第20話
改めて好奇心を心の奥底に閉まった時から、また5日の時が経った。
洞窟に居た時はどれだけの時間が経ったのか、とはか完全に感覚だったけど、今は外に出られていて太陽もあるから、どれだけの月日が経ったのかが分かりやすくていい。
「キューっ!」
そして、俺は相変わらず子狐と一緒に行動を共にしていた。
スキルが奪えるようになるまでは一緒にいたいし、単純に戦力としても子狐は悪くないから、俺としては都合がいいし問題は全くないんだけど、強いて言うのなら俺と違って子狐は食事と睡眠を取る必要があるっていうのが少しだけ厄介……というか、面倒だ。
子狐のスキルを奪いたい俺からしたら子狐から離れる訳にもいかないしさ。
……まぁ、それは10日前からだし、もういいんだけどさ。
どれだけ気にしたってスキルを奪えるようになるわけじゃないし、俺は待つしかないんだよ。
一応、その間に俺と子狐を襲いに来る魔物を倒して、そいつらからはスキルを奪えてるし、強くはなってきてるんだが、その度に子狐は俺が子狐を守っていると勘違いしてるみたいで、更に懐いてきてるのはかなり解せないけど。
口がなくて喋れないから訂正もできないし。……何度も言うけど、子狐が俺から離れようとしないのは俺としても都合がいいし、別にいいんだけど、いざスキルを奪えるってなって、スキルを奪った時、なんか、俺が裏切ったみたいになるじゃん。
……まぁ、それでも、奪うんだけどさ。人化スキルは絶対欲しいし。
「キューっ!」
あぁ、食べ終わったのか。
そんなことを思っているうちに、さっき子狐が自分で倒して確保していた角の生えた鹿の肉を食べ終わったみたいで、子狐は俺に元気よくそうやって報告をしてきた。
「「グルルルゥゥゥ」」
もしも俺に口があったらため息を付いているだろうな、と思いながら、子狐を連れてまた進み出そうとしたところで、この10日間の間にちょくちょく襲ってきていた狼の上位種? みたいな感じの狼が二匹現れた。
上位種だと思った理由は単純に大きさが一回りくらい違ったし、シンプルに角が二本生えていたからだ。
「キュッ!」
……多分、一匹は任せろ! って言ってるんだろうな。
何となく、狼だし、耳が良さそうだから超音波で終わる気がするけど、口が無くて子狐に指示をすることも出来ないし、好きにしてくれ。
(超音波!)
【レベルが上がりました】
あぁ、まぁ、予想通りだな。
【規定のレベルに達しました。進化を開始します】
そう思った瞬間、いつもとは違う声が頭の中に聞こえてきたかと思うと、俺が何かを理解する前に体の力が全て抜け、その場に倒れ込む……溶け込むようにして、俺は意識を失った。




