14 次の町へ
「おはよう、レオン。チャーリー」とベッドからもう起きていた一人と一匹に声をかけると
「おはようございます。サミー様」「ワオ」と返って来た。
「ちょっと待ってて」と浴室で身支度を済ませると裸足のレオンに気づいた。
「ごめん、ちょっと試してた」とアイテムボックスから靴を出して、レオンに渡した。靴は見事に新品になっていた。
「サミー様・・・・・」
「内緒だよ」と言うと黙ってうなづいた。
チャーリーのお皿を二枚持って食堂に行って、わたしはオムレツ。レオンはオムレツと昨日の煮込みを食べた。チャーリーはどちらも少しずつ食べて「ヴァオン」と鳴いた。
それから、ローブに剣を三本隠して宿を出た。宿で教えて貰った武器屋で剣を二本売り一本に鞘と剣を吊るベルトを買った。
それから町の外へ薬草を取りに行った。
わたしが薬草を採る間、レオンはチャーリーを入れたリュックを背負い、そばで監視していた。時折、兎が出るが、鞘のままレオンが殴っていた。
夕方、わたしたちは兎を持ってギルドに行った。
頭を殴っただけの兎は高く売れた。兎の毛皮は喜ばれるし、肉も美味しいそうだ。
その後、レオンのポーチとリュックを買った。レオンの意見に従って野営用の毛布と食器を買った。
レオンの知っているアイテムボックス持ちはこの程度の荷物を、入れて身軽に旅していたそうだ。
宿に戻ると食事をすませて、早めに寝た。
翌日、乗合馬車に乗りこの町を出た。
道中、遠くに魔物が見える事はあったが、馬車を見て逃げていった。
夕方、到着した小さな村の宿は一杯だったので、村の広場で野営をした。野営をしていると村長がやって来て、ポーションがあったら売って欲しいと言っていた。
村の薬屋さんが、引退してしまい、このあたりの村人は薬を買えなくなったらしい。
よく話を聞くと薬屋の建物は残っていて、そこに住んで薬屋をやってくれる人を探しているらしい。
手伝ってもいいけど、様子がわからないからなにも言わなかった。
夕食は、野菜と肉を煮込んだスープとパンと言う簡単な物だ。わたしが調理できる事をレオンが驚いていたが、わたしは自立して自律した出来る女だったのだ。健康に注意した食生活。実践していたのだよ。いつもこういうスープしか作ってなかったけど。
周りの冒険者もそれぞれ食事をしている。
広場はいい匂いに満ちている。マットと毛布を出して焚き火の周りで横になる。
チャーリーの背を撫でていたらいつのまにか朝になっていた。
一瞬どこかわからなかったが、はっと目が覚めた。レオンがお湯を沸かしていた。
「おはようございます。サミー様」「ワン」
「おはよう、レオン」
朝食をすませて、村をざっと見て薬屋の建物を見た。外から見た感じは悪くない。馬車をひとつ遅らせて薬を作るのもいいかと村長を訪ねた。
わたしの話を聞いて村長は喜び、建物を開けた。中はきれいに掃除されていた。
わたしは錬金釜を出して薬を作った。
手持ちの薬草で、下級、中級の怪我のポーション。風邪に効くポーション。腰や膝に効くポーションを作った。
夕方には森に薬草を取りに行った村人が戻って来た。
知らない薬草があるので、確認すると昔からこの当たりでよく飲む薬らしく、万能薬との事。なんでも効く。おとなも子供も飲んでいいと言うことで・・・・・魔力を少なく作ればいいだろう・・・・
瓶があるだけ作った。
二日この村に滞在して、薬を作った。この村の万能薬を作る許可も貰った。
「助かった、ありがとう。また来てくれ」の言葉におくられてこの村を離れた。
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