39 レオン目線
あの野郎は憎らしいほどサミー様の心を掴んで行く。ことさら俺たちを奴隷、奴隷と呼び、いかにも立場を尊重してますと言った風をするとサミー様はころりとなる。そりゃ、サミー様は俺たちを褒められると嬉しいから・・・だけどなぁ・・・
ダンジョンでも俺たちが戦う所をサミー様に解説して褒めている。サミー様が嬉しそうな顔をするのはいいが・・・知ってるぞと仄めかしやがって・・・絡め取られていく。いやな感じだ。
そして、今日は自分が番だと話した。サミー様に詫びているが、サミー様が拒否しても言葉巧みに丸め込むだろう。
夜、二人に今日の事を話した。
「おぉ思ったより行動が早いな。気に食わないやつだが、サミー様を大事にするのは確かだよな」とガイツが言えば
「そうだな」ジークが答えた。
「サミー様のことはサミー様のお心次第でいいだろう。ただ、あいつ妙に俺たちを観察してたよな」とガイツが言えば
「気づいていたか。あいつはブルーリードだろ。油断ならない。俺たちの素性の検討がついてるようで」とジークが言えば、
「なんだ。やはりお前たちとチャーリーはなんかあるのか?」ガイツが身を乗り出すと
「あぁ」とジークが答えた。
「場合によってはサミー様をあいつに渡して、俺たちが離れた方が安全だったりする」とレオンが言えば
「そりゃ深刻だな。話す気になったら教えてくれ。武力では役に立つぞ」とガイツがジークの背中を叩いた。
「なぁレオン、あいつ何故、ここに来れたんだ?」とガイツが言うと
「あいつの推理が的確だったのだと思う」とジークが答えた。
「確かにな」とレオンが言うと
「あぁサミー様が興味を持ちそうな場所。異世界は平和だと聞く。だったらダンジョンは珍しい場所だ。怖い場所でもあるが、俺たちがいれば、平気だ。自分で言うのもなんだが、サミー様を安全にダンジョンに連れていけるのは俺たちぐらいだ。もしかして、ポーションのことも気づいているかも知れない」とジークが答えた。
「君たち、なにもの?」とガイツが呆れたように言うと
「そのうち教えるよ。君はいざとなったら火の海にすればいいから」とジークが笑いながら返した。
「あぁ番だからわかったってことだったら、いいのに」とガイツがため息混じりに呟いた。
「「番ってなんだろうな?」」と俺とジークはなぜか声が揃った。




