誰も知らないダンジョン
二人が帰宅する時間になったのでログインする。
前回死んだからリスポーンしたのは拠点だ。私は拠点から出てまずフレンドを確認すると二人がオンラインになってるので、メッセージを送る。
すると、クシナダから返信が来たのだった。
”王城前の門にて待つ”
果たし状かよとツッコミたい。
私はあそこねと言いつつ郊外にでてハイドを召還する。
「何度も呼んでごめんね。また王都にまで行ってほしいんだ」
「ガルゥ!」
「いいの? ほんとにごめんね。何から何までお世話になって」
「ガル…」
と、じゃあ何かをくれと言わんばかりだった。
私は神獣化して話してみることにした。
〈あー、うーん。じゃあ肉かなんか食べ物頂戴。最近なんも食べてないんだよ〉
「それだけでいいの?」
〈おいらミーミル好きだから協力してるんだよ。対価はいらないんだけど気にしそうだからそれぐらいでいいよ〉
「わかった」
私は神獣化を解いてハイドの背に乗る。
じゃ、王都までいざいかん!
やっぱりハイドは早く、もう王都に到着したのだった。
数日ぶりに来た王都。結構人も多く、大通りは結構混んでいた。王城前の門つったよな。たしかに出ていくときにあった。あそこか。
私は向かうと、なにやら馬車が止まっており、二人が何やら喧嘩していた。
「私は友人を待っているだけです!」
「嘘をつくな! 王城前の門でなんて怪しすぎるぞ!」
「ほんとですって!」
と、二人が。
まあ、そりゃそうか。王城は一番警備が固そうだからな。
「おーい」
「ミーミル! 来て早々頼むのもあれだけど助けて!」
「はいはい。あのー、私の連れなんで放してあげてください」
そういうと騎士の人は私を睨む。
「仲間か?」
「ほんとに待ち合わせしてただけですよ。あ、私に危害を加えます? じゃあこの国出ていっちゃおうかなー」
というと、出ていけばという顔をしていた。
いいの? ほんとに? 私はそうにやついていると馬車内からアレクが下りてきた。
「どういう状況だ?」
「王子様。いえ、怪しいものが二人いただけで…」
「私の連れだよ。離さないとハイドつれて出ていっちゃうぞ」
「み、ミーミル様! おい、今すぐ離してやれ!」
「い、いいんですか?」
「構わん!」
と、二人が解放された。
「ただ待ち合わせしてただけじゃないかよ」
「王城は警備がかたい場所なんだからそこで待ち合わせしてたら怪しまれるでしょ」
「だって目印になりそうなとこそこしかなかったし」
いや、そしたら王都の門の前とかいろいろあるだろうが。
「すまなかったミーミル」
「気にしないでいいっすよ。こっちも悪いんで…。ほら、いこっか」
私は二人を連れて王都の喫茶店に入る。
「で、私たちはなんで王都に来たわけ?」
「えーと、あるダンジョンに挑むのよ」
「あるダンジョン?」
「王都付近のどこかに出現したダンジョン…。まだ挑んだ人がいないそうよ。それを制覇するつもりできた」
という。
ダンジョン、ダンジョンねぇ。
「なんでまだ挑んだ人がいないの?」
「それはだな、見つけられてないからだ」
「見つけてないものをなんで知ってんの…」
「運営が言ってたのよ。王都付近に出没したダンジョンがある…。探して挑んでみよって」
ふぅん。なるほど。
「じゃあまずそれを探しに行くんだね」
「そゆこと。手分けして探そっか。王都付近は広いし」
「そうだな。私は門のあたりを探すぞ」
「私はちょっと遠くに行って探してみる。ミーミルは王都の中をお願い」
そう言われたので私は請け負った。
王都の中を捜索か。そのダンジョンに通じる手がかりがあればいいんだがな。




