球技大会
翌日は球技大会だった。
バレーボールも決勝まで進み、私はスポドリを飲んでいた。私はマジで動くので汗もたくさんかいている。
「ふぅ、後は決勝だけ…」
そう思っているとクラスメイトの女子がやってくる。
「あ、アテナさん! 助っ人頼めない?」
「ん、どったの」
焦ったような声音だった。
額には汗が浮かんでおり、はぁはぁと息を切らしている。この子は確かバスケだよな? バスケは今試合だとかいってなかっただろうか。
「そ、その、三人が怪我しちゃってもう出れる人いなくて…お願い、助けて!」
「んー、ねえ、バレーの決勝って何時くらいから?」
私はクラスメイトに聞くと3時半とかいっていた。今は二時半なのでまだ十分時間がある。まだ私たちの相手が決まってないからな…。
ん、じゃあいっか。
「わかったよ」
「ごめんね、バレーで疲れてるのに…」
「気にするな」
私は急いで第二体育館へ向かう。
私が行くとビブスを渡されたのでそれを着て、列に並ぶ。相手は三年生のチームだった。あれ、ソフィーのチームは?
まあいいや。
「手加減はしないでね」
「もちろんです」
「相手もこっちも全員バスケ部だよ…」
と、クラスメイトが言っていた。
バスケ部なんだ。
「とりあえずジャンプボール誰なの?」
「私だよ」
「おっけ。パス回して」
私はそう言うと試合が始まった。
試合のブザーが鳴り、ボールが投げられる。ジャンプボールは相手に取られ、クラスの女子が一丸となってボールを追う。
だがしかし、相手はすぐにシュートを打ち、二点まず先制された。クラスの女子の一人がボールを持つ。
「ん、ちょうだい」
私はそう言ってボールを受け取った。
そして、私は思い切りぶん投げる。
「なっ…」
私が投げたボールはゴールリングに入ったのだった。
「はい、3P」
「なにそれ!? そっから入るの!?」
相手もびっくりしている。
ふっ、こういうのはセンスなんだよ。私は相手コートに入る。相手の選手がボールを跳ね、私を抜こうとしてきたのですっと手を出しボールを抜き取った。
私はそのまま3Pを決める。
「あれ!? いつの間に…」
「え、えっと、さ、さすがアテナさん?」
「いや、なにその歯切れ悪い持ち上げ方…」
「いや、いつどうやって取ったのかわかんなくて…」
「普通に取っただけだよ?」
え、私がおかしいの?
相手にボールが渡り、相手も負けてられないのかドリブルのスピードが上がったような感じがする。
私は並走して走り、ブロックの準備をする。
相手はボールを持ち、ジャンプしたので私もジャンプすると、シュートではなくパスだった。
「ちっ、読みが外れた!」
「ふぬぅ!」
一人の女子が飛ぶ。が、もう遅く、そのボールは投げられ、ゴールリングに入った。だがしかしまだこちらのほうが二点上。
まだ勝てる。
「とりあえずあの外国人にボールを渡すな! 三人つけ!」
と、私が三方向から囲まれた。
これで何もできなくなったと思ってるのだろうか。まあ、実際これで抜け出すのは少々キツイ。三人でいるので八方塞がりだ。
私は動けないでいると、ボールが取られたようで目の前の人にボールが渡る。その人は抜けてドリブルしはじめた。
私は抜けたところから包囲を破り、その女子生徒に追い付く。
女子生徒はジャンプしたのでシュート…。じゃない。パスだ。私が飛び上がると、手を下にした。なので私も手を下にするとボールが手に当たる。ボールは軌道を変え下に落ち、私は着地したあとボールを取り、そのままぶん投げる。
ボールはリングに入った。
「デタラメだろそんなん!」
「うへへ、案外何も考えないと入る」
点差は20点差。
もう勝利は確実だった。相手もスタミナが尽きてきたのか息が切れている。こっちも私以外息が切れている。私はまだバレーの決勝もあるからな。
「もう時間がない…。この点差を縮めるのは絶望的だね…。不可能だね」
「もう負け。もうなにもしないでいいよ」
あと10秒しかない。
これで逆転は多分私でも無理。十秒が立ちブザーが鳴る。バスケの決勝が終わった。
「はぁ…。君みたいなデタラメな選手、うちに入ってほしいもんだね…」
「あー、私ゲームの方が忙しいんで…」
「そうかい。ま、たまに遊びに来てもいいよ。歓迎する。ありがとう」
と、手を出してきたので私も手を出す。
握手をし、時間を見るともうそろそろバレーの決勝の時間だった。
「私バレーの決勝があるんでいきますね」
「…まだやるの?」
「アテナさんの…スタミナは…マジでありますよ…。体育でグラウンド5周くらいしても息切らしてません」
「…ほんとに何もかもデタラメなやつだな」
私はバレーの試合がある第一体育館に向かった。
さすがにちょっと疲れたな。




