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アンダーワールドクロニクル  作者: 鳩胸 ぽっぽ
王と私たち、王都と始まりの街
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星降る平原

 私はオルタナさんに呼ばれてある平原に来ていた。

 

「うわあ…」


 私の真上に広がるのは満天の星空。たくさんの星々が光り輝き照らしている。


「ここはいつも晴れてるんだ。だが、用心しろよ〜…」


 そういうオルタナさんは重装備ではなく動きやすい格好をしている。

 デコイさんも軽装備で、防御力は大丈夫なんだろうか。


「一応言っておくが、ここは防御力なんて関係ない。動きやすい方がいい。鎧とか着込んでも無意味だってことだ」


 ということだ。

 どういうことだろうか。私は平原に一歩踏み出してみると、なにやら地面が熱いように感じる。

 その瞬間、目の前に何かが落ちてきた。


「い、隕石!?」

「ここは凶星の平原つってな…。隕石が降り注ぐ平原だ。隕石に当たったら即死だと思え。防御力ナンバーワンのプレイヤーも一撃で葬るぐらいには威力がある」


 な、なるほど。だから防御力は皆無、か。

 でもなぜこんな危ないところに来るんだろう。何か素材でもあるのか?

 それと、こんなところで私は戦闘なんてしたくないぞ。


「ここには敵が出ねえ。そこは運営の良心だろう。だがしかし、ここにしかないアイテムがある。それが必要なんだ。俺でもそこまで辿り着けるかわからない。少しでも辿り着ける可能性を高めるために呼んだ。ジキルタイガーの攻撃を躱せるならきっと大丈夫だ」


 ということだ。

 なるほど。私はなんのアイテムを取るかはわからないんですが。


「ちなみに、探すのは幸運の星のかけらという素材だ。頼む…」

「わかりました」


 でも敵がいないというのも少しは不安だ。

 流星武闘、闇の二面性。どちらも発動できないんだからな。

 一応ステータスは素早さ特化なんだが…。


「ここは自分のスペックでいくしかないか」


 隕石が目の前に降り注ぐ。

 たくさん穴が空いている。落ちてきたらすぐにその穴は塞がっているようだが…。

 隕石が落ちないルートというものはなさそうだ。穴は不規則っぽい。


「いよし、じゃ、いきますか」


 私は平原に一歩踏み出した。

 私はダッシュで向かっていく。オルタナさんとデコイさんも走って向かっている。


「おわっ! あぶなっ! 隣に落ちて少しダメージ食らった! いってぇー! これでも死にかけた!」

「ちぃ、高速で落ちてくる隕石、躱すのは難しいか?」


 私は少し足を止める。

 すると、目の前に隕石が落ちた。あっぷね、走っていたら隕石が当たるところだったぜ。

 さすがに気は抜けないな。どう攻略するか。多分攻略法はあるんだろうけど…。


「うわぁ!」


 と、デコイさんの声が聞こえ振り向くとデコイさんがいなくなっていた。


「ち、やられた! 立ち止まるな! 当たるぞ!」

「あ、は、はい」


 私は再び走り出す。

 どうするか。このまま幸運の星のかけらを探すのは困難だ。どこをきたか、どこから来たのかを考えてる暇はないし、辺りを見渡してる暇はない。


「どこらへんにあるかオルタナさん知ってますか!」

「わからん! ここにあるのは事実なんだが。ここまで生き延びてるのもラッキーだからな!」


 どこにあるかわからないなら時間かかる。

 この隕石が降り注ぐ平原、隕石を止めるか隕石が落ちてこないルートがあればいいんだが…。

 すると、オルタナさんの声が聞こえなくなる。振り向くといない。


「ちっ、私一人かよ」


 どうする? どうするか。


「とりあえず神獣化ァ!」


 私はジキルタイガーの姿に変身する。

 変身つっても大きさは私自身の大きさで小さくなったジキルタイガーって感じだがな。

 だがジキルタイガーがあんなに素早いんだから同じことが出来るはず!


 私は走りだす。

 すると、なんだか隕石がゆっくり落ちてくるように見える。

 動体視力が良くなったのか? それとも本当にゆっくりになったのか?


 だがしかし、これならゆっくり探せるぞ! ジキルタイガーテイムしててよかったぁー!


 幸運の星のかけら…。

 こんな隕石の中で見つけられたらたしかに幸運の星が味方についてるんだろうな。


 私は地面を見ながら走る。

 すると、何やら少し光っている。私は人間に戻り拾って調べてみると幸運の星のかけらだった。

 ここらにたくさん散らばっている!


「ついてる! 今年はなんて幸運なんだ!」


 私はかけらを拾う。

 これだけあれば十分だろう。で、戻るときはここを…戻らなくてもいい。

 このゲームは死んだらデスペナルティとしてステータスが半分になるぐらいだ。アイテムがなくなる、ということはない。誰かに盗まれたりしなきゃな。


 つまり。


「戻るにはよォ、私が死ねばいいんだな」


 私は平原に寝そべると、私のお腹あたりに隕石が落ちてきたのだった。

 死に戻り。これが一番簡単だ。


「ゲームってこういう仕様あるの助かるよな」


 戻るところは拠点だ。

 私は目を覚ますとアマノイワトの拠点にいた。私はすぐに黄金の煌きの拠点に向かうのだった。


















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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[良い点] 幸運の星…誰かの運勢でもあげるのかな。 パン子には、リアルであった方が事故とか減りそうだけど
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