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217話 例の場所





 俺たちはリザードマン達に案内されダラエ湖北側にあるベラトーラ首長国王都

に向かった。


 大きな岩山に横に6つの洞窟がある。


 ここがベラトーラ首長国の王都”バヤル”。


 この6つの洞窟のうち1つが王都に繋がってるそうで、日替わりで変わるそう

だ。


 その仕組みは、リーザードマン達の人為的に作り出したものではなく、この岩

山自身が変えているとのこと。


 ただ、その周期を彼らは長年の生活の中で習得したらしい。


「ではこちらへ」


リザードマンのリーダーが、6つの洞窟のうち右から2番目の洞窟を示し言う。


 因みに、リザードマンのリーダーの名は”ダエン”さんだそうで、ここベラト

ーラ首長国の総戦士長を務めているそうだ。


所々魔光のランプで照らされているとは言え、薄暗い洞窟。


 しかも、洞窟内は幾重にも分岐する地下道を迷うことなく進むダエンさん率い

るリザードマン達。


(よく迷わず進めるよな……)


 後で聞いたら、リザードマン達には種族の固有特技 赤外線感知(インフラレッド・センシング)

を持っているそうだ。


(アイーシャさんの暗視とどう違うんだろう)


そう思いながら進むこと10分。


大きな岩の扉の前でダエンさん達は止まった。


「こちらへ」


そう言うと、入り口に立つ護衛2人に目で合図する。

それを見た2人の護衛は、おもむろにその大きな重い扉を開けた。


”ズズズズズー”


 部屋の中も薄暗くてよくわからないが、たぶん学校の教室を一回り大きくした感

じの部屋。


 その部屋の中央には丸い大きなテーブルが置いてあり、そこに6人の偉いさんら

しき人物が座っている。

 そして、その周りに数人のリザードマン達の従者らしき者達が立っていた。


 俺達……と言うより、俺の肩に座っているソアラねぇーちゃんを見て、席に座る

リザードマンの偉いさん達が立ち上がり一礼すると、同時にその偉いさんの周りに

いたリザードマン達は片膝をついて頭を垂れる。


「お久しゅうございますソアラ様」


「うん、ひっさしぶり~ハーンちゃん」


6人のリザードマンの偉いさんらしき真ん中のリーザードマンの挨拶に、気軽に声

を掛けるソアラねぇーちゃん。


「えっ、ハーン様……って」


ソアラねぇーちゃんの発言に驚くシュイ……そしてニールさん。


「ベラトーラ首長国の王……ハーン様」


驚きながらもそう呟くニールさん。


「あっ、えっ、王様なのこの人!?」


王と聞いて驚き声を上げるミオン。


「そだよ、この子はここの王様だよミオン」


とあっけらからんと答えるソアラねぇーちゃん。


「はい、わたくしがここの王を務めておりますハーンでございます」


と右手を胸に当てお辞儀をするハーン王。


 そして、顔を上げ続けて言う。


「まぁ、それはさて置き、お座りくださいませ」


「うんそーだね……って、私が座るにはここの椅子は大きすぎるから……セイア

あんたこのままここに座りなさい」


「えっ!?あっ、うん」


ソアラねぇーちゃんに言われるまま王の真向いの席に座る。


 そして、俺の左隣にはミオンその隣にニールさん。


 俺の右隣はシュイ、その隣はゲキ、シノブが座った。


 他のメンバーは俺の後ろに立った。


 俺達が席に着くのを待って、立ったままハーン王が口を開く。


「わたくしの左隣に座るのは、ホヨロン、右隣に座るのが、グワンでごさいます」


と言うと2人が頭を下げる。


「次にホヨロンの隣がドロヲン、グワンの隣がタワン、ドロヲンの隣がズラガーン

ございます」


紹介された残りのリザードマン達も頭を下げる。


「この者たちはリザードマンの部族長でございます」


 全員挨拶が終わったところで、ハーン王が目くばせし、全員席に着いた。


 それを見たシュイがおもむろに席を立ち、両手でスカートの裾をつまみ、軽くス

カートを持ち上げるしぐさをして、腰を曲げて頭を深々と下げ、膝もより深く曲げ

る。


(今は戦闘服のカカドレス(チャイナドレス)なので、そうなるわな)


「今は非常時故、このような格好で失礼いたします。わたくしは、勇者様の第1夫

人候補にして、カカ帝国 第2姫カカ・シュイでございます」


(おいおい、どさくさ紛れに何言ってんのシュイ)

 

