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&520

 私とククール神は別々の方向に歩いていった。この建物の構造はよく知らないし、どこで落ち合う? とかもいってない。まあ直接頭に言葉を届ける……くらいは私たち神だし? できるけど……でもどうやらククール神は私の正体? にきづいてるようだし、ここはその力を示して私には逆らわないほうがいいって思わせとくか?

 面倒な説得とかしてる場合じゃないしね。今もウサギっ子たちは大変だろうからね。一応まだ粘ってる。始祖の龍も遊びに入ってるからだろう。とりあえずまだ遊んでてもらって……その余裕を足元から掬う! ってできればいいんだけどね。


 始祖の龍は圧倒的といえるからね。それをわかってるからここに残ってる奴らはビクビクとしてるだけなのだ。なんとかしようと出ていったヴァラヴレレイドたちがおかしいんだろう。


「あれれ? また会ったね」

「白々しいですね。まさかこんな……誰にも気づかれずに新たな領域を重ねるなんて」


 恐れてる恐れてる。その畏怖の視線、なかなかいいね。私とククール神は全く逆に歩いたわけだけど、再びこうやって邂逅してる。別に探して会ったとかじゃないよ。そういう風にしたんだ。私はゼーファスの残したあの場所に新たな空間……いや私の領域を重ねて、そこに彼女を招いた。

 いや迷わせた――と言ったほうが正しいかもしれない。きっとあそこの神の誰もこれにはきづいてないだろう。別にわざわざ私は隠したりなんかしてないんだけどね。でもきっとククール神は私がとても高度な方法でこれをやってのけてる……と思ってるだろう。


 だってあそこには沢山の神がいたのた。それを全て欺いてこんな事ができるなんて自分の想像以上の存在だって……きっと思ってくれる。それがちょっといい気分。まあ実際はさっきもいった通り、私は別に高度なことはしてない。むしろ隠そうなんてしてないまである。


 でも誰も気づかない。なぜか? それは簡単。だって私の力はこの宇宙由来の力ではもうないからだ。まったくの別種。だから感じようがないのだ。ただそれだけ。でも……そんなことを自己申告する必要性はまったくない。

 だって恐れられるのは今の私的には都合がいいからね。翌々考えたら、この目が見えないような見た目にしたものよかったかもしれない。不気味さがきっと更に強くなってるだろう。

 ククール神は不安でいっぱいなはずだ。まあ取ってくおうなんて思って……思って……でもなかなかにククール神は美人さんなんだよね。その汗を一筋垂らす真剣な顔。ちょっとそそる。


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