ジキルタイガーお披露目会
いやぁ、結構注目されますね。
光ってることもあるし、外国人ということもあるようだ。私は今テイマーギルドに連行されていた。縄で縛りつけられ、椅子に座らされている。
どんなプレイですか?
「単刀直入に聞こう。その左手の紋章は何だ? 見たことがない。牙だけというのはな」
「うわぁ、クシナダよりひどい中二病を感じる…」
「答えろよ。質問は既に…」
いや、なにこれ。
テイマーギルドの人たちが私に詰め寄ってくる。
「乱暴するなら絶対答えない。PKでもするの? 私を殺すの?」
「…今すぐ縄をほどいてやれ! 紅茶を淹れて丁重にもてなすんだ!」
「案外聞き分けいいでやんの…」
「ごめんなぁ。こういう拷問みたいなのしてみたかっただけなんだ」
と。
すぐに縄をほどかれ目の前にはテーブルが運ばれて紅茶が注がれる。レモンティーなのかレモンの輪切りを中にいれて渡された。
英国人は紅茶が好きだと思われてるらしい。私は好きだけど。
私は渡された紅茶を飲んだ。
「美味しい」
「話してはくれまいか? その牙の紋章…。なぜ本じゃなく腕についているのかも知りたい。あとその光もな…」」
「まあ、いいですけど…」
私は紅茶を啜る。
「これは神獣の紋章ですよ。テイムしたんです」
そういうと、辺りは静まり返った。
静まって数分後、誰かが驚きのあまり叫んでいる。目の前の男は目を丸くしていた。神獣をテイムできるなんて知らなかったのだろうな。不可能だと思い込んでいた。
思い込むのはいいが、可能性を疑わないと。
「ま、まま、まじで…? それ神獣…?」
「ジキルタイガーの紋章です。呼べますよ」
「…呼んでみてくれ。場所を移すぞ」
そういうので私たちは平原に場所を移す。
平原に行き、私はジキルタイガーを召還した。ジキルタイガーは飛び出てくる。そして、私のほうを向くと後ろのテイマーギルドの人たちに威嚇をしていた。
私はジキルタイガーの足に触れる。
「敵じゃないよ。見てみたいって言ってたから見せただけ」
「ガル」
「うおおおおお! マジだ! 神獣をテイムする輩が現れた! これは朗報だ! 私がいくらテイムしようとしてもできなかったのに!」
「マスター。これは我々だけじゃなくプレイヤー全員が震撼するようなニュースですよ。神獣をテイムする方法ってなんですかミーミルさん!」
「秘密。それいうと面白くないじゃん?」
私は口元に手を当てる。みんなは私を見ていた。
今のはちょっとあざとかったか?
「ちなみに外見はリアルモジュールだよ。オッドアイも金髪も外国人も自前…」
「結婚してください」
「ここで申し込むなよ…。あと無理」
そういうと崩れ去った。
掲示板というもので書かれるんだろうなぁと思いつつ、私はジキルタイガーにごめんね、戦わないときに呼び出してといって戻した。ジキルタイガーはまんざらでもなさそうだった。
「…ミーミルとかいったか。ぜひ俺とフレンドになってくれ」
「あっ、マスターだけ狡い! 俺も!」
「僕も!」
声がたくさん上がる…が。
「マスターだけにしておくよ。そんなに多いと逆に困る」
「ええー!」
私はマスターとだけフレンド交換をした。
マスターの後ろではマスターを睨むような子もいて…。私ってかわいいからね。人気が出るのも仕方ない。それに、オッドアイ、外国人と日本人が好むような見た目だしね。
オッドアイって結構人気だからなぁー。
「それじゃ、私現実で用事あるから。またねー」
私はそういって拠点に戻ることにした。




