59 ガイツ
番欲しさにアホなことをやったと理解できたのは奴隷になってからだ。魔力もやる気もない俺は痛めつけられてボロボロだった。
なにか、安いとかお買い得とかの声が聞こえていたが、魔獣の撒き餌にでもするのかと思ったが、それでもいい・・・もしかしたら魔獣が番だったら、笑えるなとか思っているうちに意識がなくなった。
気が付いたら誰かに抱かれていた。まさか番!!いやだ男だ。それはいやだ・・・とあせっていたら意識がはっきりして来た。
そばにいる弱そうな男がいかにも俺を臭いとか言っている。洗って来いとか偉そうだった。
俺を抱いていた男が、洗うのを手伝ってくれたが、体の傷がない・・・
あの若い男のポーションだと知って驚いた。国に管理されていないのか? おまけに女だと??
ご主人様は身を守る為に奴隷を買ったそうだが、その奴隷、このレオンは奴隷の範囲を超えて主人を守っているようだ。守っているが、どこかに誘導しているような・・・確かにただの護衛だったらサミー様は不幸になっていたかも知れない。
レオンの守り方が多分正解だろうが、どうも、うさんくさい。犬コロもなんとなく違和感があるし・・・
だが、いろいろサミー様がおかしいのは異世界から来たからだとわかった。
番がいるのだ。それならおかしいのはその番だ・・・おかしい事だらけだ。
そして、そいつが偶然やって来た。それって偶然なのか?番の必然?
一度逃げ出して見たが、すんなりやって来た。サミー様も自然に受け入れている。
俺がサミー様に買われたのは番好きの俺にとっては必然なのかも・・・俺は番を求めていたのではなく・・・番を観察したかったのでは・・・
そして俺はある日、サミー様のオムレツに少しだけ媚薬を入れた。その日からサミー様はアーネストの部屋で暮らしている。
今、二人が思うままにこの国が動いている。これは二人が番だから出来た事だ。
俺は二人のそばを絶対に離れない。生涯、番を見守るのだ。
いつも読んでいただきありがとうございます!
誤字、脱字を教えていただくのもありがとうございます。
とても助かっております。
楽しんでいただけましたら、ブックマーク・★★★★★をよろしくお願いします。
それからもう一つ、ページの下部にあります、「ポイントを入れて作者を応援しよう」より、ポイントを入れていただけると嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。




