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アンダーワールドクロニクル  作者: 鳩胸 ぽっぽ
私たちの歴史の始まり
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木戸くんとデート ⑤

 お昼も食べ、特に行くところもなくなった。

 見たい映画とかも今はないし、正直帰ってゲームしたいという気持ちもなくはない。


「これからどーする? どこいく?」

「…あのさ、頼みがあるんだが」

「頼み?」


 そういって木戸くんは私を引っ張っていく。

 引っ張っていかれたのはゲームセンター。その中にプリクラがあった。


「その、一緒に…どうだ?」

「いいよいいよ。それぐらい」


 私は中に入っていく。

 それにしてもプリクラかー。三日月たちともたまに撮るんだよな。三日月がこういうの好きだしな。

 木戸くんも入ってきて、私たちは隣同士になった。


「んじゃ、撮られるから少し近づこうか」


 音声案内と同じようにポーズを決める。

 木戸くんはただ突っ立ってるだけだった。


「ほら、なにかポーズ決めなよ。ピースでもなんでもいいからさ」

「え、あ、わかった」


 と、胸の前でピース。

 修学旅行とかじゃないんだから…。私は強引に木戸くんを引き寄せ頬をくっつける。

 パシャリと写真が撮られた。私たちは一旦外に出て今度は落書きに入る。


「木戸くん真っ赤だなぁ〜」

「……」

「イニシャルでいいか。キドアンドアテナと…」


 うむ、我ながら綺麗に書けた。

 完成したものがでてきて私はそれを取り出し木戸くんに手渡す。

 

「いい出来でしょ? これ木戸くんの分ね」

「あ、ああ。ありがとう…」


 三日月と撮る時は三日月がポーズを指定するんだよな。

 カッコいい感じーとか。ダメ出しもたまにされるが嫌な気持ちではない。


「せっかくだからプリクラ以外にも遊んでくかー」

「そ、そうだな」


 せっかくきたんだからプリクラだけ撮って帰るというのも味気ない。

 でも色んなゲームがあって悩むんだよな。メダルゲーム、格ゲー、アーケードにレース、音ゲー、クレーン…。


「悩むなぁ。オススメある?」

「俺は最近はパンチ力測定器とかバスケゴールにボールを入れるやつにハマってるが」

「それにしよう! パンチ力で負けた方がジュース奢りな」

「わ、わかった」


 ということでパンチを測定する機械の前にいく。

 ちょうど空いてるのでやることにしよう。


「お先にどうぞ」


 私は木戸くんに先を譲った。

 木戸くんは百円を投入しグローブをはめる。モードを選ぶスイッチがあり測定モードを押したのだった。


 パンチングマシーンが起き上がる。


「オラァ!」


 木戸くんは大人気なくフルパワーのようだ。手加減されたらムカつくしいいんだけど。

 でもバスケで鍛えてるだけあって平均よりめちゃくちゃ高い。よくみると二の腕あたりは筋肉質で硬そうなんだよな。


「ふぅ、こんなもんか…。少し落ちたな」

「よーし、じゃ、私がやろう」


 この測定は二回できる。

 私はグローブを受け取った。右利きなので右で打つのだが…。

 こういうのはフルパワーの方がいいのか? わかんねーな。力は普通の女の子よりはあると思ってるけどどうなんだろう。


「いっくぜえ!」


 私は右手を大きく振りかぶる。

 そのまま拳をパンチングマシーンの中央に当てる。パンチングマシーンは盛大に倒れた。

 記録はというと。


「互角だっ!」


 木戸くんと同じ記録を示していた。


「…引き分け!」

「じゃあ互いにジュース奢ろうか」

「そうだね。私炭酸系ならなんでもいーよ。ただしコーラはダメ。飲めないから」

「意外だね。飲みそうなのに」

「あの炭酸抜けたときの甘ったるさ?が嫌なんだよな」


 炭酸は好きなんだがコーラだけはどうしても嫌なのだ。コーラはマジ無理。


「俺はコーヒーで。ブラックでもなんでもいい」

「おお、大人ぁ」

「普通だ」


 いや、私はブラック飲めねーし。むしろコーヒー自体それほど飲まない。

 ほとんど紅茶だからなー。


「紅茶でもいーわ。センスに任せる」

「わかった」


 お互い自販機に向かうのだった。

 自販機は面白いのだって売ってたりする。例えばコーヒーゼリーだったり。振って飲むコーヒーゼリー。


 私は面白いの見つけたのでそれを買った。


「えっと、紅茶サイダー…ってのがあってだな」

「マジで…。変なの買うねぇ。人のこと言えないけど」

「…なにこれ」

「コーヒーラー…ってコーヒーとコーラ併せたものらしい」


 ふざけて買ったんだが…。

 私たちはそれぞれ交換する。紅茶サイダーを飲んでみる。

 うーん、別々に飲みたいっていうか…。ただ紅茶に炭酸ガス入れただけっていうか。

 不味くはないが飲みにくい。


「…うげっ」

「あ、不味かった」

「コーヒーの酸味とコーラの甘味が微妙に合わさって吐き気を催す…。苦くて甘い」

「コーヒーとコーラって絶対合わないのによく合わせようと思ったな。変なの買ってすまんな」


 コーヒーラーに比べれば紅茶サイダーなんてマシか。ごめんね。好奇心で買ってみたんだ。

 木戸くんは一気に流し込んだ。


「ぷっはあああ! まずい…」

「あはは。ま、そーだろうからね」

「でもま、コーヒーとコーラは合わないってわかった分よしとするか」


 私たちは飲み終わったゴミを捨てる。


「さ、次はなにで戦う?」

















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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[良い点] 昔は炭酸は全然イケだけど、今は炭酸が強いと感じて少し苦手になったんだよね。
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