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&517

 ククール神の言葉によって集まってた神達に絶望が広がろうとしてる。だってすがってる……それに未来を見通せるだろう神がそんなことをいってるのだ。


「この宇宙の先が見えない」


 それはこの「先」……「未来」がないと同義だと皆が思ったはずだ。でも……どうやらそれは違うらしい。ククール神は二の句を告げる。


「皆さん、確かに私にはこの宇宙の先は見えません。けどそれは確実にこの宇宙が終わるというわけじゃないんです。今、この宇宙はとても大きな『終わり』の流れに乗っています。それは事実です。

 ええそうです。始祖の龍。それがこの宇宙を覆ってる闇そのもの。それが未来を全て覆ってる。あまりにも強大な始祖の龍が未来を全て覆い尽くしてるのです」


 そんな言葉を受けて、それじゃあやっぱり……もうだめなんじゃ? とかいう声が聞こえる。たしかにそうなるよね。実はまだ希望がある……とか思ったらやっぱり希望なんてありませんでしたー! なんてあのククール神とかいう神、なかなかにユーモアのセンスがあるな……とか思ってた。

 私はこの現宇宙からそうそうに一抜けした立場だからね。だからこうやって「へーあいつ面白いじゃん」とかいう立場で聞いてれるが、ククール神にすがってる神たちはそうじゃないよね。

 もう情緒ぶっこわれそうだよ。けどまだククール神の言葉はおわってはない。どこかに希望があるんじゃないか? ってみなさん最期まで真剣に耳を傾けてる。


「闇に覆われて私にはこの宇宙の未来は見えません。ですが、とても曖昧でもその先があるようには感じます。それがどんな先なのかはわかりません。けど……まだやれることはあると思うのです」


 曖昧だ。そのやれる事というか? もっとどうしたらいいのかとか……つまりは自分たちが助かる指針がここに逃げてきてる神たちは欲しがってる。ククール神にはそれを求めてるんだよね。

 だからこれでは皆さん納得いかないんじゃないだろうか? そう思った。


バチッ


 うん? なんかさっきから時々私とククール神の目が合う。まあ対角線上にいるからってのはあると思うけど……なんか意識されてる? 私の目は髪で隠れてるはずなんだけどな。そろそろ離れたほうがいいか? そんな風に思ってると、更にククール神は続けた。

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