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θ34

 問題が起きた。なんと私たちがツアーするにあたって警備の冒険者達を雇ったんだけど……そのなかにサイオスと赤線の奴がいた。いや、もともと使えそうな奴を探すためにあの時は抜け出したんだけどさ……それこそツアーの時も蛇が納得するくらいの強さの奴を擁して推し進める気だった。けど、サイオスはだめだ。あいつは……もうなんかあぶないし……そもそもあいつは通すなって犬君達に言ってたはずだが……赤線のやつはまだいいよ。

 

 だってサイオス程におかしくないはからね。まあ見た目だけなら、サイオスよりもおかしいけどさ。それは見た目だけなんだ。だからまだ赤線はいい。てか私の正体知ってるし。ゼラがラーゼだとね。けどそればサイオスには知られてはいけない事実。それが知られたら……危ない。私が。だからこいつが同行するのはちょっと。そもそもラーゼの傍にもいさせたくない。だって危ないもん! あの超弩級のアホは何やらかすかマジでわかないんからね。


 てなわけで蛇に直談判である。


「こいつ、外して」

「君が変な格好してやってるパーティーのメンバーですね」


 こいつ知ってたのかよ!? いや、蛇はくそ優秀だからね。知らない訳ないか。大体私の事は私以上に知ってる変態だ。てかだったらこいつはじいてよ! なんで通した? 私の護衛をする奴の素性の調査をしないわけないし、思想とか性格とかもきっと調べ上げてるはず。それなのにどうして……


「あんた何考えてるのよ? こいつが私にとってやばい奴ってわかってるでしょ」

「まあそうですね。確かに彼は少々危ない」


 少々? あいつは少々ってレベルじゃないでしょ。


「あんたわかってるの? 私が襲われたらどうする気よ?」

「そんな事にはなりませんよ。冒険者なんて所詮はわかりやすい目印みたいなものですよ。私が半端な者たちで貴方を守らせるわけないじゃないですか」

「それはまあ……そうだけど……」


 蛇の奴は目を通してた書類から視線を外して私の手を取ってくる。そしてなんか私の手をやらしい手つきで撫でてる。こいつ……今日を逃すとしばらく出来なくなるから待ちきれない様子? けどこのままじゃだめね。私はパシッと蛇の手を払いのける。


「ラーゼ……」

「まだ私のお願い、きいてもらってないよ?」

「そんなに彼が嫌いですか? 別に気にしなくていいのですよ?」

「確かに嫌いだけど……てかだから、いやなんじゃん。なんかあいつが傍にいると鳥肌立つんだもん」

「じゃあなんで一緒にパーティー組んでるんですか?」

「それは……あいつが変な使命感を感じて? なんかあいつにとって私ってお姫様みたいだから」

「それは……きづかれてるんじゃないんですか?」


 確かにそれは思った。けどどうやら気づいてはないっぽい。不思議だけど、あいつはそういうやつなんだ。そういうわけわからない奴なのだ。


「まだ……きづかれてはないからこそでしょ! あいつば多分そうそうの事では気づかないけど、どこで気づくのかもわからない奴なのよ」

「だが、ああいうのはある意味いい。撒き餌としてはね」

「……何か掴んでるでしょあんた?」


 このツアーで何かやる気の様だね。やっぱり私狙われてる? まあ大体いつも狙われてるけどね。


「他種族が入り込んでるという情報があります。だからそれなりに危険なツアーになるでしょう。狙いがラーゼかはまだわからないですがね。ですが派手に動くと奴らも動くでしょう」

「他種族ね。どんな種族なのよ?」

「まだ不明です。どうやらこの領には足を踏み入れてないようなので」

「そっか……察しのいい奴らなのかもね」


 だからやけにツアーを渋ってたのね。けど私か止まらないことを知ってるから、対応を変えたってわけね。こっちから動いて入り込んでる奴らの出方を見るつもりのよう。私の護衛を冒険者なんて言う、どっちかっていうと薄いのにしたのもそれか理由か。


「まあ、我らの軍が大体的に他領に入り込めないってのが理由ですがね。そのてん、冒険者ならそこら辺の境界は甘いんですよ」

「はいはい、とりあえずあいつは弾いといてよね」

「努力はしますよ」


 なんだその曖昧な返事は? ちょっと私の命令は最優先事項でしょ。


「あなたもよくわかってるでしょう。あれば、特殊なんですよね」

「まあ……ね」


 あいつのことを思い出すと重い息が出る。それがサイオスという男なのだ。


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