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アンダーワールドクロニクル  作者: 鳩胸 ぽっぽ
私たちの歴史の始まり
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ゴミに棲む竜 ①

 地下水路の前までやってきた。

 オルタナさんを先頭にし私たちは中に入っていく。中は薄暗く、少しじめじめしていた。こんなところに生息する隠しボス…。


 私たちが先へ進むと、その時が訪れた。


「くるぞ! 気を付けろ!」


 私たちの前に現れたのは黒い体液がだらりと垂れたドラゴンだった。口からは紫色のガスを吐いており、私たちを睨む。


「やはりコイツだったか…!」

「ああ。ヴァイツダスタードラゴン。ゴミを主食とするドラゴンだ。気を付けろよ。俺らでも油断できねえからな」

「召喚! ”クレイジーピエロ”」


 と、ユーミールさんが何かを召還した。

 大玉に乗っている小柄のピエロだ。器用にジャグリングをしており、その見た目はちょっと不気味。


「クレイジーピエロ、マジックジャグリングだ」

「ウシシっ」


 と、ピエロはナイフに持ち替え、ジャグリングをし始めた。

 そして私たちの胸めがけてナイフを突き刺してくる。ナイフがずぶずぶと中に入っていくと攻撃力と素早さがアップした。


「マジックジャグリングはバフか」

「そう。突出しているステータス二つにバフをかけるんだ」


 だから私は素早さと攻撃がアップしたのか。

 私はヴァイツダスターを見る。ふしゅるるーと瘴気を漏らしている。私は闇の二面性を発動し、一気に距離を詰めた。


「オラァ!」

「グギャギャオアアアア」


 不気味な鳴き声だ。

 だがしかし、手ごたえがない。まるで中身が空洞のような感じがする。こんな生物がいていいのだろうか。


 と、私が距離をとろうとするとなぜか動けない。

 足元を見るとなにかねばねばしたものが私の足に張り付いており、動こうにも動けない。もしかしてこれはゴギブリホイホイ?

 すると、ヴァイツダスタードラゴンは私めがけて首を振り下ろしてきたのだった。


「まずい、私が受けたら多分一撃だ…」


 今の私は防御力を捨ててる状態だ。闇の二面性のデメリットとして防御力をすべて下げるというデバフがある。

 レベルも低いからほとんどの攻撃がワンパンに近いことは確実。


 私は思わず目をつむると、その瞬間、攻撃される音が聞こえた。


「させない」


 クロムさんがナイフを投げていた。

 そして、クシナダが何か薬品を投げてくる。私の足下に降りかかると動けるようになったのだった。それにしてもゴギブリホイホイに引っかかるなんて…。あそこら一帯はねばねばしてそうだ。


「じゃ、オルタナさん。我々も行きますか」

「そうだな」

「さ、サポートします!」


 と、ミカボシがでかい弓矢を出してくる。

 ミカボシは矢を引き、放つ。それと同時に二人も走り出し距離を詰めた。オルタナさんはオノを、デコイさんは槍を構えてその体を貫こうといわんばかりにとびかかり攻撃。だが肉体がすべてを止めてしまう。

 二人は着地し、距離をとった。ねばねばしてないの?


「とりあえず攻撃して体力を削ろう」


 ユーミールさんがそういったので私も距離を詰める。

 ヒットアンドアウェイで当てては逃げ、当てては逃げを繰り返す。どうやらねばねばはそこに突っ立っていればいるほど固まっていくようで私はすぐに退かなかったから動けなくなったのだ。

 近づくにつれ常に動いてないといけない。


 ヴァイツダスタードラゴンだって抵抗してくる。

 黒いブレスを吐いてきた。私たちはもろに食らうが、私たちの体力はそんなに削れていない。何のブレスなんだろうかと思うと、アイテムが使用不可能になっていた。

 そして、装備も使えなくなっており、装備としての機能を果たさなくなったのだ。


「腐らせの息か…。これで僕たちは攻撃を受けたら死ぬね」

「そうだな。防具を着てないのと同じ状態だからな」

「クシナダ、君は錬金術師だろう。なにか作れないか」

「素材が腐るんで作れないですよ。持ち物も全部腐るようで」

「そう。厄介だね」


 私たちはもう一撃も受けたらだめらしい。それはそれで厳しいものがあるが。

 すると、今度はなにをしてくるのか。

 再び息を大きく吸い始めた。私たちは動こうとしたが、足元が動けない。あのねばねばだ。動かないでい過ぎたのだ。


「まずい! 瘴気のブレスが来る! あれは俺らでもワンパンだ…」

「どうにかして防ぎたいけど…動けなくなっちゃったね」

「忘れていた。このねばねば…」


 ヴァイツダスタードラゴンはブレスを吐く準備をしていた…。



















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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[良い点] ゴミを食べるドラゴン、そんなの居たんだ。
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