57 ジークフリード目線
ウィルヘルム様が行方不明になったと聞いてすぐに探しに行ったが、なんの痕跡も見つからず不覚にも取り囲まれて攻撃されて、気が付いたら奴隷になっていた。
愚かにも逃げようとして、深く傷ついてもう駄目だと諦めかけた時、ウィルヘルム様の気配を感じた。
気が付くと傷が癒えて、そばにウィルヘルム様がいた。
ご主人のサミー様は破格の能力を持っているが、異世界から来た人らしくとても変わっている。
武器に使えと出された槍は・・・もう失われたあの槍か?
それをポンと出してくれた。
そしてサミー様の計略で、ウィルヘルム様を大公家に戻す事も出来た。
そして、ウィルヘルム様に、直接危害を加えたやつらに会いに城の地下に行けた時は、怒りと喜びが満ちた体がはち切れそうだった。
半分死んだやつらをポーションで、生き返らせながら恨みを思い知らせるのは、気分が良かった。
それに、ウィルヘルム様も怖がらずに、やつらを引き裂いたりなさった。
優しいだけでは、王は務まらない。苦労なさった甲斐があると目頭が熱くなった。
この国は今、生まれ変わろうとしている。その時に立ち会えて王を補佐できるのはわたしに与えられた大きな名誉だ。
さて、もうすぐウィルヘルム様がこの訓練場にやって来る。お相手をする度に上達しているのを感じる。
わたしは、準備を整え、覚悟も新たに、ここに立って待つ。
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