136話 ドラキュラVSブレイブチーム
街を出てしばらく走ると、ウクラハンバ王国中心部へ向かう街道を外れ、荒れた
道を進んだ。
街道を外れて10分ほど走ったら、それは見えて来た。
荒れ果てた2階建ての洋館。
家の周りをぐるりと囲んでいたであろう塀は既になく、大きな洋館正面には、門
柱だけが残っていた。
洋館の手前500mで俺はバイクを止めると、後ろに乗ったミオンが、後方を走
ってくるシノブのバイクとゲキが操る馬車に手を上げ、合図を送る。
その合図を見て、後方のシノブもゲキもバイクと馬車を停止させた。
俺は皆を残し、1人で洋館へと近づいた。
俺が知る異人館の建物より一回り大きな建物。
2階建てで、正面右側には塔のような丸みを帯びた建物が付随しているようで、
1階中央が入り口みたいだ。
まずは、GUY BRAVEのセンサーで洋館の内部を探る。
”ピッ”
≪名称 ブラッドバット≫
≪戦闘力 500≫
≪防御力 100≫
≪スピード 300≫
≪EP 200/200≫
≪特技 眠りの音波≫
×30
≪名称 ドラキュラ≫
≪戦闘力 20,000≫
≪防御力 30,000≫
≪スピード 2,000≫
≪EP 2,000/2,000≫
≪特技 吸血、風刃≫
×10
ん?以前戦ったことがあるブラッドバットが居るじゃないか……。
(恐らく、ドラキュラのおこぼれに与ろうと集まって来たのかもしれない)
それに……人間?いやドワーフの子供らしき反応が……。
それを無線で皆に告げた。
すると、それを聞いたシノブとゲキとミオンにアイーシャさんが、俺の所にやっ
て来た。
これは、宿屋のロビーで話あった時に決めた、突入部隊のメンバーだ。
今回は広いと言えども室内戦……なので、部屋の中で取り回しのきかない弓が武
器のエドナさんは外れてもらい。
前回、クラーケン戦で盾を失ったクレアさんも外れてもらった。
当然、初めからソフィーは戦力外。
そして、シノブは室内戦と言うことで、いつのもライフルでなくガバメント(拳
銃)を使うが、2か所同時攻撃と言うことで、愛用のマギーに加え、予備のガバメ
ントを取り出し2丁拳銃で戦うらしい。
ゲキは背負っている斬馬刀でなく腰の脇差2本で戦うそうだ。
ミオンは電空ブーメランも使うが、主にP-38を使うそうで、その射撃に合わ
せてアイーシャさんが、吹き矢でミオンと同時攻撃で、戦う予定なんだと。
(上手く行けば良いが……まぁダメなら俺がフォローする)
「皆いい~狙うのはドラキュラの2つの心臓!1つは胸、一つは右わき腹の肝臓の
位置にあるからねぇ」
そのミオンの言葉に俺達は黙って頷く。
「アイーシャさん私の射撃に合わせてねぇ」
「はいですにゃ」
アイーシャさんの返事に頷いたミオンは俺に視線を向け、合図を送って来たので、
それに再び頷いた俺は、1人先行して視界を暗視モードに切り替え、洋館正面入り
口から入った。
”バーン”
朽ち果てた扉を蹴飛ばし入る。
とても玄関とは思えない広い玄関……さすがにホテルのロビーほどはないが……。
正面奥に2階へと上がる大きな階段、左右に応接セットが置かれていたであろう
スペースがある。
どちらもすでに朽ちかけているが……。
正面奥階段の左右に扉が見える。
≪正面玄関はクリアーだ!≫
無線で皆に伝える俺。
それを聞いて、シノブとミオンはシノブの用意した暗視ゴーグルを着け、アイー
シャさんは猫人族なので夜目が利くからそのまま、で、ゲキも気を使い気配察知を
するから余計なものはつけたくないってことで、そのままの格好で入って来た。
ドラキュラに攫われた女の子は、2階にいるのは分かっているんだけど、その前
に厄介な奴を始末することにした。
正面の階段の左の扉の前に俺とシノブが立ち、シノブが背負ていたマジックボッ
クス小を降ろし例の物を大量に取り出した。
俺がカウントダウンし、扉を開ける。
「3・2・1・GO!]
