188話 前方後円墳攻防その2
一旦、ミオン達がいる前方後円墳右横の提に俺以外の全員が集合し、少し円墳
側に移動して、
「アイーシャさん準備してw」
「はいですにゃ」
ミオンに声を掛けれれ、アイーシャさんがそう返事をしながらブレイブロボ・G
の右手に乗る。
「ロボ・セイアの所までぶん投げなさい!」
『マッシ!』
ロボはそう返事をすると、自分の掌に乗っているアイーシャさんを俺がいる方にぶ
ん投げた。
”ピユーン”
”クルクル”
”ストン”
ロボに空高く投げられたアイーシャさんは空中で一回転し、そのまま俺の近く
に着地した。
(いつ見ても、人間離れした運動神経だな……アイーシャさんって)
そして、皆の方に振り返り手を振ってから、
「お先に入りますにゃんw」
と俺に断りを入れてから、円墳上部のハッチ状の入り口へと中に入った。
俺もアイーシャさんに続いて中に入る。
円墳のドーム状の中は……。
ちょっとした、ホテルのエントランス部分と言う感じだろうか……。
中は薄暗いが、上部の入り口のハッチを開けたままにしているので、日が差して
いて部屋の様子は伺える。
部屋の中央部には、円形のちょっとした舞台のような物があり、俺とアイーシャ
さんから見て部屋の奥には、何やら制御盤らしきものが見える。
内装は、石造りのドームって感じ。
「準備できましたにゃんw」
俺がここの部屋の様子をうかがっている間に、アイーシャさんは背中に背負う
マジックボックス小から、”簡易転移装置”の片方を出してセットしていた。
「ああ、わるい悪い」
俺はアイーシャさんにそう謝ってから、無線でミオン達に準備が整ったことを告げる。
≪了解!≫
ってミオンから無線の返事を聞いてから、待つこと約10分。
部屋の床に置いた”簡易転移装置”が光……。
「おお、着いたのか!?」
一番乗りは意外にも櫻ばーちゃんだった。
「えっ、ばーちゃんが一番なの!?」
と俺が驚き言うと、
「ん?わしが一番では都合悪かったんか!」
と俺に言い返す櫻ばーちゃん。
(いえいえ、滅相もない)
俺はそう思いながら、アイーシャさんと共に首をぶんぶん横に振った。
◇◇◇◇◇
次々とメンバーが転移してきて、ブレイブロボに続いて最後はミオン。
「じゃぁ~早速皆準備してぇ~」
ミオンの指示に皆が部屋の中央部にある丸い石舞台に上がった。
「ソフィー~んじゃまよろしく~w」
「はい、かしこまりましたw」
1人だけ石舞台に上がっていなかったソフィーが、部屋の奥の壁にある配電盤のよ
うな鉄の四角い箱に近づき、箱の蓋を開けた。
「では、いきますよ~」
そう言うと、その中にある手形に自分の右手を合わせる。
”ブゥ~ン”
と言う音が部屋中に鳴ったかと思うと、俺達が乗る丸い石舞台が光り出した。
「ソフィー~はやく、はやく」
舞台の上からミオンが手招きをする。
「はい……」
”ドテッ”
ミオンに急かされ、振り向きざまに石舞台に向かって走ろうとしたソフィー
が、……転んだ。
(ありゃりゃ)
それを見た俺は、急いで舞台から駆け降り、ソフィーを抱きかかえて再び石
舞台に飛び乗った。
「セーフw」
ミオンが、野球の審判のようなしぐさで言う。
と同時に石舞台の光が増していき、その光に包まれるのであった。
◇◇◇◇◇
(暗くて良く見えない)
と転送先で俺がそう思った瞬間!、”パッ”と部屋の壁中にある魔光の装置が光
る。
んー、市役所の玄関ホール!?……位の広さだろうか。
石畳で神殿のような石の柱に囲まれた部屋がそこにあった。
「セイア!そろそろ変身したら!?」
「ああ、そうだな」
ミオンに言われ俺はそう返事をして頷くと、
「 チェインジング!(Changing)」
変身した。
部屋の奥に見えるのは……通路?
高さ10m余り、幅は車が2台すれ違えるだけの幅がある通路があった。
(これなら、ブレイブロボも通れるね)
通路は緩やかな下り坂。
ブレイブロボを先頭に、ミオンとシノブ、アイーシャさんがその後ろを歩き、
その後ろにゲキ、クレアさん、エドナさんが続く。
また、その後ろにソフィーとニールさんが続き、その後ろが、櫻ばーちゃん
、ローゼ、シュイが続いて、殿はこの俺が務め、皆で通路を下って
行く。
通路先には、少し広場になっていて、その先に大きな扉が見えた……時だっ
た!
大きな扉に大きな2つの目が光ったと思ったら……。
”ピッ”
≪Enemy≫
≪名称 ぬりかべ≫
≪戦闘力 600≫
≪防御力 2,000≫
≪スピード 20≫
≪MP 200≫
≪特技 押しつぶす≫
×1
「ぬりかべぇ~!」
と叫びながらその扉が俺達の通路の方に向かって来る。
(ヤバイ!)