 それを聞いたハーン王はじめ各部族長達は驚き、起立して頭を下げる。


「いえいえ、顔をお上げくださいまし、岩塩でお世話になっておりますのはこち

らですから」


とにっこり笑うと、


「何を申されます、こちらこそ交易していただいて感謝しております」


と再びハーン王が頭を下げたところで、


「ストーップ!ストーップ!」


ソアラねぇーちゃんが、俺の肩からテーブルに飛び降りて、両手を大きく広げなが

ら大声で止める。


「あーんも、そんなかったるい話は後、あと」


右手を額につけながら


「……っ私が紹介するから」


「まずはこの子は……」


と俺の方を指差し、


「今回の勇者で……私の弟セイア」


その言葉を聞いてハーン王はじめ部屋にいたリザードマン達が目を見開き固まる。


「なっ、何と!」


思わずハーン王が口走ると……。


「?んっ、弟のセイアだよ」


とリザードマン達の反応をみて不思議そうに言うソアラねぇーちゃんに


「今回の勇者が……ソアラ様の弟君!!」


そうハーン王が言うや否やハーン王はじめ各部族長達は突然席を立ち深々と俺に頭を下げた。


「あっあ……そんなのいいから」


それを見たソアラねぇーちゃんが、右手を振り”ちゃっちゃと座れ”的なし

ぐさを見せた。


 ソアラねぇーちゃんのしぐさに、ハーン王はじめ各部族長達は無言で席に着くと。


 それを待ってソアラねぇーちゃんは紹介を続ける。


「シュイは自己紹介したから飛ばすとして……」


「こっちが、イーシャイナ王国魔法省顧問ニール」


ソアラねぇーちゃんに紹介されニールさんが席を立ち頭を下げ、


「ニール・ラーキンです」


と言ったとたんハーン王の左隣の部族長ホヨロンが言う。


「ラーキン……!?ひょっとしてアルブ王国魔法大臣兼宰相ティム・ラーキン様の

ご子息か!」


そう聞かれ、ニールさんがきょとんとして


「父をご存じで?」


「はい、以前 お父上には魔法の手ほどきをしていただきました。」


「それは父が冒険者の頃でしょうか?」


「はい、あれは……」


「ちょー、待った、今はそこまでにしてくれる」


と部族長ホヨロンを少し睨みつけ言うソアラねぇーちゃん。


 ねぇーちゃんに睨まれたホヨロンさんは、乗り出した体を引き静かに席に座った。


「んで……、この子とこの子がセイアの幼馴染のミオンとゲキ」


「それにこっちが、セイアの高校の友達シノブ」


ホヨロンさんが席に着いたのと同時に、少しぞんざいに紹介する。


 ねぇーちゃんの紹介に各人頭を下げる。


「高校?……」


とハーン王の右隣りのグワンさんが聞き返す。


「あっ……んっ高校……魔法学校みたいなもんよ」


右手で頭に手をやりながらもグワンさんにそう答える。


「ああ、シノブ様はラーキン様と同じ魔導士ですか」


と一人納得のグワンさんを放置して、後ろのメンバーを紹介する。


「この人が、時田さんでシノブの執事、で、この3人がクレア、エドナ、ア

イーシャで、イーシャイナ王国の騎士さんだったよねぇ」


の問いにクレアさん達が黙って頷く。


「で、最後この子がローゼ」


と紹介しローゼが頭を下げると……。


「ひょっとして……お父上の名前はエルヴィン・ゾメル!?」


驚き言うホヨロンさんの隣のドロヲンさん。


その言葉に驚きながらも、


「あっ、はい……でも何故それを?」


と聞きかけたところで、ソアラねぇーちゃんが頭の上で両手を振りながら、


「あ――んっもう!話が前に進まないじゃない!」


癇癪かんしゃくを起こし、


「そういう話は、この後夕食会の時に、各自個人的にしてよねぇ!」


の言葉に全員一斉に口を閉じた。


 しかし、この”夕食会”の言葉に、何故だかシュイの顔が青ざめる。


(どうしたんだシュイ?)





◇◇◇◇◇





 今回の依頼について、ソアラねぇーちゃんの説明を受け、、


「なるほど……ソアラ様の弟君で、今回の勇者様の大事なパートナーで、しかもそ

れがイーシャイナ王国の第4皇女のソフィー姫とは……」


と大きく頷きながら言うハーン王。


「助けていただいたソアラ様の弟君の頼みとあらば、すぐさま戦力を整えさせます

るが、なんせ急なもので今すぐだと1,000名程度の兵士なら……」


と言いかけたハーン王の言葉を遮り、ソアラねぇーちゃんが言う。


「あっ別に一緒に戦ってほしいわけじゃないから、そんなにいらない」


「えっ、……」


ソアラねぇーちゃんの言葉に絶句するハーン王に


「案内だけでいいから数名でいいの!?」


と言うソアラねぇーちゃんに


「と言いますと……」


とハーン王が聞き返すと


「あなたたちを巻き込むと、また私の仕事が増えるじゃん」


「……」


ソアラねぇーちゃんの言葉に黙ってしまうハーン王。


「ほら、例の場所あるでしょ例の場所」


その言葉にハーン王は理解できずにソアラねぇーちゃんの言う”例の場所”を一生

懸命考える。


「ほぉ~ら、私がやっちゃったあの場所よ」


とハーン王の顔の近くまで飛んでいき王の額を右手で”ペチペチ”叩くソアラねぇ

ーちゃん。


(ねぇーちゃん……仮にも王様の額をそう”ペチペチ”と叩かない方が……)


と俺が心で思っていると、ハーン王は急に何かを思い出したように


「……っあっ!あの場所ですか」


と手をたたき言う。


(思い出したみたいだね……王様……っていったい何処なんだ”例の場所”って……

それにいくら聖霊とは言え、一国の王をそれも人前でこんな扱いできるねぇー

ちゃん……あんた何者!?)







これから週一のペースで上げれると思います(笑)

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