37 みんなでダンジョン
「明日、ご一緒していいですか?」と聞かれたけど、三人が今日のダンジョンの影響が心配だと言い出し、アーネストも納得したので、明後日一緒にダンジョンに行く事にした。
約束した!やった!!
「それではわたしは明日、少し先を調べておきましょう。少し気に」とアーネストが話し始めたが、
「サミー様、今日は早めに休まれた方が・・・」とジークが言い出してお開きになった。
部屋に戻るとチャーリーはすぐに寝てしまった。実は少し眠かったわたしもすぐにベッドに入った。
そして、近くで見るとますます素敵だったアーネストのしぐさや表情、声を思い出したが、彼は番がいると言ってた。
番ってなんだろう。あの日神殿に来た番はそれぞれの相手の所にまっしぐらだった。誰が番かな?って迷うそぶりは全然なかった。
あの状態ってしばらくすると落ち着くの? 携帯のない世界。連絡って手紙だけだよね・・・あぁこんな単純な事を知らないって今、わかった。明日みんなに聞いてみよう。
わたしが番に会ったら・・・好きと思うの? アーネストは? まだよく知らない人だけど・・・好き?
朝、チャーリーとほとんど同じに目が覚めた。尻尾をふってわたしをみるチャーリーの姿がふいにぼやけたと思ったら、人間になった。
「おはよう、チャーリー」
「おはようございます。サミー様」
「その姿も可愛い」と言うとお耳がピコピコ動いた。
今日は昨日、拾った薬草でポーションを作るつもりだが、三人がちゃんと体を休めているか気にするので午後少しだけにする。
午前中は本を読みながらお茶を飲んでごろごろして過ごした。
ダンジョンの薬草でポーションを作ったが、魔力はあまり注がないようにしておいた。
これは、三人のうち誰かが町のギルドに売りに行く事になった。
さて、アーネストと一緒にダンジョンに向かう。わたしはアーネストと並んで歩いた。
六階からすぐに七階へ降りた。七階は草原で、羊とか山羊に似たゴートンと言う魔獣が多い。
「わたしが指揮をとります。それぞれ戦う所を見せてもらっても?」とアーネストは言い出すと
「サミー、どうでしょう?」とわたしを見おろした。わたしは見上げて
「はい、お願いします」と答えた。
「では、ジーク」とアーネストが言った。
ゴートンは単独で行動している魔獣だ。だから倒しやすい?一人で平気?
「待って。一人でいいの?三人で行かないの?」と言うと三人は
「「「大丈夫です。ひとりで対処できます」」」と笑って答えた。やっぱ、優秀なんだ。そして一人で下見したアーネストも・・・ふふふ・・・好きが増えた。
三人とも危なげなくゴートンを倒した。特にガイツ。剣で戦っていた。
「三人とも思った通りやりますね。サミーの護衛として申し分ない。どうでしょう、十階に挑戦しませんか?連携が必要になりますが・・・」
「サミー様、反対です。サミー様の安全が心配です。無理はやめましょう」とレオンが言うと
「確かに・・・」とガイツが答えた。
「十階って頭が二つある、バイコーンスネークですね。確かにわたしがいたら戦いにくいでしょうね。アーネスト。うちの三人いれば安心だとわかってるけど、やめておきます。わたしを守ろうとして事故が起きたら怖いので」
そしてにっこり笑って
「でも、誘ってくれてありがとう」と付け加えた。
「そうですね。三人の戦力だと絶対大丈夫だと思いましたが、そうですね。あなたを危険にさらしたくない。やめておきましょう」
そしてわたしたちは六階に上がると笑顔のひまわりと戦った。
わたしが、できるだけ遠くの、ひまわりにちょんと火をつけると、こちらに向かって来る。それをアーネストが始末するといったやりかたで。とても楽しいし、段々火をつける間隔を短くして行ってもアーネストは平気だった。
三人はと言えば、ガイツがそばで控えて、他の二人は思い思いに倒しに行っていた。
程よい所で、魔石と薬草を拾い集めるとわたしたちは、上に戻った。
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