と俺が思った瞬間、今度は俺の後ろから、
「ぬりかべぇ~!」
と叫びながらこれまた通路に侵入しようと迫る。
”ピッ”
≪Enemy≫
≪名称 ぬりかべ≫
≪戦闘力 1,000≫
≪防御力 2,000≫
≪スピード 20≫
≪MP 200≫
≪特技 押しつぶす≫
×1
俺達全員即座に戦闘態勢を取る。
「ロボ・ツインショット!」
『マッシ!』
”バコン””バコン””カチャ””カチャ”
”バコン””バコン””カチャ””カチャ”
続いてシノブがライフルでフルオートで射撃。
"タタタタタ”
しかし、ロボのショットガン並びにシノブのライフルの弾は、ぬりかべの体に
めり込むものの、そのまま通路に侵入。
と同時に、ぬりかべは体の幅と高さを通路いっぱいに広げなおも迫って来る。
「ぬりかべぇ~!」
後ろから迫るぬりかべも同様に、体を通路いっぱいに広げ迫って来た。
「俺達を押しつぶすつもりだぞ!セイア」
ゲキの言葉に俺は黙って頷き、両手をブレードアームに変えるとすぐさまプログレ
ッシブ ブレードを展開クロスさせる。
「必殺!クロスエンド」
するとクロスしたプログレッシブ ブレードから衝撃破が起こり、ぬりかべに命
中すると一瞬にして爆発四散した。
”ドッカーン”
”ボロボロボロ”
「ロボ・メガトンパンチ3連発!」
『マッシ!』
ブレイブロボは振りかぶり、渾身のパンチを3連続でぬりかべにお見舞いする。
”バキーン”
”メリメリ”
”バキーン”
”メリメリ”
”バキ――――ン”
”ボロボロボロ”
ぬりかべ達は、唯の石ころとなった。
◇◇◇◇◇
”ギ、ギギ――――――!”
観音扉の扉を左右一枚づつ力業で開けるブレイブロボ。
「Woah!……」
「なんなのこれぇ~」
部屋の中に入り驚きの声を上げるシノブとミオン。
俺も皆に続いては入ってみると、
(……何じゃこりゃ!)
辺りは薄暗く……ってこれ墓場じゃん!
しかも、日本の……。
墓石や卒塔婆何かがある、古びた墓場。
「キャー」
「キャ、何」
ソフィーとシュイが突然現れた人魂を見て叫んだ。
「人魂じゃ、心配するでない」
と怖がる2人に櫻ばーちゃんが言ったその時だった。
”カラン”
”カッ””カッ”
「うわっ!でた」
そうミオンが叫びながらも、左腕のブレスレットに手を掛け、
「電空ブゥ~メラン!」
ミオンは咄嗟に電空ブーメランを放つ。
ブーメランが向かった先には、一つ目の付いた唐傘が一本足(人間の足)で飛び
跳ねていた。
”ピッ”
≪Enemy≫
≪名称 唐傘小僧 ≫
≪戦闘力 1,500≫
≪防御力 700≫
≪スピード 1,000≫
≪MP 200≫
≪特技 回転による切り裂き≫
×1
しかし、その唐傘小僧、ブーメランが当たりそうになると、急に傘を広げ猛スピ
ードで回転。
”カッキーン”
とブーメランを弾いた。
「えッ!」
それを見て驚くミオン。
「ファイヤーストーム!」
俺は、右腕をフレイムアームに変え炎を回転する唐傘のおばけに浴びせた。
”ボー”
あっという間に、唐傘は燃えだし……炭になった。
(元は紙と竹だからよく燃えるわw)
◇◇◇◇◇
「くっ、うわぁ~!」
声に振り向くと、クレアさんが持つ剣に白い布は巻き付き、クレアさんの剣を奪お
うとしていた。
”ピッ”
≪Enemy≫
≪名称 一反木綿 ≫
≪戦闘力 800≫
≪防御力 200≫
≪スピード 800≫
≪MP 150≫
≪特技 巻き付き攻撃≫
×1
「クレアさん!?ファイヤーブレード!」
剣を奪われまいともがくクレアさんにミオンがそう叫んだ。
その言葉に、クレアさんは、”はっ”として頷き叫んだ。
「ファイヤーブレード!」
クレアさんの剣の刀身は、見る見る温度が上がり赤く色づく。
と同時に、クレアさんの剣に巻き付いた白い布は”ぼっ”と炎を上げながら燃えて言
った。
「ふぅ~」
とため息を付くクレアさん。
「一体あれは何だったんでしょうか?」
そう疑問を口にするクレアさんにゲキが言った。
「たぶん、一反木綿だと思うぞ」
「イッタンモメン?ですか」
「妖怪だよ、クレアさん」
と笑顔でクレアさんの疑問に答えるミオン。
それに続いて、シュイがクレアさんに言う。
「レイスのようなものよw」
(ん……かな……妖怪を説明するのは難しいな)
と思う俺であった。
◇◇◇◇◇
薄暗い墓場を抜けると、そこは神殿のような石の柱に囲まれたエレベーターホ
ールくらいの広さの部屋に出て来た。
中央には、木で建てられた時代劇によくある番屋のような小屋があった。
そして、その小屋の入り口にはでかでかと看板が上がっており、そこにはこう
書かれていた。
『セーフティーゾーン』
それもカタカナで。
それを見たミオンは皆にこう言った。
「んじゃま、ここらで休憩しましょう~」
日本の妖怪って、あまり戦闘能力がない!?
って豆ごはんは思うのです。




