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異世界はバラ色に  作者: 里中 圭
第7章 ファジルカ大陸編
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第3話 森の中へ

 砂浜を抜け草地を通り、少し登ったところから森が始まる。松の群生から始まり針葉樹、広葉樹が入り交じった不思議な森だ。下生えも森の中に入った所から少なくなり歩きやすくなった。ただ藪になっているところが所々にあり見通しは良くない。少し入り込んだ所で休むことにする。


「ここらで良いでしょう。余り深く入りたくないし。カーラ、どう?」

とスリン。

「あなたが良いと思うなら、そうしましょう。王妃、よろしいですか?」

「カーラ、あなたが近衛のリーダーですよね。スカーレットの従者なのですから。クラリスとあなたでいろいろと話し合って決めて下さい。責任は全て私が取ります」

「はっ、では此処に一端拠点を作ります」

と言って、藪で外から見えない場所で休むようにする。荷物はほとんどない。

キリスが土の結界を張る。


 クラリスが、カーラ達に袋を見せて、

「私の魔法袋には王妃の衣装、化粧品、タオル類が少し、ポーションも少しだけ入っているわ。非常食も少しだけ」

「食料は非常食だけですか?」

「硬いパンと干した肉と果物が10食分くらい。私の魔法袋は時間の遅延が付いていないから生鮮食品は入れていません」

「食料は調達するしかないですね。誰か鑑定は使えますか?」

そういって皆を見たが、だれも手を挙げない。

「いないのですね、珍しいスキルだから仕方ないか」

「フルールが使えたのですけど連れ去られたから」

とデボラ。


 カーラは周りを見回して立ち上がり、

「私はカーラ、メルカーディア王国第3近衛隊。スカーレット近衛隊長の第4従者です」

「スリンです。同じく第3近衛隊です」

「同じく第3近衛隊のキリスです。土の結界が張れます」

クラリスも続く、

「クラリスです。治療魔法2まで使えます。王妃はご存じですね。この二人はデボラとジネット」

「デボラです。木の結界が張れます」

「ジネットです。生活魔法が2まで使えます」

「ルイーズです。アドリアナ王女の女官です。裁縫は得意ですので服の修復などは任せて下さい。針と糸は持っています」

「フィニーネです。プエルモント教国で文官をしています、私も生活魔法2まで使えます」

「ルグアイ王国のトゥシアナ王女の侍女アメリアです。私も生活魔法2まで使えます」


「で、これからどうするんですか?」

と不安そうにフィニーネが尋ねる。キリスがカーラに同意を求めるように、

「まずは食料ですね。木の実や野菜類を探すことと野獣や魔物の肉を確保することですね。此処が安全かどうかも調べないと。危険ならもっと奥に拠点を移す必要があるし」

「でも、神の門からは離れたくない。いつ開くか分からないんだから」

とカーラが答える。考え込んでいたクラリスが王妃に軽く一礼してカーラに尋ねた。

「いつごろ神の門は開くと思う? 心づもりもあるし」


 カーラは少し考えて、ゆっくりと答える。

「現在分かっている神の門は三つ有ります。一つ目はメルカーディアにある南の砂漠の奥深くにあるサマルカン大陸へ通じる門。二つ目はルグアイの北の山岳地帯にあるシャイアス大陸に通じる門。そして三つ目はプエルモントの西の岩山にあるファジルカ大陸に通じる門です。このうち2つは開け方、閉じ方が分かっていると報告されています。そして2つの門をしっかり閉じるともう一つの門が不安定になることも古文書から分かっています。これを利用するしかないのではないでしょうか」

カーラは蒼龍の書や三つの水晶のことはまだ知らない。

「2つの門は今どうなっているの?」

「よく分かりません。二つとも閉じていたから西の岩山の門、西の門と呼びますね、が開いたのではないでしょうか。そして今、西の門が閉じたので北の門か南の門が開いているかもしれません」

「では、その2つの門を完全に閉じれば良いのですね」

「それですぐに開くかは分かりませんが不安定になるらしいので」

「閉じ方は分かっているのでしょう。どれくらいかかるのかしら」

「サトシが、あっサトシというのは黒龍の牙のリーダーです、サトシが祠の文字を読めば西の門の開け方が分かるかもしれません。祠に開け方が書いてあればですが。北の門を閉じるには属性が闇の者が必要です。属性が闇なのは、いま分かっているのはサトシだけです」

「黒龍の牙は今どこに?」

「シャイアス大陸にいるはずです」


 だんだんと血の気が引いてきたフィニーネが、

「シャイアス大陸って・・・いつ帰ってくるの? 黒龍の牙は何をしにシャイアス大陸に?」

「そこまでは聞いていません。冒険者ですから、調査の依頼を受けたか、単なる冒険か」

「じゃあ、シャイアス大陸から帰ってきて南の門を閉めて北の門に向かい神の門を閉める。そういうことになるのかしら」

「それで上手くいければ良いのですが」

「えっ、だめなの」

「南の門を閉め、北の門を閉める。西の門、かりに西の門と呼びますが、西の門も閉まっているのですから不安定になったときにどの門が開くか分からないということになります。北の門をしっかり閉めたら南の門が開いたとなるかもしれません。仮に西の門が開いてもどのくらいの時間開いているかも分かりません」

「それじゃあ、助からないの?」


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