むしってやるぜ!
とりあえず金策をしようと繁華街を歩く。
繁華街は道具屋や武器屋、飲食店が並び、初心者たちをちらほら見かける。大体が初期装備だもんな。見分けつくわー。
っていう私もほとんど初期装備なんだけど。
まあ、初心者プレイヤーは別にいいんだよ。
「ハロー」
私は近くにいた女の子に声をかけた。
「声の掛け方がイギリスなんだよね…」
「イギリスって結構真面目って言う雰囲気があるけど普段あいつまじめか?」
ひどい言われようだ。
「ちょっとした簡単な質問なんだよ。困ってることなぁい?」
「困ってること…? ないなぁー」
「ソーリー。時間を取らせたね」
「ちょっと英語ができますよ的な感じなのムカつく…」
「実際英語できるからな。というかイギリス人だから当たり前だろうが」
私は何の成果も得られませんでした。
困ってるやついないのかよ…。日常生活に悩みはつきものだろ? 悩んでこそ人間だ。お駄賃さえもらえれば人殺し以外ならなんでもやりまっせ。
「あー、おねーちゃん。あのおばーちゃんなんか困ってそうだよ」
と、くいくいと服を引っ張ってきたのはさっきの少女。指さした先にはおばあちゃんが思案している顔を浮かべていた。
私たちはおばあさんに近づく。
「ハロー。何かお困りごとですか?」
「ああ、ちょっとね…」
「お駄賃もらえるならなんでもやりますよ」
「本当かい? なら頼もうかな」
というのだった。
「実はうちの庭が雑草だらけでねぇ…。私も歳だし誰か代わりにやってくれないかと
思ってたんだよ…。頼めるかい?」
「お安い御用ですよ奥さん」
と、ミカボシがそういうのだった。
草むしりて…。そんな地味なのはやりたくない。てっきり孫が攫われたから倒してきてくださいかと思ったんだけど。
「お駄賃は少ないけどあげるからねぇ」
「感謝する」
私たちはそのおばあさんの家に向かった。
おばあさんの家があり、庭の方に行くと雑草が生い茂っている。何か月放置してたんだってくらいにそれはもう…。
これ全部素手で引き抜くの? めんどくせー…。
雑草を引き抜き始めて一時間。
一向に終わりそうにない。
「しゃあない。スキル使うか」
「あんた十分早いのにまだ使うの?」
「今は流星武闘スキルだけだからな」
戦闘時しか常時発動しないのに草むしりも戦闘に見なされているしな。
私は闇の二面性を発動する。私の体が黒く染まっていく。
「…うわぁ」
「うわぁってなんだよ。これにより素早さも最大限までさらにアップ! いくぜええええ!」
私はすごい勢いで草をむしっていく。流石に早い! 流星武闘と組み合わせるとすごい早い。これは時速いくらだろう。音速超えていそうだ。フハハハハ、速度は速い方がいいな。すごく効率が良くなる。
私は全速力で草むしりを終わらせたのだった。戦闘状態が解除されたのか、流星武闘の効果はなくなったので闇の二面性を解く。
「よし終わり!」
「あんた速度が人間やめてるわ…」
「ふっふっふ。壊れスキル闇の二面性と流星武闘の組み合わせだよ。強いでしょ?」
「あれだけ素早いと攻撃は当たらなさそー…」
うん。たぶん当たらない。
野球ボールなんて目じゃない速度を出せるからな。
「もう終わったのかい?」
「あ、はい」
「ならお駄賃」
と、一人3000ギン手渡されたのだった。
「サンクス」
報酬ゲット~。
英語で書くのとカタカナで書くのどちらがいいんだろう?




