食い倒れ外国人
私たちは広島につき、まず最初の観光地である宮島に来ていた。
ホテルにチェックインする。ホテルは海を見渡せるところの高いホテル。私は部屋の窓を開けていた。
潮風香る。海の匂いが私の鼻につく。
「絶景かな絶景かな~」
「うわ、きれー」
私たち三人はテンションがめちゃくちゃ上がっていた。
窓から見える海の景色は壮観であり、波の音が聞こえてくる。ホテルも洋というよりかは和を意識しており、優美な雰囲気がある。
いいホテル予約したなぁ。
「今日は移動だけで終わっちゃったけど明日は観光しようね」
「宮島だけでも食べ歩きしない? 来るときに目についた牡蠣とか食べたいんだけど」
「ふむ、まだ時間もあるしいいんじゃないか?」
昼をちょっと回った時間だ。午後二時。
私は靴を履いて外に出る。ホテルの浴衣を着て街を散策してもいいらしく、私は浴衣姿のまま繰り出した。
そして目指したのは焼き牡蠣を提供してくれるお店。私は焼き牡蠣を焼いてくれる屋台の人に声をかける。
「牡蠣くださーい」
「お、お嬢ちゃん外国人か?」
頭がちょっと寒いおじさんは笑って私を眺める。
「どれ、大きいのをやろう。300円だ」
指を三本立ててくる。300円ということだろう。
私は財布を取り出し、300円を渡す。
「中で食ってくかい?」
「そうしますー」
私は中に入る。
結構お客さんがいて、外国のお客さんもちらほら見かける。夏だから旅行に来てる人なのだろう。
私は席に座り、おじさんが焼き牡蠣を運んでくる。
「そのまま食べてもおいしいがテーブルにある紅葉おろしとポン酢をかけて食べるのもおいしいぞ」
「ありがとうございまーす」
私はシンプルにポン酢かなぁ。
ポン酢をかけ、私は無作法に箸を使わず殻を持ち指で口の中に放り込む。牡蠣のうまみが口の中に広がり、おいしい。濃厚だなぁ。これ美味い。さすが海のミルク。
「おじさん、牡蠣追加!」
「あいよぉ! いくつだい?」
「5つ!」
5つ追加で焼いてもらうことにした。
牡蠣もそうなんだが海鮮はとてもおいしい。牡蠣が運ばれて今度は紅葉卸を乗せる。そして先ほどと同様に殻を持ち上げて手で放り込む。
周りはお上品に箸で食べているがこういうのは下品に食ったほうがうまく感じる。なんでだろうな?
「豪快だねぇ嬢ちゃん!」
「上品さは私にゃ似合わないんで!」
「がはは! そんなかわいらしい見た目してか?」
「ナンパっすか?」
「してやろうか?」
「いえ結構です!」
おじさんが私の食べっぷりを絶賛してくれました。とてもうれしいです。
あー、牡蠣うまっ。大阪じゃないのに食い倒れそうだ。こりゃ明日も食いまくるしかないな。明日はどんな食べ物に出会えるのだろう? 想像しただけで涎が……。
と、思っているととあるメニューが目に入る。
「おじさん、焼きウニ追加!」
「おうよ!」
まさかのウニ。ウニですってよ奥様。こりゃ食べるしかありませんわね。
獣は箸を持って食べないからね、仕方ないね。




