらしいよ」

「レース?」

「大陸横断レース!」


 ふぅん。

 大陸横断レースか。走りで? 馬とか使うのもあり?


「詳しいルールは説明されてないけど明日からイベントが始まるって言うんだよ! 楽しみだねぇ!」

「イベントってそんな楽しみなの?」

「そうか。アテナはイベント参加したことがないのか」


 と、灘が近寄ってきた。

 ま、買って一か月ぐらいしかまだ経ってないし、その間イベントの告知とか全然なかったな。イベントか。第五回ってことはもう四回も開催されてるのか。


「イベントは報酬が美味しいんだよ! 前回のイベントで3位だったからね!」

「おー、すごいね」

「へへーん。でもレースかー。単純なレースだと自信ないなー。乗馬スキルもないし馬乗れないしね」

「馬じゃなくてもいいんじゃないか? たとえば自転車とか」

「あの世界に自転車あるの?」

「さ、さぁ…」


 いや、ないだろう。


「それに整備されているとはいえ雨降ったら泥だし自転車じゃ優勝は狙いにくいでしょ」

「じゃあ、四駆のバギーとか?」

「だからないだろっての…」


 でもレースか。

 レースというのはちょっと興味があるな。誰かと何かを競うのは好きだ。陸上でも好きな競技は100m走とかリレーとか。

 手に汗握るんだよなー。


「んじゃ、イベントの準備でもする? 必要なアイテムとかは」

「んー、戦闘もあるっていうからとりあえず武器とかだけでいいって言ってたけど運営は」

「馬とかはいらないの?」

「さ、さぁ…」


 戦闘もあるってことはただのレースじゃないということだ。

 妨害あり、と考えてもいいかもしれない。


「でも、今回のイベントは個人戦しかないっていうことだから…」

「あ、私たち敵同士なの?」

「そういうことになるな。ふふ、燃える」


 なるほど。

 団体戦というならばこの三人で出るつもりだったが個人戦か。一人で大陸を横断しろと。おっけー。ちょっと燃えるね。


「で、イベントではイベント特別イベントというものもあるからそれに出会えたらラッキーだよ! そのイベントでも強い武器とかもらえる可能性あるし!」

「ほえー」


 そうなのか。

 そうだなぁ、戦闘があるってことは妨害あり、つまりこいつらを妨害してもいいってことだ。ならば大得意だ。


「ま、イベントは明日だから準備しなよー。私も今日から秘密に準備するから。進化はしておくけどやっぱ二人にはみーせないっ」

「ふっ、手の内をさらすのはしたくないからな。私も見せない」

「私大体二人に見せてる気がするんだけど」

「あんたは素のスペックが高すぎるからハンデよハンデ」


 えぇ…。

 

 私たちが話しているとチャイムが響いた。

 次の時間は現国。現国の先生は小太りで夏場汗をかきまくっている。みんなからはクマセンと呼ばれているが本名は荒木 竜彦と熊は何も関係ない。

 ただクマセンはあだ名付けられて嬉しそうにしている。


「はーい、クマセンが授業をしますよー」

「今日は映画見ないんですかー?」

「テストが終わったら見ような」


 といって号令を日直がかけた。




















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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[良い点] ミーミルには、ジギルタイガーがいるから上位に行きそうだな。
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