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θ20

「「「ち、違うんです!!」」


 そういって後ろから大きな声を出すのはショップ前でたむろしてた三人組……そして一人の赤線男。どうやら復活したようだ。犠牲者の登場に兵士の皆さんはちょっと動揺してる。てかこいつらを介抱してただろう兵士が後ろにみえる。あいつらは私がラーゼだと知ってるし、状況を聞いてまずいと思ったのかもしれない。


「自分たちは彼女に何かをされたわけではなくてですね……」

「そうなのだ……我たちは……その」


 ちらちらとこちらを見てくる三人プラス一人。私がちょんと動くとすぐさま顔をそらすのが面白い。けどこいつらが来たことで状況は一辺したといっていい。だって犠牲者だと思われてた奴らが私の無実を叫んでるんだよ? これ以上ない証拠でしょう。どっかのアホのわけわからない言葉よりもよっぽどね。


「君たちは確か……」

「隊長殿!」

「一体どういうことだ?」


 あとから追ってきた兵士たちがこの中で一番偉いであろうおっさんになにやら説明してる。そして走ってきた三人プラス一人に尋ねる。


「君たちは彼女に昏倒させられたのではないと?」

「ええ……たしかに彼女のせいといえばそうなんですけど……でもそれは彼女のせいじゃないというか……」


 歯切れが悪く一人がそんなことをおっさんに言ってる。まあ言いづらいよね。だって私が可愛すぎて失神しましたなんて……ね。かれらにも男としてのプライドくらいはあるんだろう。ここにはたくさんの人たちがいるからね。大っぴらに言いたくない気持ちはわかる。けどはっきり言わないとこの人は納得しそうにない。


「容量をえないな? 彼女をかばってるのか?」

「違うのだ。かばうとかではない。そもそも彼女に罪はない。われらが、われらの心と体が未熟だったのだ。すまん!!」

「「「すみませんでした!!」」」


 赤線に続いて三人組も頭を下げる。下手なことをいって私に迷惑かけないようにってはいりょかな? 多分私がお忍びでここにきてるって気づいてい色々という前に謝ってしまおうってことだと思う。その思いは素晴らしいよ。


「さあ! 罪を認めるのはお前たちの方だったようだな。被害者がいないのなら、彼女になんの罪もないはずだ!」


 サイオスの奴、まるで自分が形勢逆転させたみたいに勝ち誇ってるけど、あんた何もやってないから!? むしろ場を混乱させただけだから! いやさ、今の言葉はその通りなんだけどね。サイオスの言葉を受けて隊長格のおっさんが「それで君たちはいいのか?」という。それに赤線たちは首を縦に振ってる。そして周りで静観してた冒険者たちも「もういいだろ?」とか「ご苦労さん」とか言ってる。すでに解決した空気だ。


 さすがにこうなったらもうどうすることもできない。


「全く、君たちがそういうのなら、もういいさ。彼らの主張を信じて、君が何者かは詮索しないでおこう」

「それがいいですよ。私の為にも、そしてあなたの為にも……ね」


 私は見えてる口に指を持っていきそういった。するとほんの少し、頬を赤らめるおっさん。私に罪があるとすればこの美貌だからね。少しだけそれに気づいちゃったかな? けどもう私には罪はない。疑いは晴れたのだ。


「俺の勝利だああああああああ!!」


 そんな事を叫んでるのはサイオスだ。いやだから、あんたのおかげじゃ一片たりともないからね!! まあだけど、なんかよくわからないがギルド内は盛り上がってた。


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