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シン 長宗我部転生記   作者: 三p
天下人の章
134/199

66話

レジェンドアンドバタフライを見てるんですが堀久が割とガッツリ出てきて嬉しいですね

完全に自己満足で信長関連の小説書きたいかも

信親の目論見通り、三成は事前に情報を入手し屋敷を脱出し徳川家康の屋敷へ転がり込んだ。

そして緊急で宿老と奉行が大坂に集められた。


「武力行使など断じて有り得ぬ!七将は討伐すべきじゃ!」


そう激怒するのは石田三成と親しい宇喜多秀家。上杉景勝も頷いているが他の連中は目を細めている。


「しかし治部を処せねば徳川様の屋敷に雪崩込み力づくでも奪い取ると連中は申しております。そうなれば被害を被るのは徳川様ですぞ」


浅野長政がそう言うと秀家は長政をにらちつける。


「どの口が言うか!お前の息子もその一派ゆえに肩を持っておるのだろう!中立性にかける男などこの場に必要ないわ!」


「まあまあ落ち着かれよ宇喜多殿。確かに浅弾殿はこの場にいるには相応しくないと思うが?」


景勝がそう言うと長政から冷や汗が流れる。


「貴殿らとて治部とは入魂の関係ではないか。中立性が無いのは皆同じ。我らまでいがみおうては豊臣家を支えることは出来ませぬぞ」


「土佐殿とは思えぬお言葉ですな。加藤らの肩を持つおつもりか?」


「別にそうは申しておらぬ。加藤らも治部も暫しの間は蟄居させ国許にて大人しくさせておけばよかろう」


噛み付く秀家への信親の反論に奉行衆らも頷く。


「前田殿は如何かな?」


「はっ、私は土佐殿の案でよろしいかと」


家康にふられボーッとしていた利長が答える。


「では土佐殿の案でいこうと思うが備前殿と会津殿もそれでよろしいな?」


「……承知致した」

「くっ……!」


景勝も折れて秀家も不服そうながら頷き、三成は蟄居し奉行衆を解任、七将もしばらく蟄居という裁定となった。


「おい右衛門尉。備前殿は一体どうしたのだ?」


大手門のところで信親は増田長盛を呼び止めた。

普段は律儀で冷静な秀家があそこまで怒り狂うところはなかなか見かけたことがないからだ。


「ああ、備前様の家中が少し荒れているご様子で。前田家から奥方様付で来た家臣と譜代家臣のよくある対立です」


「ああ。うちは宇喜多の付家老が居らぬゆえにそんな事はならなかったが向こうは大変だな。必要なら助けてやると伝えておいてくれ」


「ははっ、承りました。しかし前田様には困ったものです。御自分から全く発言されませぬ」


「うーむ。大納言殿が過保護に育てた訳では無いだろうし本当に器量不足なのだろうな。いずれは他の者を宿老に置いた方が良いかもしれぬ」


さて、徳川家康は屋敷に戻ると本多正信と茶を飲んでいた。


「宇喜多の子倅。そろそろ大人しくさせるべきじゃな」


「仰せの通りに。宇喜多が動けぬ間に前田も始末致しましょう」


「うむ、浅野長政を呼べ」


家康の謀略は第2段階へと移行するのだった。

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