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アンダーワールドクロニクル  作者: 鳩胸 ぽっぽ
侵攻せし地獄の業火
435/442

未来を見通すために ②

 山田さんの家に行き、猫の様子を見る。

 猫はぐったりとして動いていない。私は口を開けてのぞき込むとすぐに理由がわかった。毛玉だ。吐き出せないくらいの毛玉が胃の中に詰まっており吐き出せなくてぐったりしてる。

 これは動物病院に見せたほうがいいな。


「毛玉が詰まってるんだよ。すぐにいったほうがいい。寿命とかそんな病気じゃないから」

「わ、わかった! 今すぐいこう!」


 そして、私たちは動物病院にやってくる。

 毛玉の処置が終わり、猫はちょっと動きが鈍いが元気になってやってきた。思わず山田さんが猫を抱きしめるとぺろぺろとほっぺをなめている。


「ありがとう!」

「いや、いいよ」


 動物病院に連れて行ったあとで私は山田さんの家でお茶していた。

 猫の名前はぺぺというらしい。ぺぺちゃんは子猫の時から面倒を見ているらしく、嫌なことがあったらペペを見て癒されていたということだ。

 ぺぺは家に帰ってくるなりすっかり元気になり、私の膝の上で丸くなっている。


「それにしてもすごく懐いてるね。知らない人は警戒して近づかない子なんだけど……」

「昔から動物に好かれやすいんだよ」

「優しいってことが動物にもわかるのかな」


 ほめても何も出ないぞ。


「でもよく毛玉が詰まってるってわかったね。私なんか全然知らなかった」

「昔同じような猫を見たことがあるからね。今度猫草買いなよ。そしたら毛がうんちと一緒に出てくるから」

「そうなの?」

「毛玉が詰まってるってことは一緒に出てないってことだからね。猫草はそういうのを抑制してくれるんだよ」

「へぇ、詳しいね」


 知っていただけだけどね。

 祖父が昔猫を飼っていたし。じいちゃんいろんな動物飼ってたなぁ。馬にウサギに猫に犬。ハムスターにフェレットにインコにオウム。獣医に店に行くのが面倒だってことで自分で動物について勉強して自分で治療していたなぁ。私もそれを見ていてちょっと知識が付いた。


「そんなに詳しいなら獣医さんになれそうだね」

「獣医、か」


 確かに悪くないかもな。昔から動物は好きだったし獣医になってみるのも悪くないかもしれない。

 やりたいことは特にないし今度はそれを目指してみる、かな。うん、いい経験になった。


「じゃ、獣医になってみるよ」

「そんなゲームで職業変えてみるよっていう感じに決めるの……?」

「特にやりたいこともなかったし、しばらくはそれを目指すさ」


 とりあえず当面の目標はそれぐらいか。

 私は丸くなっている猫を撫でながら獣医になってみようと決意した。幸い、動物には好かれる性質だし、動物たちと関わるのも嫌いじゃない。





 で、翌日二人に話すと。


「獣が獣を見るの?」

「大丈夫か? 食べたりしないか?」


 心配の方向性が明後日を向いていた。





明日からラスボス戦はいるかなぁ……?

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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[良い点] 獣医とは中々に難しい選択ですが、良いと思いますよ? [気になる点] ただアテナさんの学力的に可能なのかって話ですけど
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