19 魔法陣をなんとかしよう
ガイツの腹の魔法陣を消す方法をいろいろ考えている。強力な石鹸を固い布につけてごしごし擦るって言うのを思いついたけど、強力な石鹸ってどうやってつくるのか?漂白剤とか?
いや、皮を剥ぐとか!ちょっとハードなエステとかって感じで。
そうだ。皮を剥ぐのは?痛みを消すポーション?我慢できるかな?奴隷だから我慢させればいいよね・・・・
ちょっと端っこでいろいろ試してみたらどうかな?
もっと穏当な方法として、白紙の魔法陣を上書きとか?
ガイツの魔法陣を紙に写して意味を教えて貰っているが、謎が多くてよくわからないそうだ。
だよね。わかれば解読して無効にしちゃうよね。
これのせいでガイツが魔法を使えないのは確かだとか。戦う魔法士なんだね。
魔法陣をなにかに書くのは付与と言う能力だと言うので、図書館で調べて見たが詳しい事は載っていなかった。
「サミー様、詳しい事が載っていたら真似されてしまいます。本に載っていなくて当たり前です」とガイツが言う。
なら、スマホで調べようか?・・・当然圏外。
だけど、魔法も特許だとか知的財産だと考えれば当たり前だね。それでかな。異世界人の能力について詳しく載っていなかったのは。なんとなく納得して来た。
だけど、神殿の講義を聞いていたら、もっと知識が増えていたかもと思うと怒りがまた吹き上がって来た。
ガイツを痛い目に合わせて、能力を取り戻したら、あそこに乗り込んであばれてやる!!
わたしはさっそくガイツを呼んで、テーブルに寝かせてナイフで魔法陣に傷を入れて見た。
「いーーー」と煩いガイツを黙らせて
「どう、魔力湧いてきた?」と聞くと
「全然・・・・あーーー」とか煩い。
「ねぇ、皮を剥いだらどうかな?」と聞くと
「ぎゃーー」と騒ぐ。
「ガイツ奴隷って主人に逆らうととっても苦痛なんでしょ?皮を剥ぐのを逆らうのはどっちが痛いと思う?」
「サミー様。確かにわたしもガイツも奴隷です。なにをされても、殺されても、仕方ありません。
でも、ご主人様、慈悲を求める事をお許し下さい」
といつの間にかやって来たレオンまでがひざまづいて頼んで来た。
「もう、わたしはガイツを苦しめようとやってるんじゃないのよ、ガイツの為を思って」と言いながらポーションを
ガイツに渡した。
「ガイツの魔力を戻したいのよ。ガイツ。魔力を取り戻して魔法士として働きたいでしょ?」と言うと
テーブルから転がり落ちるとひざまづいて、
「サミー様のお心はありがたいですが・・・・魔法士に戻りたいですが・・・・わたしは自分で魔法陣を消そうとナイフで皮を剥いだ事があります。痛みにも耐えましたが・・・ダメでした。魔法陣は強力です」と声を震わせる。
既にお試しなのか。そうか・・・よく考えよう。
「どんなやりかたも痛いだろうけど、痛みを止めればいいのね・・・・この世界に痛みを止めるポーションってある?」
「痛みを止める?」
「うん、さっきナイフでお腹に傷をつけたでしょ?その痛みだけを取るの。傷はそのままで」
「傷は残って、痛みがなくなる?」とレオンが呟き、二人は顔を見合わせた。
誤字、脱字を教えていただきありがとうございます。
とても助かっております。
いつも読んでいただきありがとうございます!
楽しんでいただけましたら、ブックマーク・★★★★★をよろしくお願いします。
それからもう一つ、ページの下部にあります、「ポイントを入れて作者を応援しよう」より、ポイントを入れていただけると嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。