シノブはスモークグレネードのピンを抜き、次々とその部屋に投げ入れた。
その数20本。
このスモークグレネードは、以前と同じくアイーシャさんが、調合したこの異
世界の痺れ薬が入れてある。
シノブがスモークグレネードを投げ終わると、すぐさま俺が扉を閉め、しばらく
様子を見る。
約3分後、俺がそのスモークグレネードの煙が蔓延する部屋に1人入る。
大きな部屋……天井にはシャンデリアがあり、ちょっとしたダンスホールって感
じのその広い部屋の床には、30匹のブラッドバットが床一面に落ちていた。
「フレイムアーム!」
俺は両腕をフレイムアームに変えて、痺れて動けない30匹のブラッドバットを丁
寧に焼いた。
◇◇◇◇◇
俺がブラッドバットをこんがり焼いている間に、ミオン達は念のため、階段右の
扉の部屋を確認したらしい。
右の部屋は、調理場とその奥に使用人の部屋が1つあっただけで、いずれも”ク
リア”って事だった。
(そら、そうでしょ、俺のセンサーに何の反応もなかったんだから)
そして、俺を先頭に皆で、2階へと階段を上がる。
しかし、2階と1階の間にある踊り場に俺達が付いた時、その階段踊り場にある
左右の階段の上から現れました奴らが。
≪名称 ドラキュラ男≫
≪戦闘力 20,000≫
≪防御力 30,000≫
≪スピード 2,000≫
≪EP 2,000/2,000≫
≪特技 吸血、風刃≫
×4
≪名称 ドラキュラ男≫
≪戦闘力 20,000≫
≪防御力 30,000≫
≪スピード 2,000≫
≪EP 2,000/2,000≫
≪特技 吸血、風の鞭≫
×4
まず、黒のタキシードのような服にマントの男のドラキュラが、2階へと上る左
右の階段の上に左右2人づついて、その4人のドラキュラ男が飛俺たち目掛けてび
降りて来た。
”サー”
って感じでマントを翻し、降りてくるドラキュラ達。
その時だった。
ミオンが徐に叫ぶ。
「バニーフラッシュ!」
ミオンの放つ眩い光を目にした俺達目掛け、飛び降りた4人のドラキュラ(男)が、
あまりの眩しさにのけ反り、方向と距離を誤って1階のフロアに激突した。”
”ドスン”
まず、1階の床に落ちたドラキュラ(男)のうち、起き上がろうとする1体を、
シノブが2丁のガバメントでドラキュラ2つの心臓を見事に射抜いた。
”ズキューン””ズキューン”
「グエー」
悲鳴を上げ、次いでその隙をついてゲキが腰の2本脇差を抜くと気を溜め放つ。
「撃心流奥義の1つ 真空切り!」
ゲキが放った2本の気の刃が、もう1人のドラキュラ(男)の2つの心臓を切り裂
く。
ゲキに心臓を切り裂かれたドラキュラ(男)はその場に声も出せずに倒れた。
”ドサ”
そして、変身を終えたミオンがポーズを決め言う。
「スパイバニー参上!」
黒の袖なしの革ジャンに革のショートパンツ……黒のブーツに当然ウサギのお耳は
ついている。
「アイーシャさん行くよ!」
「はいですにゃ」
「「3・2・1シュート」」
と2人は声を合わせ、3人目の1階のフロアに居るドラキュラ(男)目掛け、ミオ
ンはP-38を放ち、アイーシャさんは吹き矢を放つ。
”ズキューン”
”シュパ”
2人の放つ弾丸と吹き矢は、見事3人目のドラキュラ男の2つの心臓を同時に射抜
いた。
「グエー」
しかし、残った4人目のドラキュラ(男)が、俺達目掛け手刀を振り落とすと、
風の刃が起こり。俺達の中のミオン目掛けて襲ってきた。
俺は咄嗟に右腕をマシンガンアームに、左腕をシールドアームに変え、バリアー
を展開し、それを防いだ。
”バシ”
「キャ」
思わず、身構えるミオン。
そして、すぐさま反撃。
右腕のマシンガンアームを風の刃を撃って来たドラキュラ(男)に向け、鋼弾を放つ。
”バリバリバリ”
俺の放った鋼弾は、何故だかわからんが、ドラキュラ(男)に着弾するやいなや、
