24 犬好き同士
あたらしい奴隷はレオンが担いで、全員で馬車に乗った。ポーションを出して口に突っ込むとなんとか飲み込んでいるようだ。喉が動いている。
「おーー」とうめいて男が目を開けた。すぐにチャーリーを見つけて手を伸ばした。レオンが
「落ち着け、静かにしろ。安心して良い。全部飲め」とポーションの瓶をまた、口に突っ込んだ。
男はゆっくりとポーションを飲み終わった。耳が生えた!!!
チャーリーを見てレオンを見てはっと自分の手を見た。そこをレオンが口を塞いだ。魔力を思い切り注いだポーションを作っておいてよかった。アイテムボックスも試したいけど・・・
「静かにしろ」
「う・・・う」とうなづいた。
「いい主人に買われた」とレオンが言うとわたしを見た。驚いているようだ。
ガイツが馭者台に行って馬車が動き出した。
「今、家に向かっている。こちらがサミー様」とレオンがわたしを紹介した。
新入り奴隷はわたしのまえに片膝をついて
「サミー様、買って下さいましてありがとうございます。命をかけてお仕え致します」と言った。
「はい、お礼はレオンにも言ってね。なんだか犬好き同士わかりあったみたいで」と答えると
「は?は!はい」と奴隷は戸惑っていた。
「それであなたの名前だけど、ジークと呼ぶわ。家に着くまで好きにしててと言っても馬車だけど」
そういうとわたしはどこか、体を洗う場所はと考えて、湖に寄り道するように馭者のガイツに言った。すると
「はい、もう向かってます」と返って来た。
安い奴隷の扱いをわかっているではないか。
ガイツが馬車を止めたので、わたしたちは降りてちょっと奥へ歩いた。
わたしが水の塊をふたつ出すと、要領がわかっているレオンが
「サミー様はガイツと一緒に馬車に戻って下さい。チャーリーはこっちね」と仕切った。わたしは、言われた通り、ガイツと一緒に馬車に戻った。
しばらくするとジークたちが戻って来た。ジークはレオンの服を着ていた。
「よし、家に戻ろう」とガイツは言うと馭者台に乗った。
ジークがあまり臭くなくなったので、わたしは安心して馬車で家に向かった。
「留守にすると行って出たのにちょっと恥ずかしいね」と言うとレオンが
「申し訳ありません」と土下座をして、あわててジークも。っと言うのを止めて
「いいのよ、レオンと同じ犬好きなのね」とチャーリーを撫でて
「良かったね、可愛がって貰えるよ」と言った。
「ヴァオ。オ。ヴァ」とチャーリーも返事をした。
「お腹が空いているでしょ。今まであまり食べてないみたいだから、少しだけ食べてね」とガイツが作ったお弁当を出した。
「着きましたよ」の声で目が覚めた。もう家に戻ってきた。
今日は先にお風呂に入る。そして先に寝る。帰って来たことがばれないうちに、また別の場所に行ってもいいかなと計画を立てているうちに寝てしまった。
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