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アンダーワールドクロニクル  作者: 鳩胸 ぽっぽ
王と私たち、王都と始まりの街
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球技大会の帰り道

 午後四時半。球技大会の結果発表があった。

 バレー、バスケともにうちのクラスが優勝。サッカーは惜しくも一回戦敗退という形だったようだ。私はタオルで汗をぬぐう。


「アテナー、あんたバレーとバスケの決勝でたんだって?」

「そうそう。バスケの人が怪我して人数足りなくなったから出てくれってきてさ。マジで疲れたよ」

「の割にはぴんぴんしてるね…」

「まぁねー。三日月たちはどうだった?」


 私はそう聞くと三日月はため息をついた。


「灘が下手なのに調子こいちゃってさ…。もう負けも負けでひどいよ。点数とれなかったもん。そのくせ取られまくったし」

「だ、だって…」

「なんでいつも邪魔ばかりするの…」

「良かれと思ってだな…」


 灘は基本的に運動のセンスがないからなぁ。

 運動ができない分勉強は?と思うが、灘はどちらかと言うと下から数えたほうが早い成績だ。何時も赤点ぎりぎり。のくせに歴史だけは高得点を取る。


「もうしばらく運動したくないよ…。あと灘。まじで今日は戦犯だよ…」

「……」

「まあまあ。誰だって得意不得意はあるんだから」

「アテナも? アテナ勉強もそこそこできるよね?」

「私だって料理できないし国語はマジで赤点ぎりぎりよ」

「そうだっけ?」

「そうそう」


 国語だけは何時も赤点近い。

 日本語は流暢に話せるとはいえ紫式部だとか清少納言とか全然知らない。未だに昔の仮名遣いとかはわからんもん。古文が無理かな。


「日本語は外国人に優しくないからね。いきたまふとかなんでふなんだよって思うもん。ちゃんと生きたもうと言えと思うもん」

「ま、日本語は難しいからね」

「そうそう。同音異義が多いんだよ。保証と保障とかな。わかりづらいんだ。日本人でもできないんだからアテナができなくても不思議じゃないだろ」

「だよねー」


 私たちはそう話しつつ帰り道を歩いた。

 

「あ、コンビニあるよ。寄る?」

「そうだな。暑いからアイスでも買ってくか」


 コンビニ、か。

 コンビニではいつも悩むものがあるんだよな。


「…課金しようかなぁ」

「アンクロに?」

「うん」


 課金アイテムというものがあり、一応効果も強そうなのがある。

 金は少なからずあるし、銀行に行けば五百万はあるので悩まなくてもいいのだが、アンクロは今のままでも十分楽しいし強い装備をつけている。必要かと言われるといらないのだが、デザインが好きなナイフがあるんすよ…。


「やめときなよ。今でも十分強いんだし」

「…そうだね。課金はしないでおくよ」


 三日月がそういったので課金はやめておいた。

 私たちはコンビニに入り、アイス棚を眺める。カリカリ君だったりバーゲンダッツだったりいろいろ置いてあった。

 

「私ソフトクリーム-」

「んじゃ、私は最中だ」


 二人は選ぶのが早い。

 私はこういう時ちょっと優柔不断なんだよな。アイスはどれも美味しいんだよ。だからこそ悩むんだよな。

 うーん。どうしよっかなぁー。悩むなぁー。


「私スイカバアでいいかな」


 スイカバアを取り出し、今度はジュースのところに行く。

 炭酸系が飲みたい気分なのでサイダーを購入し、レジに行った。レジ袋は有料だけどまあ、たったの3円程度だしいいか。

 私はレジ袋に詰めてもらい、アイスを買って外に出る。


「んじゃ、早く帰ってゲームしよっか」

「そうだな」

「あとは帰るだけだよね王都から。歩き?」

「もちろん!」

「わかった」


 私たちは別々に歩いていった。




















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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[一言] あれっ?カリカリ君じゃなかった?
2020/12/20 17:15 エビフライ
[良い点] 体力お化けだな、アテナは。 その体力を少しでもいいから、パン子に分けて欲しいわ。
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