ドラキュラ(男)の体を爆発四散させてしまった。
”ドバーン”
それを見た俺を含む仲間全員が目を丸くし、ミオンが俺に言う。
「セイア……いつの間にパワーアップしたの?」
斯く言う俺も驚いている。
「いや~なんでだろう?」
俺とミオンはお互い顔を見合わせて、そんな会話をしていたら、今度は2階の左右
の階段から、ドラキュラ(女)2人が降りて来た。
長い髪、つり上がった目に、胸元が大きく開いたイブニングドレスのようなもの
を着た姿。
それを見たゲキが俺に叫んだ。
「ここは、俺達で食い止めるから、セイアは女の子を!」
その言葉に俺は頷き、左腕をワイヤーアームに変え、右の階段上にある2階の手す
りへ、腕を飛ばした。
「ブースドワイヤーナックル」
”ボシュ”
”シュルシュルシュル”
”ガチン”
飛ばした左手がしっかりと、2階手すりを掴んだのを確認して、ワイーヤーを巻き
上げる。
”シュルシュルシュル”
そして2階へと上がる中、降りずに2階フロアに留まっていたドラキュラ(女)に
向け鋼弾を放った。
”バリバリバリ”
”ドバーン”
俺の行動を予想だにしなかったドラキュラ(女)は、俺の鋼弾を浴び、目を見開
いたまま体を爆発四散させた。
その間に、
「撃心流奥義の1つ 真空切り!」
ゲキが放った気の2本の気の刃を、右の階段を降りかけていたドラキュラ(女)は
、手に巻き付けた鞭を振るって、風の刃を起こし、相殺する。
が、その隙にシノブが2丁拳銃で、ドラキュラ(女)を仕留める。
”ズキューン””ズキューン”
「ぎゃぁ~!」
右の階段から転げ落ちるドラキュラ(女)。
それに気を取られたいた、左階段から降りて来たドラキュラ(女)に、ミオンと
アイーシャさんがP-38と吹き矢で攻撃する。
「アイーシャさん行くよ!」
「はいですにゃ」
「「3・2・1・シュート」」
”ズキューン”
”シュパ”
「ぎゃぁ~!」
左階段を降りかけていたドラキュラ(女)も左の階段から転げ落ちる。
そして、最後の左階段上の2階のフロアに居たドラキュラ(女)をシノブが2丁
拳銃で放った銃弾で仕留めた。
”ズキューン””ズキューン”
「ぎゃぁ~!」
ドラキュラ(女)はそのまま手すりを突き破り、1階フロアへと落ちて行った。
”ドスン”
俺は、皆の戦いを見届け、2階フロアの右の部屋へと突入した。
◇◇◇◇◇
部屋の扉を蹴破り部屋に入る。
”バーン”
部屋は20畳のベットルーム……2つの大きな朽ちたベットがあり、部屋の奥に
は円形の筒状の部屋の壁が見える。
そして、いましたラスボスが……。
金色の鎧に身を包んだオールバックの中年紳士。
入って来た俺をギョロット睨むと腰の大きな剣を抜いた。
剣には剣でお相手せねばってことで、俺は両腕をブレードアームに変え、腕のガ
ントレットのスリットから、プログレッシブ ブレードを出し、お相手する。
相手が俺に打ち込んでくるところを、右腕のプログレッシブ ブレードを下から
振り上げ跳ね返す……。
”バキーン”
跳ね返すと言っても、ボスドラキュラの剣が俺のプログレッシブ ブレードの刃に
触れた途端に、ドラキュラの剣は、ぽっきり折れたんだけどね。
何が起こったのか理解できず、折れた剣を見つめるボスドラキュラ。
「悪いねぇ~」
俺はそう言って、ドラキュラの胸元に向け、プログレッシブ ブレードの刃をクロ
スさせた。
「クロスエンド」
”ドカ~ン”
ボスドラキュラは、体が爆発して、頭だけになり、その頭が部屋の床に転がった。
白目をむいて転がるボスドラキュラの頭に向かって俺は、
「ご愁傷様」
そう言って、部屋の奥にある円形の壁へと向かった。
「待っててね、もうすぐ助けるからね」
今回のドラキュラ(女)のイメージは、某アニメ妖怪人間ベ〇に出て来る
女妖怪人間〇ラです。
豆ごはんの頭の中では”ぽい”かなって思いまして……。




