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「あのーすみません」
ククール神はそんな風にちょっと申し訳なさそうにカサノヴァの陣営の神に話しかける。どうやってカサノヴァの陣営にもぐりこむか? と考えたんだけど、奴らは今絶賛陣営へのスカウトをやってる。
まあなんかククール神はカサノヴァの事を嫌ってて結構な塩対応をしてたらしいから、いきなり「私も入れて!」とか言ったら不審がられるかもしれない……とも思ったんだけど、今は状況が状況だ。
だから色々と企むよりも、寄りべを求めてククール神が近づくのはそんなにおかしい事じゃないってことになった。ある意味でククール神自身が強くなかったのが良かったね。これがそこそこ強かったら寄りべを必要なんてしないし?
それにカサノヴァの奴はプライドが高いのはわかってる。なにせ私のあおりにもすぐに乗ってきてたしね。きっとあいつは私の美しさが許せなかったのだ。自分よりも美しい私って存在がね。それでも自分の陣営に入るのなら、殺すまではしなかったのかもしれない。でも私は断った。
あの頃は下位の神だった私。そんな私が上位の神であるカサノヴァの誘いを断った。それがきっとカサノヴァは許せなかったんだろう。だからやった。所詮は下位の神なんて思ってたんだろう。私の方にはズラララバライトとかヴァラヴァレレイドがいるってわかってたようだけど……実際そんなに私たちのつながりについてはリサーチはしてなかったよう。
思い込むところがカサノヴァにはあるようだ。もっとちゃんと私の事をリサーチして、ズラララバライトもそしてヴァラヴァレレイドも私に本気だった……とわかってたら、きっとカサノヴァも殺すまではしなかったと思う。奴は読み間違えたのだ。
きっとズラララバライトもヴァラヴァレレイドも気まぐれで下位の神の相手をしてる……程度に思ってたんだろう。ちょっと調べたらそうじゃないってわかりそうなものだけどね。まああの頃はまだヴァラヴァレレイドとは知り合ったばかりといえたから、ヴァラヴァレレイドとのつながりはわかんなかったかもしれない。
でもズラララバライトは私が神になったころから一緒にいる訳で……そこは調査不足と言わざるえない。だってどうでもいい奴とかさ、それならまだあるかもしれないけど、嫌いな奴とは一緒に居たくないでしょ。それにズラララバライトは真龍改とかよりも明確に上な古龍だよ?
だいたいどの神よりも古龍が強いって言われてて、それは事実じゃん? なら神の中でも一番下っ端の下位の神だった私と一緒にいる理由とかさ……それだけ私の事が気に入ってるから……しかないじゃん。
(そう考えると、あいつ私の事大好きだよね)
改めて私はそう思ったよ。




