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アンダーワールドクロニクル  作者: 鳩胸 ぽっぽ
私たちの歴史の始まり
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試練は何で終わるのか ②

 先手を取ったのはハイデルだった。

 ハイデルは槍をもって突進してくる。私は槍を掴み。そのまま槍をぶんどった。


「返してやるよ!」


 私は槍をぶん投げると肩に槍が突き刺さる。

 よ、弱い…? エーデルさんも見てられないのか頭を抱えている。私はとりあえず敵に、悪役に徹しろとハイドから言われたので、慰めの言葉もかけてやらない。


「その程度か! その程度で神獣に挑むつもりなのか! 片腹痛いわ!」

「うぐぐ…」

「ほら、どうした? 来なよ。私を倒せないで何が処刑人だ! 笑わせんな!」


 私はそうヘイトスピーチ?をかますとハイデルは立ち上がる。

 突き刺さった槍を引っこ抜き、今度は地面を思い切り蹴って一気に距離を詰めてくる。ただその攻撃はやけくそに近い。

 やけになっても…無駄なんだよな。


 だがしかし、攻撃が止んだ。


 なにか考えているようだ。


「失敗した! やけになっちゃダメだ!」

「気づいたんだ」

「処刑人たるもの常に冷静に、焦らず仕事を全うせよ…」


 と、また攻撃してくる。私は躱すとナイフが左わき腹に飛んできた。これは躱せない。私の脇腹にナイフが刺さる。

 こいつ躱す軌道を読んでナイフを投げたのか。槍は躱させるために…。


 なんだ。冷静になったら強いんじゃねえの。


「奴は敵…。殺すべき対象…」

「これはさっき馬鹿にしたからその憎しみを糧にしているって解釈でいいのかな」


 今度は鋭い槍の一閃が私の頬を掠る。

 私でも見切れないくらい早い。こいつなんか戦う時間が増すごとに強くなって言っている気がする。成長するスキルでも持ってんのか?

 だがしかし、防戦一方なのは私だっていやだから攻撃させてもらうとしよう。


「オラァ!」


 私は素早く距離を詰め腹部を殴る。

 ハイデルは吹っ飛んでいくがその時私の肩に槍が刺さっていた。私は刺さってる槍を引っこ抜き先ほど飛んでいった方向にぶん投げる。

 土ぼこりで見えない。その時、私の目の前に槍が飛んできた。


「おわっ!」


 考えることは同じだったようだ。

 だがしかし、私が投げた軌道より左から来たということは私の投げた槍は当たらないな。少し左に移動している…。


「何本槍を持ってるんだ…。一本だけじゃないな」


 土ぼこりが晴れる。

 すると、ハイデルの姿が見えなかった。どこにいったんだろう? 私は辺りを見渡すがいない。


「ちっ、土ぼこりを立てたのは誤算だった」


 どこからくる?

 その恐怖はある。どこから来るのか…。


「いや、いるな。後ろだ」


 私は裏拳をかます。

 ナイフが突き刺さり、クリティカルダメージが入った。急所を狙われたようだ。私の体力も少なくなってきた。っていうかあと一撃受けたら多分死ぬ。

 相手も相手で少しは削れているだろうがまだ余裕しゃくしゃくのようだ。ま、今の私は流星武闘くらいしか使ってないんだけどさ…。


 もうちょい素早さが欲しいな。


 ハイデルは槍をもって近づいてくる。

 すると、ハイデルの姿が三人に増えた。分身か。いや、残像? カゲロウか? いやなんでもいい。

 どれが本物か。


 私は拳を構えると、そこでハイドが大声を上げる。私はハイデルを止めるために闇の二面性を発動させ、ハイデルと距離を詰め、そのまま飛び上がり上から押さえつける。


「ハイデル、終了。試練の時間は終わり」

「…はい?」

「もう武装は解除していいよ。私はもう攻撃しないから。合否は私が聞いてあげるからね。もう一撃食らったら死にそうだからさ。私が死んだら合否聞けないよ?」

「わ、わかりました」


 と、槍をしまう。

 エーデルさんが近寄ってきた。


「二人ともお疲れだ。回復する薬。飲んでくれ」


 と渡されたのは丸薬。

 私は口に入れると傷が回復していった。


「私としては私に並ぶくらい強くなっていた。ミーミルさんの力を見るのも初めてだった。いい試合だった」

「殺すつもりで、挑んだのですが…。殺せなくて残念です。僕も傷を深く負いすぎました。まだまだです。処刑人たるもの、スマートに勝たなくては…」

「そこは技術と経験の差でカバーはある程度できる。あとは合否を聞くだけだ。ミーミルさん、頼んだ」


 私は神獣化し、ハイドの話を聞くことにした。




























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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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[良い点] 仕事と私生活の性格のギャップがすごい人だこの人
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