11 奴隷って維持費がいる!
なんとか臭くなくなった奴隷をつれて古着屋にやって来た。奴隷の服がまだ濡れているので、外で待たせて店主にあれが着る服をと頼んでみつくろって貰った。下着とシャツとズボンとフードつきのコート。
宿に戻ったが、服の汚れが、血の染みとかが目立つので、コートを着せてなかに入った。
「奴隷を買ってきたけど、部屋はどうなりますか?」
「床に寝るなら同じ部屋でいいです。少し追加料金がかかります。毛布の分ですね」
「わかりました。同じ部屋で・・・・食堂は何時からですか?」
「もう、開いてますよ」
「ありがとう」
部屋に戻ってお風呂にお湯を入れながら、リュックから犬を出そうとして、ぎょっとした。
アイテムボックスに入れていた!!確か生き物は入んないのよね。小説には・・・・わたし殺した??
奴隷に殺される!!!
とこわごわ犬をつかみだすと、
「ワオ、ワオン、クーーン」と鳴いた。良かった生きてた。そして足がついてた。
それを見た奴隷は大声を出そうとして自分で口を押さえ、
「ご主人様・・・・ありがとうございます」と搾り出すように言うと、
わたしの頬を舐めている犬をやさしく撫でた。
犬を奴隷の腕に移すと、奴隷は犬に頬ずりした。その目から流れ落ちる涙を犬が舐めていた。
わたしは、その光景に感動する所ではなく、なんで足がはえたの?ポーションのせい?アイテムボックスのせい?
ここまでの能力ってやばいよね。この奴隷ほんとに強いの?そういえば奴隷って名前は?とか混乱しまくっていた。
しばらくして奴隷の方が冷静になった。
わたしのまえに片膝をついてこう言った。
「わたくしはご主人様に忠誠を誓います。わたくしの命はご主人様のものです。いかようにもお使い下さい。また奴隷としても裏切ることなくお使え致します」
犬も奴隷の横でお座りして、頭を下げている。賢い犬だ。
「わかりました。まぁわたしの事はすべて秘密厳守で、奴隷だから当たり前かな。それと知らない事が多いから教えて欲しいの」
「承知いたしました。奴隷は主人の事は何一つ話せませんが、いかなる身の上になってもなにも漏らしません」
「あなたの名前は?」と聞くと
「奴隷に落ちた時に名前は捨てました。ご主人様のお好きなようにお呼び下さい」
「そうなのか。奴隷というのもなんだし・・・・ドレイ・・・レイ・・・・レオ、レオ、尻切れトンボかな・・・・えーーと、レオン。レオンがいいか。これからはレオンを呼びます。そっちの犬の名前は?」
「これもご主人様がお好きに」
「そうねぇチャーリー」茶色の犬だから、簡単に名付けた。
「それとわたしの事はサミーと呼んで」
「はい、サミー様」
「それではレオン、お風呂できれいになって来て、チャーリーも入る?」と聞くと
「ワン」と答えた。偶然ってすごいね。
「ご主人、いえサミー様より先になど」
「かまわない。先に入ってきれいになって」
遠慮するレオンをお風呂に入れると、窓から外を見た。夕暮れになって人手はむしろ増えたようだ。
この町はいい所だとおもった。
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