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番って便利な言葉ね  作者: 朝山 みどり


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42 王都へ

 三人、いや四人と話し合った。レオナルドとジークフリードは、王の座はともかくウィルヘルムの教育について悩んでいたらしい。


 確かに、アーネストのあの挨拶に答える事が出来ないのは、問題だと思う。日本でだって、小学生が学校に行かない事は問題だとされてるし。


 ウィルヘルムの将来とか教育について、わたしは口はださない。奴隷だしわたしの物だけど・・・この国の、貴族の事情を知らないし。


 これと比べたらガイツの魔法陣なんて大した事なかった。結局自分たちで取ってるし。ほんとに大げさなんだから。



 ある程度話し合った所で、アーネストも呼んで更に話し合った。



 取り敢えず、王都に戻る事にした。ジークフリードとレオナルドはわたしが解放するのではなく、一度アーネストに買い取って貰い、それから様子を見ながら解放する事になった。ガイツは引き続きわたしの護衛だ。


 わたしの安全を考えるとそのやり方がいいと言われた。よく分からないが。


 そこで、この町の奴隷商に行ってわたしからアーネストへ所有権を移した。これで、レオナルドとジークフリードはわたしの元から離れた。一緒にいるけど・・・



 そして、大きな町に戻って来た。ここはたまにガイツがポーションなどを下ろしていたが、今回はシャンプーとトリートメント。ソープも多めに納品してガイツは大歓迎されたようだ。


 そして、ここの奴隷商でアーネストは二人を奴隷から解放した。



 王都に戻ったわたしたちの住む所はアーネストおすすめのホテルで、ガイツとわたしが一緒。


 ウィルヘルムたちとは最初は他人の振りだったが、滞在中に知り合ったと言った形で、親しくしている。


 ウィルヘルムはアーネストが手配した家庭教師について勉強している。ホテルで一緒に夕食を取る時、わたしをエスコートするようになった。わたしも上手にエスコートされるように、アーネストに教えて貰った。


 でも今、アーネストは忙しい。大公家だけでなく王室も問題が起きているらしい。


 順番として大公家の問題から片付けるようだが、お家騒動の一件落着はどうするのかな?


 そんなある日、三人が出かけて行った。いかにも貴族と言った服装で、ウィルヘルムが二人を従えて行った。


 心配して待っていたら、アーネストからの使いが伝言を届けて来た。


『しばらく帰れないが、うまく行ってるので心配せずに待ってて』とちょっと可愛い文言だった。


 それからは二・三日置きに、ちょっとしたお菓子とかお花と一緒に手紙が届いた。


 単なる近況報告だったが、届いた時は、にこにこしてしまった。



 それとは別にわたしは、せっかくの王都を楽しんでいる。本当に高級なお店は入口も目立たずショーウインドウもないし、表通りにもない事がわかった。


 だからなに?ってことだけど。


 わたしは表通りの普通に高級なお店のショーウインドウを見ながらゆっくり歩いて楽しんだ。

いつも読んでいただきありがとうございます!


誤字、脱字を教えていただくのもありがとうございます。

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