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「始祖の龍の事はある程度共有できてるでしょう。私たち、この宇宙の存在は始祖の龍に太刀打ちできない。それはこれまで散っていった数多の神と龍が証明してくれました。偉大で強大だった彼ら……私たちはそんな彼らには及びません。
ですがまだわずかにも闇の向こうはあります。それは完全には始祖の龍でも覆いきれてない。それはきっと僅かな突破口があることを示してる。この宇宙の存在がだめなら、そうじゃなく成ればいい。
それか……」
またバチッとめがあった。あれ? これってなんか嫌な予感するぞ。まさか……ククール神には見えてるのか? 私のこと。この変装バレてる? でも、私はククール神とは会ったことないはずだ。私のことを知ってるなんてこと……ないよね?
「この宇宙の外側の存在に接触するか。貴方はそうじゃないんですか? 可愛らしいお嬢さん?」
手のひらを上にむけて、まるでこっちからの手を待つように伸ばしてくるククール神。すると平伏してる神たちも一斉に振り返って私をみてくる。ちょっとまて……待ってよ。そうだここは……
ちらっ――
私も背後を振り返った。まるで私は関係ないですよ……という感じを醸し出してね。そして丁度と言って良いのかわかんないが、なんと私の後ろにも可愛らしい神がいるじゃないか。
なんかロリっぽいツインテールの神である。半透明な羽衣を浮かして背に背負ってる彼女。私はさもその子がそうかのように、こういった。
「この世界を救ってくださいいいいい!」
「ええええええええ!? なんですかああああああああああああ!?」
めっちゃ混乱してるそのロリっ子神。誰かしらないからロリっ子神と呼ぶことにしよう。ごめんねロリっ子神。でも仕方ないんだ。私は面倒事なんてゴメンなんだよ。なんでここで担ぎ出されないといけないの? そんなの御免被る。
きっとこのロリっ子神はククール神の言葉をそこまでちゃんと聞いてたわけじゃない。多分本当に通りかかっただけ、タイミングが悪かったのだろう。そんな運が悪い神様もいるんだなって思ったけど、私に続いて他の神たちもククール神の言葉を信じてロリっ子神に「おお! おお!」「この宇宙を!」「私の宇宙を!」――とすがりまくってる。
ロリっ子神は涙目……というか泣いてるが、今のうちにさっさと逃げるか。そう思ったときに近くでククール神の声がした。
「酷い人ですね。私の目は誤魔化せませんよ」
まあ彼女の事はごまかせないよね。でも……
「静かに神一人を消すなんてわけないけど?」
私はとりあえず脅すことにしてみた。




